第17回 ショゴスってなぁに?
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【初めに】
ショゴスですよ。あのショゴスです。今回はわざわざ講座の為にショゴスが出る短編書いてしまいましたよ。四千文字程度のしょうもない短編なので参考資料程度に一緒に読んで下さい。
メイドになったり、マントになったり、武器になったり、ボスキャラとして探索者の前に立ちふさがったり、クッションになったり、不定形という特質故に色々便利に使われます。
ジッサイ便利、スゴク便利。形が無いから何でもやらせることができます。バビル2世のロデムに似てますよね。
クトゥルフを扱うならこのショゴスを使わない手は有りません!
そういう訳で今回はこのショゴスのことについて講義させていただきたいと思います。
【概要~どんな生き物?~】
虹色の輝きと悪臭を放つ濃緑色(あるいは黒色)のゲル状生命体。それがショゴスです。彼等はウボ=サスラと呼ばれる旧支配者の身体から作られた命だとされています。
このショゴスは古のものと呼ばれる種族に労働力として作られました。古のものはかつて地球を支配しており、当然ながらショゴスも世界中で便利に使われていたようです。
強靭な肉体を用途に応じて自在に変化させ、魔術あるいはテレパシーによって簡単に命令を聞かせられるショゴスは非常に便利な労働力でした。
ですが何時からかショゴスは知恵をつけます。彼等が脳という器官を作り、固定化したのです。
我思うがゆえに我有り。自我を得たショゴスは反乱を起こし、ある者は支配から逃れ、ある者は南極に封印され、ある者は別の神に従属するに至りました。
自由を得たショゴスの中には人に紛れ、独自のコミュニティーを作る者まで現れました。
神に従ったショゴスも多く、中でもクトゥルフに従うショゴスは多かったようです。クトゥルフ及びダゴンの祭司の傍ら、クトゥルフ自身の眠る海底都市、多くの場所でショゴスが目撃されています。
しかし、それまで奴隷として働かされていたものの、知恵をつけた現在のショゴスは従順から程遠い生き物になっています。もし出会っても安易に手懐けようなどと思わないで下さい。もしも貴方が凄腕の魔術師かエスパーならばその限りではありませんが。
とまあ、このような性質から何処にいてもおかしくないし、どのように扱われていてもおかしくないのがショゴスです。物語に使っても、TRPGのセッションに使っても、何一つ問題無いので便利に使ってみましょう。自分だけの最強の美少女を作る為に冒涜的な儀式に血道をあげる魔術師とか居ても何一つ問題は無いのです。悪臭とかはきっと誤魔化せる。
【概要~ショゴスなんて居ない?~】
このようにTRPGのセッションでも物語でも自由に扱える便利なショゴスなのですが、不思議な事にあのネクロノミコンでは「ショゴスなど存在しない」と記述されています。
この記述の原因は先述のウボ=サスラにあるような気がします。このウボ=サスラは自らの身体から不定形の落とし子を作り、この落とし子達が進化したものがこの地球上の生命の起源になったとされています。そう、人間さえもこの落とし子から進化したというのです。
ウボ=サスラから生まれた不定形の落とし子であって“ショゴス”などという種は存在しないんだ。そういう意図が存在するならば、ショゴスなど居ないという発言もまだ納得できます。
しかしそれでも妙です。その論法がまかり通るならば、地球に存在する全ての種が存在しない事になってしまう。
どうすればこの矛盾を解決できるでしょうか。
私は「ショゴスがウボ=サスラの落とし子の幼体固定処理をした存在」なのではないかという仮説を提案いたします。
性成熟を迎えた後であっても幼生の特徴を残す種が居ます。こういった種は環境の変化に対して高度な柔軟性を保つことが可能なのだそうです。ショゴスはウボ=サスラの落とし子が持つ高度な分化能をあえて保つ為に、成熟することを妨げられているのだとすれば……なんだか哀れです。
でもエターナルロリ(ショタ)とかロリババア(ショタジジイ)って言うと素敵ですね。悪くない、悪くないぞ!
【最後に】
ショゴスは便利です。とても便利です。私が知るとあるKPは面倒になったらショゴスをボスにしてました。
でも待って欲しいんです。あまりに便利に使いすぎてしまうと只のテケリ・リと鳴くだけのスライムじゃないですか。やりすぎたら飽きられちゃいます。
よろしければショゴスを主軸に据えてあげてください。
自分の培養している細胞がちょっとあり得ない増え方をして戦慄する大学生! その細胞は実はショゴスの細胞とすり替えられていたのだ! お馬鹿な学生の愉快なホラーかSFホラー!
雨の日に拾った幼女は実はショゴスでした! 彼女のお腹を満たす為に完全犯罪を繰り返すぞー! クライム・サスペンス!
東京ではショゴスの中でも高度な知性を持つ個体による縄張り争いが激化していた! みたいなノリで東京ショゴス! 能力バトル! 腹から声出せよ!(ちなみにあのテケリ・リという鳴き声はショゴスのかつての主人であった“古きもの”という存在のモノマネだそうです)
とかなんとかやってみたらどうでしょうかね。
この便利な神話生物を是非面白く調理してみてください。
それでは今日はこの辺りで。次回までくれぐれも闇からの囁きに耳を傾けぬように。
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