第2話関係する世界と関連する事象

「と、いうことで」

「はい。ええとなんとなく言われることはわかってます」

「うん、そんなかんじで」

「そんな感じで」


「君がゆっくり腐っていくのを見るのもなかなか楽しいかもしれないけれどとにかく待つというのは退屈なんだ。磨耗する。磨り減らすんだ、魂を。」

「ええ、待たせてるこちらも朽ちつつ磨り減ってます」

「声をなくしたわけでもないのに歌わないのはなぜなのだろう」

「タイミングかとも思っていたんです。だって重ねるにつれて、自由が利くようになっていたし」

「自由」

「そう、自由。でもなんか違うみたいで」

「違うとも。君がまともに扱えていたのは表面的な思考のみの話だったというわけさ」

「間に合いますか」

「ベルはとっくに鳴っている。駆け込んだ君が間に合うか、間に合わないかなんて、僕にだってわからない」


「知っているくせに」


「知っているだけだもの」


「変わるかもということ?」


「あるいは変わらないかも。実際、君が寄り合わせてきたこの線だって、眺めてみれば人生というわけでもない」

「それは、人生ですよ」

「そうなの?」

「うん、それは、人生です」





「未来があるもの」




会話終了。旅人は苦笑いで去る。主人公A、周囲を見渡す。何もかもそろう世界に、主人公はただ一人



「はじまる」

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