第82話:描写文と説明文

 やっと本題に入っていきます(笑)。

 すいませんねえ、回りくどくて。


 私は感情論やノリなども好きですが、一方で論理的思考が大好きです。

 だからつい、こういうことは筋道を立てて話したくなるのです。

 それにその方が、「根本」を理解してもらえるので話が早いと思うのですよ。


 ただ、これらはすべて「Guym論」です。

 たぶん、どこにも書いていない、私の勝手な考え方です。

 取捨選択には、ご注意ください。



 ……話を戻します。



――描写は、情景を伝えるのではなく想像させる役割がある


 これは、何を意味するのでしょうか?


 話は簡単です。

 描写を書く時に気をつけることは、「伝えよう」するのではなく、「想像させよう」とすることが大事だと言うことです。


 これ、テストにでます!w


 もちろん、伝えるべき事も伝えなければなりません。

 しかし、ここではあえて、「伝える」ということをわけて考えてみましょう。


 まず、「伝える」文章をここでは仮に「説明文」と呼びましょう。

 この説明文は、描写文と互いを補助する物なのです。

 そして地の文は、この2つでほぼできているのです。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

例文

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 目の前に、五メートルはありそうな荒縄があった。

 僕はそれで輪を作り、首にかける。

 首を一周する輪は、まるで僕を逃がさない意思表示のようだ。

 そして、僕の肌を傷つけたくて仕方がないように刺激する。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 適当に上記の例文を書きましたが、最初の2行が「説明文」です。

 そして後半2行が「描写文」です。


 違いがわかりますか?


 身も蓋もない言い方をすれば、具体性の違いですね。

 説明文は、具体的な情報を読者に与えます。


「目の前」(位置情報)

「五メートルはありそうな荒縄」(オブジェクト情報)

「僕」(視点情報)

「輪を作り、首にかける」(動作情報)


 どれも具体的でダイレクトに情報が読者に伝わります。

 もちろん、これでも想像はできるでしょう。

 だから、一般的にはすべて描写文として扱われると思います。


 しかし、3行目は明らかに違います。

 新しい具体的な情報はありません。

 3行目を読んで、何を想像するでしょうか?

 縄の硬さや太さかもしれませんし、「僕」の心情かもしれません。

 どちらにしても、説明されていない=見えていないものを描いています。

 つまり描写です。

 実は、これは前の説明文2行を補佐しているわけです。


 さらに4行目です。

 これを読んで「荒縄だから肌触りが悪くてチクチクしているのかな」と思ったことでしょう……って、思ってくれましたよね?w ね?w

 まあ、思ってくれたことにしましょう。

 「荒縄がチクチクした」と説明文で書かず、このように具体性をカットして、見えていないものを描いたわけです。

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