第2話

人はなぜ、上に立とうとするのか。

人はなぜ、下ばかりを気にするのか。



いじめではない、と言ったら嘘になる。

あえて言うのなら、「サンドバッグ」。

…こっちのほうがひどいか。



陽炎のような意識の中、僕は目を覚ました。だいぶ殴られていたのだろう。



ガキ大将なんて、どこにでもいる。

そしてそのガキ大将のサンドバッグになるのなんて、決まって大人しいやつだ。


サンドバッグに意思はない。ただ殴られるだけ。日々の鬱憤を、妬みを、嫉みを、ただ一心に受けるだけのモノ。




…分かっている。頭では、もちろん。




「…っ…う…うぅ……」




どうして、僕がこんな目に遭わなければいけないのか。




この田舎に越してきて1ヶ月。

小学生にもカーストがあることを僕は初めて知った。


言わずもがな、カーストのトップはガキ大将のあいつだった。




「……」




ー変わりたい。


こんな生活から、自分から、抜け出した

い。





僕は、この暑さのなかで一人呆然と立ち尽くし、泣くことしかできなかった。

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少年はラムネボトルに沈む @miyu0059

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