第11話:セミナー

セミナーというものは俗にいう「学びの間」みたいなものだ。

当時の私はあまりセミナーは好きではなかった。

なぜなら朝5時に起きて6時に集合し、仲間と車で乗り合わせて会場に向かうからだ。

朝起きるのが果てしなくつらいのだ。

私は車の中でよく寝たふりをしていた。寝たかったが寝つきがよくなかった。

そのころはメンバーによっては交流をしたりしなかったりが激しかった。

セミナーに参加しても私はあまり挙手をしない。発表をしない。

いつも立たされるのは怒られるときだけだ。

しかし情報共有にはうってつけである。そして品定めもできる。

自分は今何番目なのか、だいたいの予想、推論が出せるということだ。

2人目の自分を育成するにもまずオリジナルの自分が育成されなければ効果がない。はじめはただ参加するだけのセミナーも次第に意欲的に参加するようになっていったのだ。

私はよく同期と話をした。「今何時に帰っている?」と。

今では私も定時には帰れるようになっていたが、ほんと少し前までは深夜に帰る日々が続いてた。

懐かしさも感じるがあのころはやりきった感じがまるでなかった。

しかし2人目の自分が生まれたのはまさにそのつらさを乗り越えたからだからこそとも思えている。

周りの上司にはあまり感謝の意は表わせれないが、支えたパートナーさんには感謝の意を捧げ、私は今日も店の繁盛へ向けて盛り上げるべく、セミナーでの学びに徹したのだ。

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