前のエピソード――第三十九回　クロウリングケイオスってなぁに？③～魔術・魔導書の小ネタ・CRCからクトゥルフに触れた人向けの資料～

【初めに】

　こんにちは。更新遅れてごめんなさい。これまで続いたクロウリングケイオス特集も今回が最終回！　気合を入れて解説していきたいと思います！

　私はこのサプリの話が発表された後、悪性リンパ腫で危うく死にかけている間も、ずっとあることを気にしていました。そう、旧支配者をどう殺すかという問題です。

　邪神が強くて殺せないんじゃないか、結局邪神に怯えて逃げなきゃいけないんじゃないか、など心配している方も居たそうですね。お可愛い心配ですわね。殺せるに決まってるじゃないですか。なんなら外なる神に関してまで様々なキーアイテムを得た上でそういう話を用意してみようって導線作ってくれる安心安全ぶり。あなたも邪神を倒して最も新しき旧き神になって、人類の光となりましょう。

　倒し方が分からない？　確かにそれは不安ですね。でも大丈夫。そんなこともあろうかと初期作成四人からできる旧支配者の殺し方を纏めておきました。

　うちではこんなやり方で旧支配者を殺したよという報告がある場合はそちらもぜひよろしくお願いします。

【旧支配者の殺し方①～ハヌソラ戦隊～】

　まず思い出してください。我々には絆とルールブック、そして世界最強シンドロームソラリスがあります。このソラリスという無限の力は、ハヌマーンという媒（プロメテウス）を得て、万人にその最強の力を授けます。というわけで、初期作成のハヌマーン/ソラリス四人で邪悪なる神の企みを打ち砕いてみましょう。

　用意するのはアタッカーのハヌソラ三人とサポーターのハヌソラ一人。アタッカーは三人とも、Dロイス：守護天使でダイス減少ペナルティを無効化しておきましょう。レベル３ワーディング相手でもGMが特別裁定を下さない限りダイス減少ペナルティを無視できます。そして守護天使を使って三人で以下のコンボを撃ちます。

《コンセントレイト：ソラリス》+《絶対の恐怖》+《神の御言葉》+《風の渡し手》+《マシラのごとく》+《オーバードーズ》

　これです。固定値だけでもだいたい90点くらいのダメージが装甲無視で入ります。三人で撃つだけで270点です。ダイスの調子が良ければ平気で120点くらい入るのですが、旧支配者相手でも横から現れたプランナーにレベル３ワーディングを撃たれるリスクは忘れないでください。この際、コンセントレイトによるC値低下が有効な場合は、オーバードーズの効果がコンセントレイトにも乗るので、C7でダイスを振れる可能性があります。C11で固定で動かないと言われた場合は、諦めて交渉のレベルを4、ボイスチェンジャーと強化ビジネススーツなどで固定値7まで稼いでダイスを沢山ふりましょう。レベル３ワーディングでC11に固定された場合、回避値が17以上の相手には初期作成では攻撃が命中しません。ここだけはお気をつけください。とはいえレベル３ワーディングは基本的に外なる神の特権なので、あくまで念の為に考えておくだけで大丈夫。アタッカーの仕事はとにかくこのコンボを打ち込んで当てることです。でかいコンボを三人で撃っても火力が足りないように見えますよね。でもこれが大事なんです。

　サポーターのハヌソラはDロイス：亜純血を選択の上、“帰還の声”を取得しましょう。あとは“タブレット”と“多重生成”をどちらもLv3で取得し、“活性の霧”Lv5と“覚醒の秘薬”Lv1を取得すれば下準備は完了です。活性の霧による攻撃力上昇で、ダイス目がいまいちふるわなくてもおおよそコンボ一発で100点の装甲無視ダメージが入るようになります。

　ここで“多重生成”した“帰還の声”で、アタッカーのハヌソラの“マシラのごとく”を復活させましょう。更に“覚醒の秘薬”も“多重生成”（これが可能かはGMにより裁定が異なります）。余裕があったら“奇跡の雫”をとってアタッカーのロイスを守ってあげるのも良いかも知れません。真っ先に過労死するのはこのサポーターなのであんまり気にしなくても良いかも知れません。メジャーアクションは“さらなる力”による再行動がおすすめです。

　このハヌソラ戦隊が組み合わさるとおおよそ100点ダメージが7回、命中ダイスがギリギリになってしまって命中達成値が20届かないレベルだったとしても、ダメージダイスが2dくらい振れるとすれば110点ダメージが７回入る計算になります。装甲無視で。もし、仮に、“覚醒の秘薬”を“多重生成”できないという裁定だったとしても110点ダメージが5回。サポーターがSロイスを切ればギリッギリで6回の110点ダメージが入ります。少なくともイグやアトラック＝ナチャは殺せますね。“覚醒の秘薬”の“多重生成”が許可された場合はグラーキなんかが確定県内に入ってきます。ガタノソアも狙えるのではないでしょうか。

　そしてこれが五人PCとなり、砲台が一つ増えると上ブレで十分ガタノソアが見えてきます。圧倒的じゃないですかハヌソラは。

　一人の高経験点PCではできないことも、ハヌソラが五人集まれば可能なんです。皆さんもハヌソラを崇めましょう。ハヌソラ最高。

《コンセントレイト：ソラリス》+《絶対の恐怖》+《神の御言葉》+《風の渡し手》+《マシラのごとく》+《オーバードーズ》

90*2*3=540

【旧支配者の殺し方②～常勝のウロノイ（ウロハヌ）多重行動～】

　まず一人ピュアノイマンを用意します。《常勝の天才》と《戦術》を最大限とって、できれば《ファンアウト》なんかもとっておくとロイスケアがやりやすくなりますね。

　残りを皆ウロノイにして、Dロイスで強力な武器をもたせたら、後はひたすら《ラストアクション》《原初の白：時間凍結》《原初の黒：ライトスピード》《原初の虚：夜魔の領域》《原初の灰：闘争の渦or飢えたる瞬き》でひたすら再行動し続けるだけですね。飢餓アージは暴走でダイスが減るのでオススメはし難いのですが、今回はピュアノイマンが戦術を担ってくれるので信じてもいいです。闘争の渦の方が潰しが効いて便利ですよ。

　このあたりの再行動エフェクトを無理なくとって《螺旋の悪魔》《原初の黄：活性の霧》などで火力補助したら後はひたすら《コントロールソート》《コンセントレイト》でポコポコやってると相手は死にます。装甲がきつめの旧支配者には《原初の赤：ペネトレイト》あたりで軽率にポコポコ殴っていきましょう。

　恐らくですがピュアノイマン1にウロノイ3だとこのデザインで上昇の天才込で一回50~70打点くらいは出せるので侵食に優しく三回くらいのメジャーアクションに抑えたとしても一人頭150~210点装甲無視で入って450~630なので初期作成四人でも現実的に倒しにいけます。イグ、アイホート、アトラック＝ナチャあたりは狙えるラインかなと思われます。

　CRCでも遺産継承者のDロイス取れれば必中の弓でかなり仕事が楽になったんですけどね。残念。

【旧支配者の殺し方③～竜鱗～】

　書いている最中に《竜鱗》と防具で装甲値を上げまくって攻撃完封しながら殴り続けるというアイディアも聞いたのですが、これはあまりおすすめできないやつです。普通の神話生物は一部例外を除けば《竜鱗》で完封できますが、旧支配者は装甲値ぶち抜きができるやつも多く、《竜鱗》（リミットエフェクトである《衝撃相殺》込）の軽減の上から通せる打点を素でお出ししてくる奴らも居ます。

　ダブルクロスは30点受けても3000000点受けても戦闘不能一回換算のゲームなのであんまり気にせずに打点を優先したほうが当たり前に強いしゲームも長引かずに済みます……三十路見えてくると夜ふかしきついんですよ。

　ダブルクロスの長期戦と夜ふかしはほどほどにな！　

【まとめ】

　初期作成PC４人でも邪神は倒せます。5人居ればバックトラックに怯えずに倒せます。CRC発売されて時期が経っちゃったので今更言うのもあれですが、カジュアルにシナリオで出してシナリオで倒しちゃうくらいが楽しいと思います。

　でもカジュアルに倒しちゃうとありがたみが無い……それはそうです。まったくもってその通り。なので初期作成邪神討伐チャレンジするにしても、シナリオや演出の面で気を遣って、とてつもない戦いをしていることや一時的な退散に過ぎないことを強調した上でとてつもない幸運に恵まれて倒しきったくらいのことを言うとありがたみを保存したままゲームもできますし、PCたちが震える姿を見ながらPLたちは「ハメ技みたいなもんじゃねーか」って馬鹿笑いできるのでオススメです。TRPGってそもそもお互いに一緒に遊ぶ相手の味わいを引き出して相互に楽しむ素敵なゲームですからね。発狂も邪神討伐も味わいです。

　これは余談ですが、私は最近やっていたキャンペーンの章ボスに「僕の考えた最強オリジナル旧支配者」を出してPCたちにぶちのめされました。流石に経験点220のPCが並ぶともんげえ打点と装甲とHPを盛った上に復讐の刃まで組み入れた旧支配者でもきついですね。クトゥルーほどじゃないにしても相当ゴリラ仕様にしてたはずなんですが、PCに上手いこと弱点つかれちゃいました。

　こいつを倒すまでの過程も「まともにやったら即発狂のギミックを解除」「硬すぎる装甲を壊す」「眷属や信奉者を他の組織と連携して引き剥がす」みたいなギミックがあったので、そこそこ“らしく”なったかなあと思います。

　こういうギミックもあると“ありがたみ”の担保になると思うので、KPもといGMやろうって方は試してみてください。

【最後に】

　こんなところで今回の紹介を終わりたいと思います。更新が遅れた理由？　ダブルクロスのキャンペーンやってたからです。全八話の第三話だったので中だるみしないように最新最強の旧支配者と殴り合ってもらいました。全員生還出来て本当に良かった。

　このキャンペーンがFate/Grand Orderみたいで本当に最高なんですが、PC1が若きヒーロー、PC2がアザトースの化身（美少女）。ボーイミーツガール。クトゥルー神話といえば美少女化ですからね。伝統です。そしてPC3以降が毎回変わるんですよ。サーヴァントなので。FGOだけに毎回現地サーヴァント枠が居るんです。現地サーヴァント枠は毎回PL交代しながら、歴史を乱す邪悪とやりあってもらうんですよ。毎度毎度ゲストPLの格好いい必殺技を見ながら、メインのPC1とPC2が彼らと交流して成長していく姿を応援していく訳ですよ最高だよな。

　第零特異点ではアメコミ風味なレネゲイドウォー世界、第一特異点では神と人が日常的に交わる古代ギリシャ、第二特異点では黄金時代（オウゴン）を夢見るヤンキーたちが集った1999年バッドシティと来ています。第三特異点は酒吞童子によって殺された人々の魂が寄り集まって作り出した幻想の平安京が舞台です。恐らく７月末には応募するので、PLとして参加したい方は私のツイッターの募集ツイまでリプつけてください。これが俺の“英霊”だって奴を一発かましてください。

　参考までにですが、第二特異点はヴェディヴィエール卿のようなパワーを発揮するヤンキーと人類悪のウルトラマンと三国志でも有名なとある軍師がゲストとして参加してくれました。カオスフレアみたいで格好良いだろ！

　さて、本日の宣伝はここまで。今日の講座もここまで。

　お仕事のセンテンスがなんとかなりそうなら今月中にもう一度更新したいと思います。先月と今月忙しかったんですよね。頑張るから応援してください。

　という訳で本日はここまで。

　くれぐれも次回まで闇からの囁きに耳を傾けぬよう。