2-EX②:翼…シルフィと目覚めた特性
私はお父さんとお母さんに、私が寝むっていた時に体感したことを話した。
私が話終えると、お母さんが目を丸くし驚いていた。
確かに私の髪が、今では伝説と化している白銀の髪をしている。しかし、母も娘はただ【神子】としての特徴を持っただけの普通の子だと思っていたらしい。
+
【
翼をその背に持つ一族。
その身に秘められた魔力は闇夜族の中でも【
その身の魔力によって、その身の背に2対の翼を得る。
つまり魔力が高まる程その背の翼の枚数が増えると言う事だった。
と言っても今の時代で
シルフィの母も二翼。
シルフィも現在は髪の色と同じ白銀の二翼である。母によればシルフィは潜在魔力が高く、今後も魔力が上がる可能性があると考えている。つまり翼の枚数も増える可能性を秘めていると言う事だ。
魔法が得意な代わりに
いつも翼を背中に背負っていて、狭い所を通ったり、人混みの中、そして寝る際に翼が邪魔をしてしまう。
それに翼が見える=自分達の種族が露見するという意味がある。
今の時代において
そう言った者から目を眩ませると言う目的もあり、
それに背中に翼を収納すればその分背中に重みが加わり、背が重いと感じるのだ。
これまでは一般的な
1000年以上前。
その時代の
その者は特別な”固有技能”を持っていた。
それは”夢想”と呼ばれ、アストラルの創造主である【精霊王】と対話しその声を聴く事が出来ると言う力だった。他にもその者の声に力を有し、その声を歌うことで効果を発揮させる事が出来る者もいた。
その多くが二翼以上の翼を有している者が多く、髪が銀に近い者が殆どであった。
そしてその者達は『神たる精霊王に選ばれし巫女』と周囲からそう呼ばれていた。
つまり、巫女とは女性。つまり特別な
+
私は母から改めて説明を受けて『……眠い』と思っていたが、真面目に母が話しているので、欠伸をしないように頑張りながら聞いた。
闇夜族の者は自分のステータスを表示する機器を持たない。
人間は、闇夜の魔王を討伐し周囲から英雄と呼ばれた少年が”
なので闇夜の者は”鑑定”の技能を持つ者か、自己申告する方法しかない。
私は母から今持っている技能を教えてほしいと言われ、私は自分の内に秘められている才能と言える技能を確認する。
目を瞑り両手を胸に手を当てる。
そして私は自分のステータスを確認して驚いた。
今までよりも技能の数が増えている。
しかも”固有技能”が増え、特殊技能も2つ増えていた。
以前はこんな感じだった……
========
シルフィ
固有技能:なし
特殊技能:
:闇夜…種族特性
:発情…種族特性
基本技能:魔法適正【風】、収納【翼】、魔力放出、魔力強化
========
で、今自分の内に秘められし能力はこんな感じ……
========
シルフィ
固有技能:夢想…固有特性
特殊技能:
:
:
:闇夜…種族特性
:発情…種族特性
:
基本技能:魔法適正【風】、上位魔法適正【氷】、魔力浸透、空間浸食、魔力強化、魔力放出、収納【翼】、飛翔
=======
固有技能も特殊技能、基本技能も増えていた。
これには私も驚く。
そしてほんの少しだけどなんとなく複雑な気がした。
だって寝て精霊王様と会話しただけでこんなに変化するなんて。……なんだか~って気がする。
私がこの内容を母に話す。
「…そうなの。あははっ、巫女の特徴を持って生まれた時にもしかしたらと思っていたのだけどね。まさか【巫女】よりも希少な【神子】に目覚めるなんて……」
「…お母さん?私が目覚めたらどうなるの?」
母の様子から私の扱いが何かしら変わる感じを受けた。
そしてそれは正解だった。
私はこの日から【巫女】として、まだ6歳の子供ではあるが、満月の森の族長が他の集落に訪問する際に付き添ったり、闇夜族の者が亡くなったり、人間に家族怒りの気が強い者を【
私は正直面倒だなとしか思っていなかった。
だって【巫女】として族長が他の集落の視察に行く際には、なぜか私も同行しなくてはいけなくなった。正直な気持ちはそんなことより御昼寝がしたかった。
それから、私は集落の者達から今までも特別視はされていたが、特に【巫女】として崇められる事になった。
私は【巫女】と呼ばれるようになったことで、少なからずいた親しい友達の子達が、まるで崇拝するべき者と、恐れ多いと言う様に離れていった。
私に友と呼べるものが居なくなった。
少し寂しい。
そんな日々が1年が過ぎたある時だった。
私は、とても大事な親友となる一人の猫耳の少女と出会った。
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