補講 二講目 アトラック=ナチャってなぁに?
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とはいえ、この講座を読みに来ている人ならきっともう読んでくれていると思いますが、仮に読んでなかった場合でも書籍版だけ買っておいて下さい。印税はこちらの口座もとい講座を充実させる為の取材費に回りますので、その為の簡単な初期投資ということで。
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【初めに】
突然ですが「……身の程を知るのね、豚」 って言われたくないですか? 僕は残念ながら美人に甘やかされたいどうしようも無い駄目人間なので遠慮しておきます。でも「……身の程を知るのね、豚」って言いながらもめっちゃ甘やかされるパターンは正直めっちゃ大好きです。
なんて、別にしょうもない性癖カミングアウトがしたい訳ではありません。これも今回取り上げる邪神「アトラック=ナチャ」に関わるネタなのです。今回お話するアトラック=ナチャは、知っている人は知っている比較的メジャーと言っていい旧支配者なんですが、それにもかかわらず細かい情報が少ないんです。
なのでアトラック=ナチャを取り上げたと考察を通じてこの邪神に関しては説明していきたいと思います。
具体的に言うと「這いよれニャル子さん」や「アトラク=ナクア」や「7つの呪い(The Seven Geases)」や「デモンベイン」や「夢幻紳士」ですね。
ただ此処で一つ注意書き。今回とりあげる作品の中で「アトラク=ナクア」と「デモンベイン」は成人向けゲームです。なので良い子の皆様はブラウザバックしてください。また、性的な内容を嫌う方も同様にブラウザバックしてください。
まあきっと此処に来るってことは皆さん“覚悟”してきている人ですよね。
グーグル検索トップページに出るのにはあまりに酷い内容で、常にエロスエロスエロスな妄言を呟きながらのたうち回るような講座を、“覚悟”してきている人達に違いありませんよね!
というわけでそろそろ初めましょう。
なあにそれ程長くはなりません。今回もきっと愉快な神話探訪の旅になりますよ。
【概要~存在と虚無の地平に橋を渡す大蜘蛛~】
アトラック=ナチャは巨大な蜘蛛の姿をした旧支配者です。頭部は人間に似ているとのことなので、擬人化をそそられてしまいますね。
彼女の仕事はざっくり言えば橋作りです。我々の存在する現実の世界(覚醒の世界)と、我々が見る夢に繋がる異世界(ドリームランド)の間にある底なしの裂け目に、日夜蜘蛛の巣を張り巡らせています。なんでもアトラック=ナチャが、この蜘蛛の巣を張り終わると、世界は終わるのだそうです。
ドリームランドというのは書いて字の如く夢の世界。我々人間の夢と繋がっています。
この夢と現実の世界が繋がるという言葉はどういう意味を持つのでしょう?
起きても見るものは夢ではないですし、眠っている時に見るものは現実ではありません。夢と現実の境界が消えるということは、人間を含めた多くの生命体にとって実存を揺るがされる事態となる訳ですね。
ねえ、考えてみませんか?
貴方が見ているこの風景は本当に現実でしょうか?
なんて話は良くありますが、奴が蜘蛛の巣を張り終える(二つの世界が繋がる)と、そんな感じで本当に自我を崩壊させられちゃうかもしれません。
まあそんな話はさておき、ドリームランドにはやばい生き物が一杯居ます。拷問が趣味で高度な文明を持つ人型の怪物とか、ラブクラフト世界最強生物ネコとか、本来地球に居たはずの地球本来の神々とか、ニャルとか。そんなハチャメチャが一気に押し寄せたら実存がどうとか小難しい話をされるまでもなくどうせ皆居なくなります。
おそらくはこういった事情から、この神が蜘蛛の巣を完全に張り終わったら世界は終わると言われているのでしょう。だとすれば納得です。
このようにアトラック=ナチャはかなりやばいことをしている旧支配者です。分かって頂けたでしょうか?
それでは次の話に参りましょう。
【概要~黒髪ロングのS百合JKとか最高だよね~】
そんなアトラック=ナチャですが、女体化する時は大体黒髪ロングの綺麗なお姉さんです。
これはなぜか?
それはそのものずばり「アトラク=ナクア」というゲーム(アリスソフトから発売! 未成年は買っちゃ駄目だぞ!)の中で黒髪ロングの美人女子高生(蜘蛛の妖怪)が出るからです。
話の枕に使った「……身の程を知るのね、豚」もこのゲームの名台詞でございます。この作品は当時の伝奇系エロゲーの中でも最高傑作の一つだったとされていまして、どんでん返しを含みながら美しく纏まったシナリオ、そしてメインキャラである比良坂初音様、整った文章、いずれも非常にエロ良い。
クトゥルフらしさはタイトルに滲む程度で、あくまで伝奇系の民間伝承に基づく世界観です。勿論民話というのはクトゥルフと親和性が高いのですが、先程説明したようなアトラック=ナチャの特性をそこまで全面に押し出している訳ではないです。
まあそれはさておき百合ですよ百合(それ以外も有るけれど)。それでいいじゃないですか。後世のクトゥルフ作品に多大なる影響を与えた百合エロゲーなのです。
さてさて、このアトラク=ナクアの影響を受けた後世の作品が何か? と聞かれればやはり這いよれニャル子さんです。
さて、這いよれニャル子さんに出てくる銀アト子ちゃんも、このアトラク=ナクアには濃厚な影響を受けており、名字がアトラク=ナクア作中のとあるキャラと同じで、外見がまたそのキャラと因縁浅からぬ仲の蜘蛛JKそっくりで、二人の間の子か何かかと思ってしまいましたよ俺は。
百合ゲーじゃないの? こいつ何言ってるの? SAN値0なの? と思った方は僕と一緒にゲームプレイしようか! 輝くPCの前で君を待ってるよ!
ちなみにこのあたりのアトラク=ナクアに纏わる歴史は、ネットで非常に詳しく纏めている方がいらっしゃるので気になる方はそちらも探してみて下さい。
ここでは語ってないもっと詳しく細かな内容がそちらにはあります。
【概要~クラーク・アシュトン・スミスとは~】
そんなアトラック=ナチャを語る上では外せない“7つの呪い”。この作品についても紹介しておきましょう。
この作品はクトゥルフ世界の古代文明が舞台になっておりまして、そこで蛮族退治に出かけた男が、様々な神や魔術師に出くわし、○○の所で生贄にしてやる!→要らないから××の所行ってきて、とたらい回しにされる(だいぶコミカルな)恐怖物語です。
人知を超えた神々や、魔術師、そして異種族などクトゥルフ的古代文明の紹介物語になっているのが重要なポイントでしょう。
この作品を書いたクラーク・アシュトン・スミスはラブクラフトと共にパルプ・フィクション(週刊マンガ雑誌の小説版と考えて下さい)で人気を博した小説家です。しかもイケメンです。彼はSF・ホラー・ファンタジーに跨っていくつも優れた短編を仕上げ、アトラック=ナチャだけではなく、ウボ=サスラやルリム・シャイコースと言った非常に魅力的な邪神を創作しています。しかもイケメンです。
※ウボ=サスラとルリム・シャイコースは時間が出来たら紹介したいと思います。
彼の描く主な舞台は現代ではなく古代や超未来です。ラブクラフト御大とは年齢も近く、様々なやり取りの中でクトゥルフ世界の来し方と行く末を詳しく知っていたからこそ書けたのかもしれません。
そんな彼ですがラブクラフト御大と父親を相次いで亡くした時期を境に筆を折ってしまいます。自分を引き立ててくれた兄貴分、そして大切な父親を一度に亡くしたことが相当ショックだったのかもしれません。とても繊細な感性を持った人だったに違いありません。だからこそ、それまで神々の声を聞くこともできたのでしょう。
【最後に】
如何でしたか?
アトラック=ナチャに関して現在分かっていることを大まかに纏めてみた訳ですが、お役に立ったでしょうか?
個人的には挿絵機能を使ってクールなアトラック=ナチャの絵をつけたりしたいのですが、なんとかならないでしょうかね。
もし何かの間違いでこのエッセイが本にでもなることがあれば、全ての紹介に一枚ずつ挿絵をつけて欲しいなんて言いたいものですが……。
まあ、そんなの夢物語に過ぎません。
何時かこの紹介なんかにも挿絵が、具体的に言うと黒髪ロングJKの挿絵とかが入ると私はとても嬉しい。
皆もそうなると嬉しいと思ってくださったなら、どうぞこの作品を応援してください。カクヨムの外から来た方も是非登録してこの作品を読んでください。
それが、その一つ一つが、何時かこの夢に届く
それでは次回まで、闇からの囁きに耳を傾けぬように。
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