第3話 白魔法

「来てみろ」と大男が言う。

「では、お言葉に甘えて」とノーマンは大男の方に少し動く。

「走ってこい」ノーマンの様子を見て大男がいう。

ノーマンは剣を下に向け、大男の近くになると、勢いよく剣をふりあげる。

そして、ノーマンは剣をふりかざす

しかし剣は白い何かによって遮られる。

煙のように白いものは動いている。

ノーマンは今度は大男の脇腹を狙い切り掛かる。

しかしこれも、遮られる。

大男は結構だといい、ノーマンに剣をしまわせる。

「剣の腕はいい、だが白魔法は取得していないか」

「白魔法とはなんですか」ノーマンは聞く。

すると大男は

「説明するより、授かる方が早い、、、ついてこい」と城の方に向かう。

城に戻ると先ほどの奥の部屋に着く。

大男が何かを伝えると、イザベリというさっきの中年女性が出てくる。

地下への階段まで連れてこられ、窓からの日光だけが照らす暗い螺旋階段を下る。

階段を下り続けると、そこには大きな空間があった。

そこはなぜか明るかった、緑色が輝いている。

そこの中心に大きな板状の石があり、石の周りは道がなく大きな空洞となっていた。

「ここに座りな」とちょうど板状の石の空洞を隔てて前にある、石造りの椅子を指す。

ノーマンは座り、横を見ると大男が仁王立ちをし、イザベリが何かの作業をしていた。

イザベリは作業が終わり、何かを唱えると板状の石に白い文様が浮かび上がる。

門のような形をかたどるようにも見える。

すると、ゴゴゴという重い音をたて、ノーマンが座っている床が動き始め、石に近ずく。

近ずくと石が重い音をたて開き、白い光を放ち、ノーマンは包み込まれた。

ノーマンが気ずくとそこは真っ白な空間であった。

周りを見渡すかぎりの終わりのないような、白に囲まれたところであった。

ノーマンが見渡していると、いきなり何かに包みこまれ、フワッとした感覚になった。

しかし、その突然は居心地がよく、安心できるようだった。

「これは一体」ノーマンは問う。

「あなたに守りを授けましょう」と謎の声がノーマンに聞こえた。

「守り?守りとはなんでしょう」ノーマンは聞く。

「守りは邪悪なものから逃れる術、そして、救う術」

謎の声がそう言うと、ノーマンはついさっきまでいた大きな穴のある部屋にいた。

ノーマンは呆然とし、今のはと聞く。

「今のは女神様、ノーマン あんたは白魔法を授かった。奴らと戦う力をもらった」とイザベリが強く言う。

「奴ら?奴らとは誰でしょう」ノーマン聞く。

大男がそれを聞き、少し驚く。

イザベリは後で説明させてもらえるだろうからと言う。

「白魔法を使いこなすようになれ」と驚いていた大男がいう。

ノーマンは訓練所に向かう。

その後ろ姿を見てイザベリが

「閉鎖的なところで生まれたね」と少し残念そうな顔をして言う。


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