【初めに】

　3/20、ついにカクヨムからもう一つのクトゥルフ神話作品「クトゥルフ神話　探索者たち　鈴森君の場合」が発売されました。

　こちらのアマゾンページから購入できるので、まだ買ってないという方はまずは買って下さい↓

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　めっちゃ面白いですよ。クトゥルフ神話TRPGの動画に慣れ親しんだ世代としては、主人公の能力が非常に面白いので、今度のコラボでは上手に扱いたいですね……。さあどんな話にしたものか。鈴森君、投擲が得意みたいなんですよね。クトゥルフ神話TRPGにおいて投擲といえば最強火力技能。これはやるしかありませんね。

【概要～クトゥルフ神話　探索者たち　鈴森君の場合　ってなぁに？～】

　説明しよう！　

　「クトゥルフ神話　探索者たち　鈴森君の場合」とは、カクヨムで発表されている王道クトゥルフ神話TRPG風味小説だ！　クトゥルフ神話TRPGを知っているそこの貴方（この講座に来ている人はかなりの割合出そうだと思います）を狙い撃ちしている素敵な作品だぞ！

　邪神任侠のアダルト＆バイオレンスな路線とは異なり、少年が少女の為に命をかけるジュブナイル＆アドベンチャーな雰囲気が売りなので、ぜひとも読んで欲しいです！　

　ちなみにイラストのコウサク様は卓ゲ動画の界隈などでも有名な方なので、神話生物もお手の物！　強い！

　クトゥルフ神話TRPGの情景を切り取ってきて、あのセッションのワクワクを体験できるリプレイ味の強さが特徴ですね！

●表紙絵

　要素だけあげていくとクトゥルー様、旧神の印、銀の鍵、ネクロノミコン、窓に！窓に！、左上にかけて怪しげな触手！　てえへんだ！　なんか厄ネタだらけだ！　しかも手がけてらっしゃるのは卓動画界隈では知らない人は居ないであろうコウサク様だ！　卓動画の民だけを殺す兵器かよぉ！　嬉しい！

　ところで鈴森君、あなた月森ちゃんと妙に良い雰囲気ですね……これだから主人公（PC1）って生き物は良くない……伊吹ちゃんを泣かせたらダイナマイトですからね！

　ちなみにカバーの下も血の跡っぽかったり、ウネウネが増えているので、ちょっと見てニヤニヤしてみるのも良いんじゃないかと僕は思います。

●第一話

　いやー、やっぱヒロインは神話生物の時代ですよ。

　邪神任侠もそうでしたが、やはり人外系のヒロインの時代が来ている！

　伊吹ちゃんはやはり人間の姿をしているが確実にヤバイ級の何かでしょうこれは！

　筋力とか！　発狂時の行動とか！　完全に人間の領域から一歩踏み出してますよ、分かるよ僕には！

　え、違う？　そうか……若者の人間離れが進んでいるなこの業界。

【概要～さんち～】

　ほら、例のあれですよ。SAN値ピンチ。正気度。恐らく色々なあれで直接使えない的なあれとかもあるんじゃないでしょうか。正気値という表現です。正直、僕のデリンジャーとかフィアットもギリギリでした。

　後日譚で「鈴森さん家（ち）の場合」みたいなのやってくれませんかね。

　ところで後で出てくる探すとかは目星ですし、投げるとか投擲ですし、口先とかは言いくるめなんですが、そこはまあそれです。COCはケイオシアム様のものですからね。

【概要～陰州升市～】

　いつものあれです。インスマスです。

【概要～赤武市～】

　いつものあれです！　アーカムです！

【概要～特徴（トレイト）～】

　俺も卓でこういう能力付与したり、心理学言いくるめ説得極振りで「このキャラはサイコメトラーなんですよ」とか言い出します。ちゃうねん。気心知れた仲間内でやるときはこういうのも入れるとめっちゃ面白いねん。見ろよ鈴森君超面白いじゃんよ。ハウスルールが悪いんじゃないんですよ。邪神任侠だって禮次郎あいつSAN値0なのに引き続き主人公やってるからね。そういうあれなんですよ。鈴森君に見られたらあいつ「あの人……正気値が無い……！」ってやばい扱いされますよ。

　禮次郎の特徴（トレイト）は多分「SAN値減少をトリガーとした戦闘モードへの突入」ですね。えげつない自己バフがかかってキリングマシーンになる感じです。このあたりの主人公が持つ特徴（トレイト）から作品の性質や目的とするところについてくどくど考察を語りたいのですが、これはまたの機会にしましょう。

【概要～堕日市～】

　ダンウィッチの怪をモチーフにした名前です。魔術と科学の力で邪悪を討つ物語な上に、クトゥルフ神話を語る上で外せない古典なので読みましょう。

　ところで深淵研究会の設定すごく好きなので、今度のコラボの時お借りしても良いですかね。禮次郎の率いる組が、深淵研究会の函館支部も兼ねているみたいな設定で。あと他人からSAN値貰えるのって、かなり業が深い特徴（トレイト）ですよね。俺なら他人からSAN値もらいながらありったけ魔術覚えたりクトゥルフ神話の技能値上げられないかとか考えます。

【概要～仕事の前に買い物に行く～】

　我々の業界ではこれを“死ぬ準備”と言います。この間に上手いことダイナマイトとか作りたくなる癖があります。戦闘系シナリオじゃない限りはやめようね。

　生存者バイアスの可能性が高いのですが、いっそ「命はリソース」くらいまで割り切ると案外死にません。キャラとして必死になると逆に死にます。不思議ですね。

【概要～単独行動は絶対に駄目～】

　我々の業界では“単独行動＝死”というジンクスがあります。状況によっては有効な場合もあるのですが、場所によってはワンミスでも危ないかもしれないので、別にKPが意図して無くても死ぬこともあるんですよ。一人じゃ判定が一度しかできない！

【概要～深きものども～】

　いつものあれです。クトゥルー様やダゴン様にお仕えするあれです。今回出てきたダゴンなんかは僕だと五連装酸素魚雷で爆散させたものです。ダゴンについても一緒に説明しておくと、深きものどもの上位存在で非常に強大な存在です。最も古い深きものどもがダゴンなのではないかとか言われたりもします。

【概要～丁字亜美～】

　アーミティッジ教授のもじりですね。ダンウィッチの怪でイブングハジの粉を合成してヨグ=ソトースの落とし子にぶっかけて勝利を得た英雄です。

【概要～ポプリン卿の日誌～】

　マレウス・モンストロルムというクトゥルフ神話TRPGのサプリのコラムコーナーでちょいちょい出てくるハンセン・ポプラン卿の日誌が元ネタかと思われます。

●第二話

　隕石の買い取りだ！　なんかずいぶんと愛らしい（婉曲的表現）大学院生だ！　熟練探索者って要するにデータ的強さを突き詰めたり継続して技能がすごい探索者だなハッハーン！って感じです。

　やはりヒロイン力高くないですか月森さん？　しかも地味に取得技能が堅実なのも良い。絶対に目星聞き耳高めで跳躍登坂忍び歩き辺り持ってますよ。EDUはわかりませんがINTも高そうだし斥候として優秀に違いありません。引き換えにSAN値は犠牲になりやすいとも言います……。

　あと人物解説とか世界観とかこの後の章とか見ると、ガスライト支部がなーんかきな臭いですよね。全員が腹に一物抱えながら一緒に行動しているのではなかろうかと。

【概要～ニャルラトホテプ～】

　旧支配者の一柱で、悪いことが起きるとだいたいこいつのせいだと言われてしまう神です。邪神任侠書籍版でも裏にはこいつの暗躍が有ったとか無かったとか。

【概要～探索者の素質～】

　要するにそのシナリオでPC（プレイヤーキャラ）かどうかということですねこれ。

　別のシナリオでPCでも、場合によってはPCじゃなくなったりする訳で。その場合でもNPCとかになってたりしますが、信頼できるとも限らず……怖いですね。自分のPCをNPCとして出して油断させてからの一撃とかありますからね。

【概要～勇敢な探索者たち～】

　COCのルルブに書いてあるんだよ！　探索者はゲームを進める為に勇敢に突き進めって！　止まるんじゃねえぞって！　どう考えても勇敢すぎないかって鈴森君と同じ意見を持つ人は多いと思うのですが、探索者の資質とはすなわちそういうことなのかもしれません。

【概要～巨人～】

　後でも出てきますけどアイハイ族と呼ばれる火星人です。厳密に言うと火星人と呼ばれる種族が別にあるので、火星に住むアイハイ族という表現が適切でしょう。装甲も耐久力もそこそこあるのですが、それでもギリギリマーシャルキックとか武道キックで蹴飛ばせるかなって強さです。ショットガンとかあれば相当戦いやすくなるんですけどね。

　今回の話では出てきませんでしたが、ヴァルトゥームの信奉者は万物分解光線みたいなものを出す銃を持っているので気をつけて下さい。

【概要～ヴァルトゥーム～】

　花のような旧支配者。ヴルトゥームとも言います。実はハスターやクトゥルーの兄弟だったりします。千年周期で寝たり起きたりを繰り返しているそうです。今回鈴森君達が使っていたガスは、ヴルトゥームが休眠に入る時に使うとされるガスを元にしたものじゃないかなあと推測しています。マレウス・モンストロルム準拠ならばその筈です。

●第三話

　若さの空回りが加速する鈴森君。可愛いですね。関係ないですけど永井さんって彼氏とか居るタイプだと思うんですよね。探索者たるものそんなことしている暇無いと見せかけて居ますよ！！！！！　そっちの方がなんかこう物語的エネルギー増しますって！！！！！

　それはそれとして第二話と続いている話で神話的には解説パート無いのでちょっと好き勝手に語るのですけど、いや～月森さん流石のヒロイン力ですね。伊吹ちゃんがピンチなのでは？　邪悪なヒロイン力の発露を感じる……！

　深淵研究会や三大財閥はちょっとこう邪神任侠本編でも使いたくなる良い設定なのでワリと真面目に墨の凛様にお話したくなりますね。

　……とか言ってたら許可貰ってしまいました。明確に名前は出さずに似たような組織みたいな感じでチラチラさせる可能性があります。

　依頼やら人との交流やらSAN値が回復するのは比較的よくあることです。ゲーム的には当然報酬な訳ですが、一応事件を解決したことによる安心感や達成感でSAN値が蘇ってくるらしいですよ。

　ところで想いを代償に正気度回復とか実質ダブルクロスでは？

　邪神任侠でエグザイルとエンジェルハイロウのクロスブリードですとか抜かしていた俺が言ってしまうとあれだけどこれはダブルクロスでは？

●第四話

　核心に至る第四話。書籍版オリジナルが濃厚に入って、様々な宇宙的真実が明らかにされてしまいます。

　本物の丁字先生の言う通り「騙して悪いが～」的な接近遭遇なので、鈴森君はもはやハードなセッション二本こなしてかなり強化されちゃってる探索者的なあれなので、この話も非常にわくわくしますね。

　しかも水着回ですからね。これまで丁寧な口調で通してきた僕もちょっとこう「おい鈴森貴様そこを代われ！！！！！！！」って妙なテンションになりました。

　そして息を呑む窮地、そして最後は大団円。いやぁ良かった良かった。第一部完ですよ。続きがあれば一押しヒロインの夢子ちゃんとかも出たりするかなあ～～～～！　楽しみにしていたいところですね！

【概要～右腕のアザ～】

　キリスト教において使われた隠れシンボルのイクトゥスが似ているかもしれません。ハスターの印である黄の印は聞いたことがありますけど、そう言えばクトゥルフの印は聞いたことがなかったですね。これがつながっているという設定を入れるとキリスト教そのものに胡乱な設定を追加できる……！？　恐ろしい……なんということだ。この世界は既に……！！！！！

【概要～調査中の事象をなんでも関連付けてしまう探索者の職業病～】

　クトゥルフ神話が好きな人々はみんなこのような病気に罹患しています。やったね皆も探索者！　そういうのが止められなくなると断片的な記録を纏めてつなぎ合わせてひとまず電脳空間に保存しようという発想の下でこういう記事を書くようになるんですよ。

【概要～銀丸家（ギンマルハウス）～】

　ギルマンハウスですね。かの名作「インスマウスの影」で主人公が泊まったホテルのパロディです。

【概要～乙部（おとべ）秀真（しゅうま）～】

　「インスマウスの影」で出てきたインスマウスの名家、マーシュ家の一員であるオーベッド・マーシュをもじった感じですね。

【概要～堕魂教～】

　悪いことするんでしょう！　ダゴン秘密教団みたいに！

　ダゴン秘密教団を元ネタにした悪い奴らです。うら若い乙女に乱暴する気ですよ！　エロ同人みたいに！　逃げて伊吹ちゃん！

　こちらも「インスマウスの影」での話が有名ですね。

　ついでにいうと海の家のおじいさんも多分「インスマウスの影」に出てくるインスマウスで数少ない純人間のおじいさんがモチーフとかじゃないかと思います。

【概要～クラーラ～】

　白猫とは関係無い……筈です。クティラ、クトゥルフの娘と関係があるのではないかと考えています。この作品で「クトゥルフを再度産み直す仕事が有る」と言われてますし、クティラも同じ仕事を抱えているので、恐らく間違いないでしょう。

【最後に】

　読みながら書き出していくと、邪神任侠の書籍版および2nd seasonと雰囲気や素材がかなり似ていて滅茶苦茶焦りました。好きな物が近いのがやっぱりでかいんじゃないかなと思います。同じ時代、同じ場所で、似た趣味の人間が書くとこうなるか……多分年齢も近いかな……？

　逆に考えよう。もし邪神任侠の続きが出たら全然別のモチーフ使って差別化すればいいって……！

　真面目な話をするとですね。鈴森君の場合も、邪神任侠も、クトゥルフ神話TRPGの世界から影響を受けて生み出された作品であることは間違いありません。なので世界そのものの親和性が非常に高い。時間軸はずれていますが、恐らく同じ世界であったとしてもさしたる齟齬は生まれないでしょう。深淵研究会函館支部とかを禮次郎がヤクザの組長と兼任しているのも割とありそうですし、それにあたって組の黒いビジネスにアーティファクトの売買が加わっていてもおかしくはないですし。それにあたってダゴン秘密教団北海道支部との関係性が変わったりなんだったりして2018年を迎えていたりするみたいな未来もあるかもしれません。

　他にも邪神任侠世界のメインキャラが特徴（トレイト）持ちだったらそれはどんなものかとかですかね。クチナシちゃんは神の力じゃなくて普通に万能人みたいな特徴（トレイト）ですよきっと。INTとEDUを二倍扱いで技能値を産出できるとかそういうの。天才なのでなんでもできます。

　逆にこちらから輸出するとなるとあれですよね。輸出しやすい設定がそんなに無いんですよね。強いて言えば探索者に積極的に援助を行う一方で、非合法ビジネスに手を染める清水会とか、公安警察の対狂信者捜査官とか、ハスターのカルトが母体となっている大企業こと左道製薬とか、そういう細かい設定くらいしかない……。

　有葉マンは便利キャラなので好きに使って下さいということで、墨の凛様にはお伝えしました……。

　こういう設定の共有を気軽に行えるのは同じカクヨムで第一回カクヨムコンを一緒に戦ったり、こっちでちょいちょい宣伝してたり、近い時期に出版してたり、そういう流れの中でこそですよね。ある意味初期のクトゥルフ神話における設定の共有に近いことが、今まさにカクヨムで再現されている訳ですよ。すなわちカクヨムは現代のウィアード・テイルズと言っても過言ではない！！！！　最高かよ！！！！

　こうして歴史が繰り返されているのを見ると、やっぱweb小説サイトが現代のパルプフィクションってのもあながち嘘ではないのかもしれませんね。

　ただ個人的にどうしても気になってしまうのが、パルプフィクションは安いなりにお金を支払って読んでいたけれども、web小説って基本無料じゃないですか。ソシャゲみたいにガチャがあれば良いんですけど、そうでない小説サイトってのはお金の回収が大変で、持続可能（サスティナブル）な文化なのか偶に不安になったりするんですよね。

　なので、少しでも表現の場という奴を守る為に、カクヨム出身の作品を買ってみてやって下さい。具体的に言うと鈴森君の場合と邪神任侠ね！　セットでね！　Amazonでもセットがお得って書いてあったから！　KADOKAWA商品まとめ買いするとポイント還元サービスって言ってたから！　よく一緒に買う作品としてあげられてたから！（2018/03/24時点で）

　さて言いたいことを言い終わったので今日はこれくらいにしておきます。次はグールをメインに取り扱いたいと思っています。

　それでは次回まで闇からの囁きに耳を傾けぬように。

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