第31話:描写を省く(3)

 ここまで書いてきて、「描写」を軽視しているようにも見えますが、これはあくまで文圧対策です。

 読んでもらうための手法であり、読んでもらえるようになり始めたら、ライトではなくヘヴィな描写も読んでもらえるようになるかもしれません。


 我々、素人はまずは読んでもらわないといけないので、我慢するところは我慢する。

 大昔、紙出版で編集者にも似たようなことを言われたことがありますが、ネット小説という環境ができてみると、市場の疑似体験をしている気分です。

 ネット小説は、過去の紙書籍と違う部分もありますが、「読んでもらわなければ始まらない」は一緒だと言えるでしょう。


 ただ、あまり我慢しすぎて、自分を見失うと書いていることが苦痛になるし、そもそも「面白い」と自分で思えなくなり、続けられなくなります。

 大事なのは、折り合いを見つけることではないでしょうか。


 無理に自分の方向を180度転換するのはよくありません。

 また、そういうことができるのは一部の人です。

 精神構造は、みんなそれぞれ違うのですから、「努力すればできる」は成り立ちません。


 自分でできる範囲の方向修正を試していきましょう。

 そして、「これは自分の小説なのか」と疑問を持っても、逆に受け入れてもらえ始めると、「なにがよかったのか」ということが理解できるようになる……かもしれません(笑)。


 偉そうに書いていますが、私もまだまだ実験中の身です。

 とにかく、読んでもらえない人は、まずはいろいろと試してみることです。

 一度ぐらいPV0でもあきらめず、あの手この手で手応えを確かめる必要があるでしょう。


 まあ、天才というのは世の中にいますし、時代のニーズにマッチした人というのもいるわけなので、これは私のような凡人仲間向けの話ですね(笑)。

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