第22話 お仕事見学。

「で、これからどうしようか?」

「えっと、ここでできる仕事を見つけるのが先、でしょうか…」

 仕事もせずだらだら生活…できるならしたい。

 お金はあるし魔法で大抵の事は解決できる。

 でもなあ。

 たぶんそんなのは、つまんないんだよ。

 食っちゃ寝食っちゃ寝して何もしなかったらすぐに飽きると思う。

 定住するならなおさらをしたい。

 それが何かはまあ、これからですが。

「…仕事」

「はい。とりあえず、今日は街を見てまわって色んな仕事を知ることから始めようかと。魔法も一つ二つなら目立たないんですよね?」

「ああ…なるほど、そうだな。じゃあまずは買い取り屋からかな?話の途中で倒れたからそんなに見れてないだろ」

 からかうようにカインさんに言われて恥ずかしくなったけど、すぐに見れるのは確かに買い取り屋だし。

「はい。お願いします!」


 カインさんに連れられて僕は改めて買い取り屋さんの見学をさせてもらった。

 まずお客さんへの対応は挨拶から。

 品物の鑑定をして、希望価格とすり合わせ納得できたところで金額品名受け取りサインをした証明書を作り、控えを品物と交換。

 そう言えばさっき貰ったというお金と共に領収書を受け取っていましたよ。

 日中の主な業務は接客と買い取った品物の管理。

 大物になると信用問題で持ち込んだ品や客の身辺調査などといったこともするらしい。

 店舗がぼろなのは心理的効果を狙っているらしい。

 こんな荒屋に高額なものはないだろうってこと。

 けど勘の良い奴もいるし念のために用心棒は居る。

 そして店主さん自身戦うこともできるのだそうだ。

 基本的に町で過ごすけれど場合によってはこちらから受け取りに行くこともある。

 その際危険地帯を通ることもあり、武力は必須らしい。

 戦う買い取り屋さん?

 なにそれなんかコワイ。

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