ジャンルについて考える
「カクヨム」では、コンテストがジャンル別に行われ、トップページにあるランキングもジャンル別に表示されている。「他の小説サイトに比べるとジャンル重視」と言えるのではないか。
「小説家になろう(以下「なろう」と記す)」では、ジャンル別のランキングは、トップページから「ランキング」「ジャンル別」と二つクリックしないと出てこない。
また、「E★エブリスタ」でもトップページから「小説」をクリックし、さらに自分の読みたいジャンルをクリックして初めて1つのジャンルの読者数順のランキングが出てくる。
ジャンルなんか単なるレッテル貼りで、別に面白ければなんでもいいじゃないか?
という考え方も時と場合によってはよさそうだが、中学生とか高校生などが「将来SF作家になりたい」「恋愛小説家になりたい」などと思うこともあるだろう。また、少し年齢が上で、「○○作家をめざして新人賞に応募しよう、web小説のサイトにも投稿しよう」などと考える人もいるかもしれない。
また、読む側にしても、ある小説を読んで面白ければ、「同じ作者のものを読んで見よう」という人が一番多そうだが、それ以外では「同じジャンルのものを読んでみよう」となりそうだ。なので、ジャンルのわけ方は読む側に対する影響も結構ありそうだ。
そういったことを考えると、やはり多くの人が共有できるような各ジャンルのイメージとかおよその範囲などは、あった方がいいように思われる。
そういうわけで、「カクヨム」におけるジャンルわけについて考察してみる。
まず、思いついたポイントをざっと挙げてみる。
1 ジャンルは作者が決めるのが正しいのか?
2 「舞台設定に関するジャンル名」と「テーマに関するジャンル名」と「その両方を表しているようにもとれるジャンル名」と「そのどちらでもないジャンル名」が混在しているがどう考えればいいのか?
3 「ファンタジー」「SF」「ホラー」「現代アクション」はどう違うのか?
4 「現代ドラマ」にはどんなものが入るのか?
まだまだありそうだが、私がすぐに思いつくのは上記のような論点である。
1が一番基本的な問題。2は現在の「カクヨム」のジャンルわけの総論的な問題。3・4が具体的な問題。
それぞれについてごく簡単に見ていく。
1 ジャンルは作者が決めるのが正しいのか?
「我想う故にカクヨム
(芳賀 概夢/ https://kakuyomu.jp/works/1177354054880908919)」に出ていた論点である。
運営側としては、作者に決めてもらうのが一番簡単だが、作者によってジャンルについての考え方は違う。現在作者が決めているが、それによって「それぞれの作者の考え方が違うことによって、似たような作品が違うジャンルに属してしまう」という問題が生じているのではないか?
2 舞台設定に関するジャンル名(「現代ドラマ」「歴史・時代」)とテーマに関するジャンル名(「恋愛・ラブコメ」「ミステリー」「ホラー」)とその両方を表しているようにもとれるジャンル名(「ファンタジー」「SF」「現代アクション」)とそのどちらでもないジャンル名(「エッセイ・ノンフィクション」「その他」)が混在しているがどう考えればいいのか?
例えば、江戸時代の御殿様とお姫様がラブコメディを演じるのは「恋愛・ラブコメ」と「歴史・時代」のどちらにも入れそうだが、どちらに入るのか?等。
3 「ファンタジー」「SF」「ホラー」「現代アクション」はどう違うのか?
例えば、異世界転生ものは、「ファンタジー」に入るのか「SF」に入るのか?吸血鬼も出てくるがあまり怖くない幻想的な場面も出てくる小説は「ファンタジー」と「ホラー」のどちらになるのか?等。
「我想う故にカクヨム」にもこの問題が出ていた。
4 「現代ドラマ」にはどんなものが入るのか?
「恋愛・ラブコメ」でもなければ「現代アクション」でも「ホラー」でもなくただ単に「現代ドラマ」というのは、どんなものを想定しているのか?「その他の現代ドラマ」という意味にとればいいのか?
現状を見ると、あまり厳密には定義しないで作者の考えにまかせていて、そんなに深刻な問題は生じていないようにも見える。「まあ、小説というのは基本的に娯楽なのだから、そんなに難しいことは考えないでもいいではないか」というのも一つの立場かもしれない。
でも、「きちんと考えて解決できることは解決した方がさらに楽しめる」という立場もあると思うので、この問題についても考えて解決できることがあるかどうか考えてみてもいいように思われる。
次回は、1~4の問題についてさらに見ていく予定。
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