8話 - 玉座へと至る道 -
「後ほど視察も兼ねて行く予定でござりますので、今暫く我慢してくださりませ」
私たちは
城門をくぐると大きな噴水のある石畳の中庭があり、私はここで
その先には見事なイングリッシュガーデンが広がっていて、所々
「なんか、マジで私って魔王なんですねー」
「「……やっと実感湧いてきたのですか」」
「うん、やっぱりこういう事してもらうと、ね」
「それでは、皆に挨拶をしてやってくださりませ、魔王様」
「わかったよ、マッ……イェレナさん」
館のポーチ部分の階段を登って入口前のバルコニーのようになっている場所で、お城勤めの皆さんへの挨拶をすることになった。スピーチって苦手なんだよね……ガチで挨拶だけでいいよね?
「はじめまして、皆さん。この度、歴史ある魔王として遥々地球から召喚されました、マオ・アキノです。初めての魔王職、十分に職責を果たせるかどうか不安ですが、皆さんんと共に一生懸命やっていくつもりです。宜しくお願いします!」
『『『『 う お お お お お お お お ! !! ! ! 』』』』
私が短い挨拶を言い終えて軽くお辞儀をした瞬間、割れんばかりの歓声に包まれて、なんだか魔王も悪くないなとニヤニヤ顔で後ろに下がると、キリっとした顔のマッチョさんが前に出て歓声がぴたりと止む。
「皆、これから新しい魔王様にしっかりと尽くせ。魔王様から御下命されるまでは通常通りの仕事をせよ。では解散!」
マッチョさんの号令で音もなく何処かへ消えていく皆さん。
あれ、マッチョさんのが魔王っぽくない?と思っていると、マッチョさんがくるりと私のほうを向いて優しい声でにっこりと笑いかけてくれた。
「それでは魔王様、色々説明せねばならぬ事がござりますので、中へどうぞ」
「ふぁい」
そんなギャップ萌えと考えてて変な声出ちゃったけど、気にせず重そうな扉を軽々開けたマッチョさんに側近ちゃん共々付いて行く。
豪華な館の4階の奥、玉座の間の壁や柱が眩しいほどの金で出来ていて、テニスコート4面分程の広さがあり、壁際には白銀の
「それでは、簡単に魔王様のお仕事の説明や世界の仕組みなどを……」
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