感想一覧

1作目 『妖精の入った小瓶/花咲紫音』


「なるほど、これが『カクヨム』か……。確かに玉石混交ってかんじだな」


 乱馬にいろいろ教えてもらったオレは、自宅に帰った後会員登録を済ませ、パソコンで一通り読むことにした。

 どうやらこのサイトは、3段階の星の評価を集めることでランキングとやらが上下していく形式になってるらしい。

 ということは、1位の作品が一番面白いのか?


 だが、ランキングをよく見ると、星の数が少ないのに高かったり、逆に星の数が多いのに低かったりしている。

 こうなってくると、何を参考にすればいいのか分からない。



 そこでオレは、一つの指標を決めて、読み進めようと考えた。


 それは、『まずは1位の作品を読み、そこからその作者がレビューしたものを順に追いかけていく』という計画だ。


 評価の仕方は、

  最後まで読めそうにない:★0個

  ひとまず最後まで読めた:★1個

  読み終わって面白いと感じた:★2個

  この作品は評価されるべきだ:★3個

  是非とも他の人にも読んで欲しい:★3個+レビュー


 これなら、案外ハズレなく読み進んでいけるんじゃないか?


 こんな甘い考えから、こうしてオレは俗にいう『スコッパー』としての道に、足を踏み入れてしまったのだった……。





          ♦               ♦           


感想:『妖精の入った小瓶/花咲紫音』



「これが今どきのミステリーなのか……?」

 最初の感想はこれだった。


 なるほど。確かに面白い。

 オチはしっかりしてるし、短編小説として綺麗に纏まっている。

 興味本位で妖精の入った小瓶を購入した男が、実際に妖精と出会ってしまい、願い事をどうするか答えていくというシンプルながらもわくわくする設定だ。


 でもこれSFでいいんじゃない?


 なんだろう、あまりにも期待しすぎたせいか、『ミステリーとはかくあるべし』みたいな漠然としたイメージが、根本から覆されたような感じだ。


 もしかするとこの作者の中では、謎な話=ミステリーなのかもしれない。

 でも、ミステリーの定義を作者に委ねるのなら、最初からカテゴライズする意味はあるのだろうか?

 もやもやとした思いを抱えながら、納得するためにもう一度読んでみる。

 そこではたと気づいた。


 これって、『世にも〇妙な物語』に似てないか?


 確かにあの番組は、ミステリーと呼んでも差し支えない話もある。そうすると、これも広義のミステリーなのではないだろうか。



 まさか最初の作品から、『ミステリーとは何か?』みたいな話になるとは思わなかったが、ストーリーは普通に面白かったため★2つ入れてみた。




「さて、次は……って、この人レビュー少ないな。いや、逆に厳選してレビューしてるって事だろう」

「『わたしはさくら/祭人』だな。これも評価は高いし、今度は長編で完結してるから、期待できそうだぞ」




 スコップの旅は、始まったばかりだ。


 

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