19話 - B.L.T. -
「この調子で他のダンジョンも強化してSP長者に私はなる!」
と、椅子から立ち上がり右拳を天高く掲げた私は扉からの気配にハッとする。少しだけ開いた扉から
「……見てた?」
「「……何も見てないよ、まお様」」
「……ノックはしましたよ、魔王様」
「それ100%見てるやつじゃん! もー! 今のは忘れて、ね?」
「「……誰にも言わない」」
「畏まりました……」
少し肩が震えているのは気にしないことにしよう。私自信の為にも。さて、ちょっと机片付けないとね。という
程なくして、
「失礼する……します。魔王様、そっちに置いてもいいか……ですか」
「うん、こっち片付けたからお願いするよ。あと、
「駄目でござりまする、魔王様。魔王様が気にしなくとも、他の者が気になりまする」
「「……せめて十傑衆くらい強くないと、
「ええー……。ダメなの?」
「「「駄目(でござりまする)」」」
「3人に言われたら仕方ないなぁ……。ごめんなさい
「いや、オレ……私なんかにそんな、ありがとう……です」
「良かったナ、
「喋るんだ……」
「オレっちは
話していた間に
「本日の昼食は、ベーグルというパンに野菜と肉を挟んだものと、サテュロスチーズのケーキ、あとペアルジュースだ……です」
「さっき下にパン屋っちゅー良く分からねー奴が来ててナ。そいつから買ったンですゼ! もちのろんで<
「え……これめちゃくちゃ見覚えがある食べ物なんだけど、その人は?」
「来る時もどっから来たか分かンなかったですケドよぉ、売り終わったら箱に入ってって、それから消えるようにどっかに行っちまったですゼ」
「不思議だね……って、あれ?
「いえ、ございませんよ」
「うーん……謎だ……」
お皿の上にはつるっとしたベーグルにレタスとアボカドと海老とタルタルソースが挟まれている物と、セサミがたっぷり付いたベーグルに
「「……まお様、ご飯食べないの?」」
「おっと、そうだった!ありがとね、ネロちゃん、ビャンコちゃん。 よし、いただきます」
さて、ご飯ご飯! まずは一口飲み物を……ってこれ、梨ジュースか。スッキリした味の中にある、ほんの少しの酸味がアクセントになってて幾らでも飲める。そして口からジュースが消えた後に残る梨の香りが最高。余韻を楽しみつつアボカドと海老のサンドを一口食べる。まろやかなアボカドとプリっとした海老の食感、それと大き目に刻まれたタマネギの粒を感じるタルタルソースが癖になっちゃう美味しさだ。次はBLTベーグル。セサミが香ばしいベーグルに包まれたカリカリベーコンに優しい甘さのハニーマスタードソース、シャキシャキのレタス。シンプルだけど安心する美味しさにうんうん頷きながら食べてしまった。
酸味に食欲を刺激されたのか、意外とお腹空いていたのか、ちょっと多いかなと思っていたベーグル2つをぺろりと食べ切り、チーズケーキに手を付ける。サッパリとしたレモネルの風味のチーズケーキにブルーベルエルの甘みが丁度いい。食べきった後の丁度いいタイミングで紅茶が運ばれてくる。
「ごちそうさまでした! チーズケーキ美味しかったよ、
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