第3話「ステータス?なにそれ美味しいの?」

「ぜーはーぜーはー、し、死ぬかと思った……」


というわけでいつの間にやら街に到着。

うん、いかにもザ・ファンタジーという感じの街並みだ。細かい描写はいらんだろう。


「そういえば、すっかり忘れていたけど、異世界に転移したんだし、オレってなにか特殊な能力付いてるんじゃね?」


こういう時のお決まりとして転移した現代人にはなにかしらの特典があるはずだ。


「えーとステータス表示ってどうするんだ?」


試しに「ステータス」とか「スキル」とか叫んでみたけど、なにも起こらなかった。

うーん、この世界ではステータスとかはギルドの人に会わないと見れないやつかな?

というわけで早速ギルドを探してそこへ入っていく。


「えーと、お名前はヒムロ・キョウジ様ですね。当ギルドへは登録にお越しでしょうか?」


「とりあえずステータス見てもらえませんか」


「はい、それでは一鑑定、1000Gとなります。お支払い方法はどうしますか?」


あ。しまった。金ない。


「えーと、じゃあツケでお願いできますか?」


「出来ません♪」


追い出された。

まあ、一応ギルド登録だけはしておいたが。


しかし、困ったな。自分の能力値がどれくらいだとかどんなスキル持ってるかとか分からないことには戦えないぞ。

さらに困ったことにオレには現在、金がない。

いや、地球産の金から三千円とちょっと財布に入ってるが、こういうのが異世界で使えた試しがない!

ゆえにオレは一文無し。

恐らくこのままいけばオレは餓死する。そうなる前に魔物を狩って金を稼ぐんだ。


多少不安はあるが、このままここで悶々としているよりも一度外に出て魔物と戦ったほうが早い。

もしかしたら意外とオレの戦闘能力が強かったり、戦闘中に発動するスキルとかがあるかもしれない!

よし、オレもいっちょ異世界でのチートな活躍を見せてやるぜ!




結論。無理でした。

オレ、普通に弱かったです。キウイにつつかれて死にかけました。

あとスキルとかも特になかったです。魔法も発動しませんでした。

これ、詰んだじゃね?

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