第7話 ご飯…ご飯をください…。

 さあご飯を食べよう!

 っと意気込んで食堂らしき建物を探し、見つけたのはオープンテラスのある店。

 活気があり店員ははつらつと働いている。

 お客も満席に近いほど入って、繁盛しているようだ。

 ここに入ろうと決めて入り口にある黒板を見て硬直した。

 僕、財布無かった。

 と言うかここの通貨持ってないよ!

 あまりのショックに呆然としていると後から来たお客に押し退けられてしまう。

 だが仕方ない。

 お金はないのだから。

 後ろ髪を引かれつつ僕は店を離れた。

 最初にいたところ、というか町に出たところまで戻るとさっきの店とは反対側に門らしきものが見える。

 あそこがこの街の入り口なんだと思う。

 そう、荒野を歩いてたと思ったら急に町中だったんだよ。急に。


 お金がない僕は買い物ができない。

 だが街を出たらまたあの荒野に逆戻りしそう。

 何か売るものでもあればいいんだけど携帯はさすがに売りたくないし、というか売ったら連絡できなくなっちゃうよ。

 他には唯一の服である学生服(これを売ったら裸)、端の焦げた生乾きのハンカチ(値段がつかなそう)しかない。

 そう言えば、色石があるのだった。

 これは売り物になるのかな?

 僕は少しだけ考えたけど早々に放棄した。

 今さら悩んでいるだけじゃ解決しない。

 行動しなければ何一つ変わらないのだ。

 まずは買い取りをしている店を探してみよう。

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