第10話多重債務③

 結局私はプロミスからも10万借りることになりました……しかしそれだけでは終わりません。これだけやっても集まった額は20万。目標の35万には届かないのでもう一社借りることになります。

 次に借りることになったのはモビット。この会社からは20万借りることになります。

 たった一か月足らずで私は金利を合わせて100万の負債をしょい込むことになりました。こうやって書いてると、自分でもそら恐ろしい物があります。

 とはいえ自分はこの後、板熊、芝崎の両名からお金を返してもらえると思っていたので、当時はそんなに不安にもなっていませんでした。愚かですね。

 かき集めたお金は後日板熊に渡しました。これで本当にもうおしまい。そう思っていました……


 それから約一週間後。自分は多重債務による月の支払いをこなす為派遣社員とパチンコ店の掛け持ちを始めます。

 派遣で向かわれる仕事は倉庫内の荷物の整理で、力仕事ばっかりで極めてハードでした。パチンコ店においても、作業内容はドル箱の上げ下げや流しなど、力仕事メインでハードな内容です。よく体が壊れなかったと思います。自分で言うのもアレですが、正直無茶しすぎだと思います。


 こんなハードスケジュールをこなしながら、週の休みは1日のみ。しかも遊ぶお金はないので何も出来ない。月の楽しみの給料にしたって、3分の1以上が返済で無くなり、携帯や保険の支払いで更に減り、手元に残るのは10万以下。本当につらかったです。

 この辺りから心身共に疲労感でいっぱいになり、歪んでいきます。そんなクタクタな中、板熊から呼び出しの電話がありました。

 呼び出しの電話を受けたのが深夜1時。朝7時には派遣の仕事があったので、最初は断りましたが、緊急事態でとにかく連絡が取りたいとの事なので、渋々了承しました。ちなみに電話だと長くなるからお金がかかるという理由で、直接会うことになりました。


 自分の自宅から1番近いコンビニで集合となっており、電話を受けてからわずか1分で板熊と芝崎が到着します。

 彼らはワゴン車に乗ってやってきました。9人は余裕で乗車できる大型のタイプで、新品のようにピカピカの外装でした。簡単に言えば、素寒貧には似合わない、いい車でした。

 車から出てきた板熊から、車に乗る様に言われて車に乗ります。話は車の中で行われました。


 そして車の中で板熊はまた、やくざ達が金を要求してきた、と言いました。

 要求額は50万。自分はため息を吐いて2人に金が無い事を言いました。そしてこのもめ事を終結出来なかった板熊を攻めました。

 板熊は申し訳ない表情でただ謝っているだけでした。何分たってもこの繰り返し。早朝には仕事がある自分には本当に無駄な時間に感じました。

 なのでさっさと終わらせようとして、多少払う事を約束しました。正しもう金は殆ど無いので2人が多く出すことを条件に話はまとまりました。

 

 ちなみに板熊はこの時金になる仕事を始めたから何とかすると言ってました。それが売り専門のゲイバーでした。

 板熊は錦糸町にあるゲイバーで働き始めたからと言って、金はあるから自分には最低限度の負担をかけないと言ってきました。

 愚かな自分はそんな与太話を鵜呑みにしてしまい、それをアテにしてしまい、追求しませんでした。追及してればどこかでボロが出たかもしれないのに……まだ彼らを信用していたからです。

 最も、100万全額自分が負担して、それでもこの件を終息出来なかった板熊への信頼はこの時ガタ落ちしていました。それもあってか、この先はちょっと毟りのやり方を変えてきます。それはまたの機会にお話ししますが。

 そして話はまとまったので解散。自分は一目散に家に戻って眠りに落ちました。


 後日、仕事が休みの日、もしくは片方だけの日に金を集めるようにします。

 親にも頼れないので自分は板熊達以外の友人達からお金が借りれないかを訪ねて回ります。

 自分は板熊達から大金をだまし取られました。そしてその金を集める為、自分は友人達にも迷惑をかけ、信頼という財産まで無くしてしまいます。 

 そして最終的には親にも金を借りる事になり、関わる人全てに迷惑をかけます。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る