第2話「話をしよう」
というわけで話をしよう。
あれは今から大体一ヶ月くらい前だったか。
オレこと氷室恭司はいつものように近くのコンビニにジャ○プ立ち読みに行っていた。
そこでは数年以上の常連なので毎日月曜日の昼にやってくるオレにレジのお姉さんの目がとても冷ややかに突き刺さる。
まあ、そんなことはあんま気にしないし、それよりもようやく連載再開したH○Hの方が重要でそれどころじゃなかった。
というかあまりにも連載停止期間が長すぎて話の流れ忘れていたよ。
え、えーと、なんかしょっぱなから難しい話しているけど、これどういう流れだったけ?全然思い出せない……。
そんな感じで折角の連載再開だったのにあんまり内容についれこれなかった今日その時。
コンビニから出て家に帰ってドアを開けたらあら不思議。そこは見知らぬ異世界でした。
「いや、異世界への転移とか一番重要なところでしょ。なにそこ端折ってアッサリ異世界転移してんの」
誰にともなく突っ込み。
まあ、誰も突っ込んでくれないけど。
いや、それにしてもこれ唐突すぎない?
オレも異世界転生物は流行りだし見てるよ。
なんだかんだで面白いやつは面白いし、っていうかぶっちゃけ言うと好きだよ。
にしてもこれはなー。せめて異世界への転移はこうもうちょっと劇的な展開をだな。
こう、車にひかれるだとか教室で爆発だとか不慮の事故で死んだとか。
あれ、てか今思ったら大体死んでから転生してね?
うーん、よく考えるとそれはすごく痛そうだから、結果としてこっちのほうが無難かも。
まあ、それはともかくここは異世界らしい。目の前には見知らぬ草原が広がりよく見ると遠くで見たことのない魔物っぽいものも闊歩してる。
なんだろう、こう地球でいうキウイっぽいやつ。
果物のキウイじゃないよ、ニュージーランドにいる鳥のキウイだよ。
そんなのがあっちこっち歩いてる。あ、こっちに気づいた。てかものすごい勢いで突っ込んでる。
「っておおおおおおおおい!!」
あれくちばし絶対人刺せる感じだよね。ってか刺せるよね!
来てそうそう異世界でアッサリリタイアするのもあれなんで、とりあえず全速力で逃げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます