第4話
ここかとノーマンはとある部屋に入る。部屋には白い髭を生やした老人が横に掛かった板の前に立っている。
「座りたまえ」
老人はその部屋の真ん中ぐらいに置かれている机と椅子を指す。ノーマンが座ろうとすると、椅子がギギッという音を立てる。
「さてじゃ、我々は何と戦っているかを教えようかの」
「敵ということですか」
「そうじゃな、我々が倒さなくてはならない軍勢じゃな」
「軍勢、ですか」
老人はノーマンに近ずく
「我々が戦っているのは"ズゴド"という奴らじゃ」
「ズゴドとはどのような」
「ズゴドは殺戮を好む奴らで、凶暴じゃ」
「なぜ彼らは国を奪うのですか」
「それは知っておったか、、奴らは命令されて動いてるだけじゃ、我々が倒すべき真の"恐怖"に」
「倒すべき恐怖ですか その恐怖とはなんでしょうか」
「"ネサルト"じゃ」
老人はノーマンを離れ、窓に向かい外を眺める。
「ネサルトは奴らの統括者であり、"黒魔法"の力も一番強い」
「"黒魔法"?黒魔法とはなんですか」
「黒魔法か、黒魔法は白魔法と対になるもので攻撃的な魔法じゃ」
「奴らは黒魔法と武器で攻撃してくる」
老人は窓から離れ、前に置いてある机に向かう。老人は机の中から布に包まれた何かを取り出す。老人は布に包まれたものを出し、ノーマンに渡す。渡されたのは斧の様なもので、持ち手が長く刃先には何かがこびりつき、禍々しさを放つ。
「これは奴らの隊長格が持っていた武器じゃ、、同胞の血がついておる」
声色がさっきより重圧になる。老人の目は寂しげだ。
「隊長格はそれぞれに拠点におって、拠点で一番強い奴らじゃ」
「隊長格を倒せばそこにいるズゴドを鎮圧することはできるんですか?」
「できる場合もある、逃げる奴らもおる」
老人は斧の様なものを布に包む。
「ノーマンとやら おぬしにこの覚悟はあるか」
そう言うと老人はノーマンに自分の左腕であったものを見せる。左腕は関節から下がない。
「どうじゃ」
「もちろんあります」
ノーマンの声に偽りは感じ取ることはないことを老人は感じ取る。老人はそれをきくと部屋から出て行く。ノーマンもそれに続く様に部屋から出て、訓練所に向かう。
イザベリ部屋
そこには大男とイザベリいる。
「キザ王国奪還 了解しました」
「戦闘準備が出来次第決行してくれ」
「わかりました」
「それと彼は試験に合格したのかい」
「はい、戦力になると、、」
「そうかい、じゃあ任せたよ」
「はい、できるだけ早く決行いたします」
翌朝、ノーマンに取ってここでの初めての朝を迎える。ノーマンは今、訓練所近くにあるノーマンの部屋にいる。部屋にはベットと机、椅子しかない。窓から入り込む日光が心地よい。使用人の部屋であったらしく、同じ様な建物がいくつか並んでいる。部屋は騎士達一人ずつに用意されており、騎士達は用意された部屋に住むか、城下町に住むかを選べる。
「さてと、今日は町に行ってみよう」
ノーマンは早速着替え、剣を背負い町に向かう。
城下町 ヴェーネ
町の外れでは朝市が行われており、まだ日が昇って間もないはずだが賑わっている。ノーマンはそんな町の様子を見ながら歩く。ノーマンが歩いていると、エリスト様 エリスト様 と声をかけられるが、よくわからず笑顔で返す。市場中に溢れる 野菜の土臭や果物の甘い香りが心地を穏やかにする。
「お前、昨日テッダム隊長と戦ってたやつだろ」
突然、果物を眺めていたノーマンの背後から、誰かが話しかけてくる。ノーマンが振り向くと、そこには丸坊主の小柄な青年がいた。
「あの、どちら様でしょうか」
「あぁ俺か?俺はトークつぅんだ、よろしくな」
トークという青年は握手を求める。
「テッダム隊長が試験を担当したなら多分同じ隊だからょ、気になってたんだ」
ノーマンは昨日に大男の名前がテッダムということ知った。
「試験?」
「昨日のやつだ、テッダム隊長に剣止められてたけど」
「あれは試験だったんですか、、で同じ隊というのは」
「試験担当がテッダム隊長だったからな、合格してれば大体同じ隊になる」
「合格ですか、、」
ノーマンは少し心配になる。
「合格してればお前もエリストの一員だな」
ノーマンは先ほどからエリストと言われていたことを思い出す。
「そうだ、エリストってなんですか?」
「へ!お前そんなこと知らないのか」
「はい、まぁ ハハ」
「フフフ アハハ お前 プッ エリストってーのは俺たちのことだ」
丸坊主の青年は腹を抱え笑っている。
「お前はまだわかんねーけど プッ エリストは騎士、つまり俺たち抵抗軍のことだ 、あ〜おもしえぇ」
まだ青年は腹を抱えて笑う。ノーマンはそれをどうすれば良いのかわからなかった。
「ヤべ!笑ってる場合じゃね〜早く買いにいかねーと」
青年はどうやら用事を思い出したらしい。
「じゃ じゃーなーー 今度会う時はもっと気楽になーー」
青年は急いで走っていき、人ごみに消える。
「すごい笑う人だな〜」
ノーマンはそう言い背中の剣を触り
「これがあったから言われたんだ」
ノーマンは、自分がエリスト様と呼ばれた理由を察する。そしてしばらく町を歩くことにしたのであった。
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