魔王の迷宮

18話 - リフォーム -

「よーし、RPG●クールで鍛えた私の腕、いっちょ魅せてあげますかね!」


 まず、私はダンジョンのフロアの改造に着手した。滞在時間などもボーナスとして撃退時のポイントに入るので、なるべく長く籠っていただきたい。そして定期的に外へ帰っていただきたい。そんな思いを込めて、そして魔王城ダンジョンの堂々としたダンジョンの姿を知らしめたく、一気に100階まで階層を増やした。これは現在のボスラッシュ部屋の最後の所と繋げておく。そして、飽きないよう10階ごとにタイプの変更をし、5階ごとに<地上帰還用のトラップ転送魔法陣>(500SP)を配置する。

 タイプというのは地形の事で、平坦な大地と空が続く地形や薄暗い洞窟などがある。そしてマップチップという50メートルから100メートル四方の地図を配置することでダンジョンが完成するのだ。もちろん、広さは任意だが広ければそれだけ<SP整備ポイント>を使う。なので、様子見で400メートル掛ける400メートルという広さにしてみた。これは、ダンジョン特優のマップの端と端が繋がって無限ループも可能というオプションがあるので、そんなに広く無くても良いというのと、後から増設も出来るので、管理しやすそうなサイズにした。

 1階は平地というマップチップを使って、見た目初期に出て来たモンスターが強くなって出現した! というドラマチックな展開を目指す。ここに配置するモンスターは後でレベルを上げさせて強化しとかないとね。この平地エリアは1階から9階までで9000SPを消費した。

 10階から19階は森で2000SP、20階からはジャングルで3000SP、30階からは洞窟で1000SPと設定して、最後の100階で魔王の待つ玉座の間へと辿りつけるように<転送魔法陣トラップ>の設定をした。タイプが変わる前のn9階にはボスさんに待機してもらう予定で部屋を作っておく。そうそう、ボス部屋の前にはセーフゾーンと地上に戻る<転送魔法陣トラップ>も設置した。

 粗方、マップの配置は終わり簡単なトラップの設定も終わった所で、ぐぐーっと組んだ両手を上に挙げ、肩と背筋を伸ばした。首をゆっくり前後させ、首の凝りもほぐし、一息ついた。


「あとは罠とかもっと配置しないと、かな?」

「お疲れ様でござります、魔王様。そろそろ昼食の時間ですが、如何しますか? こちらへ運んで召し上がっていただくことも可能でござりますが……」

「あ、もうお昼なんだね。そうだなー、そういうのも出来るならここで食べようかな。やっぱ移動の時間がちょっと惜しいからね」

かしこまりました。それではこちらへ運ぶよう手配して参りまする」

「ありがとう、助かるよ! んじゃ、いってらっしゃーい!」


 イェレナさんを見送った後、作ったマップを<全体図>から眺め、変なとこ無いかな? と確認しつつ昼食を待った。


「いやー、こういう作る作業は久々だったせいで思いのほか集中しちゃった。でも、マップはランダムで生成して配置したから完全作業ゲーだったし、この調子で他のダンジョンも強化してSP長者に私はなる!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る