第8話:昇格と持株会

早くも管理職につくことになったのだ。

私としてもやりがいを感じている時であった。

しかしそれと同時に責任感も高まり、何より労働時間が増えた。

家に帰るのは日付が変わってからになることがしょっちゅうだ。

休日も店長からの連絡があり、休む暇がない。

これが果たして自分の望んだことなのかどうかすら分からなくなっていた時期だ。辞めてやろうかと1日に思う回数が増えていくばかり。

しかし投げ出すことだけはできなかった。一緒に働く仲間を裏切ることができない。私は発注から何まで覚えていった。

ひたすらスキルアップし、休日はほとんど倒れ込むような感じであった。

そうこうしているうちに年末が過ぎ、私は新年を迎えた時であった。


持株会の入会手続きがあったのだ。

奨励金3%が出る。これは一体そもそもなんなのかと思ったのだ。

話を店長から聞くと毎月給与から天引きされる代わりに会社の株を購入し、資産運用ができるとのことだった。

私はこれを聞いてまず考えたのは奨励金だ。これは非常に魅力的であると考えたからだ。

本来銀行に預けていても金利としてつくのは0.03%とかそんな程度である。明らかに100倍は値がつく。

これで人生の転機として活用できたらいいなと考えたのだ。

私は持株会の入会手続きをした。それが後の第2の自分になっていくのであった。

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