第43話:感覚

今までゲームという感覚を考えていた。

ゲームをしている間は自分とはまた違う別の自分を操っている感覚になる。しかしそれはキャラクターが別なだけであって、まぎれもない自分であるということである。

分身体自体は物言わぬ私のゼロコスト従業員である。

しかしゲームの主人公たちを操っているのは自分自身である。

つまり、そのキャラクターを動かしている間、オリジナルの自分は身動きがとれないということだ。

そうなると誰か代わりの人に動かしてもらわなければいけないのだろうか。

しかし、そうなると感覚がおかしくなってくる。

ゲームをする目的は自分なりに動かして楽しむというもの。誰かに動かしてもらって結果だけもらうというのはゲームとは少しかけ離れているようなものに思える。

たとえばサッカーの試合。サッカー自体は観客がプレイするものではなく、視て楽しむものである。それを自分が選手として出場するのはまた別の話のように思える。

しかしテレビゲームは見ていてつまらない。自分がプレイしてなんぼのものである。同じゲームであっても見るとプレイするとでは何か違うものであると考えるのだ。


しかし経営者というものは自分自身がその作業をやりたいと感じるだろうか。私はたまに責任者としてそれをやりたいと感じることもあるが、やはり自分がいなくても店が回るように従業員に教育をし、自分はただチェックをするだけの環境にできればいいと考える。

ゲームと言うものは自分がプレイする、もしくは誰かにプレイしてもらうという考えの2つが存在するものだと思う。それが雇用主と従業員差というものなのか。感覚が少しずつではあるが、雇用主タイプにまわってきているようにも思える。

しかし私はまだまだやとわれのみ。会社のいち従業員であるのだ。

いち従業員である間はその会社でタイムカードを切って作業に没頭するだけである。しかし会社で得た知識と言うものはなかなか独特のもので、ほかの業種で生かせないのもまた事実。会社側もそこは転職させないようにと考えて専門用語を社内で広めているのかもしれない。

もちろんそれはいいことなのである。企業にやとわれるものは元々長く勤めることが前提になっているからだ。

しかし最近は本当にすぐ辞める人間が多くて困る。残留派もせっかく新人を育成したのに全て時間がパーになってしまうような気がして仕方がない。だいたいの見切りは入社した半年でつけられるものであるが、最近は本当に不況にも関わらず辞めてどこにあてがあるというのだろうか。


GDPに対しての国の借金は2倍。保育問題などどうも今日をリアルに生きている問題とは到底思えないものばかりである。

個人借金にして800万円の感覚はあるのだろうか。私は既に1000万ぐらい稼いでいる感覚なので借金などたやすく返そうと思えば返せる。これを考えると昨日の極限状態というものがあったがため、早期返済を考えた上の行動ととりうるだろうか?

未来は分からないので今後何が起きるかなんて誰もが想像もつかないだろう。だからこそゲームというものも楽しいものである。RPGはだいたいシナリオが決まってしまっているが、対戦ゲームであればもし新しい人と戦うのであればどういう戦術を使ってくるのかが楽しみで仕方がないのだ。

だが最近は本を読む、勉強するという感覚が嫌気を刺さない。今までは堅苦しかったり、なぜかやる気が起きなかった。

別に上司にあれをしろこれをしろと言われたわけではない。なぜか新聞などを率先して読み始めている自分が何かと恐ろしい。


自分なりの「改革」だろうか?それとも大人になるにつれて酒がおいしくなるようなそんな「感覚」に見舞われたのだろうか?


私は今の人生に満足気ではいる。しかしその未来が保証されているものとも考えていない。

だからこそなのかもしれない。今もなお小説をやったりアフィリエイトをやったり、買い物売り場にいっても肉が安いか、半額商品があるかなどもついつい見てしまう。これもまた楽しみの一つだ。

もし3億円の宝くじがあたったらどうなるんだろうか?それをしなくなってしまうのだろうか。

ようは心の持ちようである。私はいくら稼いでも、たぶん節約をしようとするのだろう。

お金だけの人生からの脱却をはかっているのであるからだ。

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