第15回 ツァトゥグアってなぁに? 改

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 拙作「邪神任侠」がノベルゼロ様から出版されました。ヤクザが邪神と戦うノワールな作品です。当講座で特集・解説もしておりますので、ぜひお読み下さい。

 とはいえ、この講座を読みに来ている人ならきっともう読んでくれていると思いますが、仮に読んでなかった場合でも書籍版だけ買っておいて下さい。印税はこちらの口座もとい講座を充実させる為の取材費に回りますので、その為の簡単な初期投資ということで。


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(2017/12/17 改稿)

【初めに】

 こんばんわ皆様、既に皆様ツイッターなどでご存知かとは思いますが、無事にFGOでアビゲイルちゃんを引くことができました海野しぃるです。

 信仰アビゲイルちゃん祝福プレゼントかなにか知らないんですが、ついにカクヨムエッセイランキングで総合一位をとることができました。分かりやすく表現すると、FGO解説記事でPVと☆とブクマが滅茶苦茶増えたんですよね、ありがたい話です。ともかく何時かのエッセイコンテストでは敗北したものの、それらを乗り越えて一位ですよ! これからも気合を入れて楽しいクトゥルフ世界を紹介する楽しいエッセイを心がけていきますので、どうぞ宜しくお願いしますね!

 

 さて今回は皆様の熱い声援に支えられ今回はツァトゥグアの記事の書き直しということで、DEN助様から一位+70万PVを記念して素敵なイラストを頂いてしまいました! まだ知らない方はツイッターの私のアカウントまでぜひ見に来てくださいね! 肉感的な美少女となったツァトゥグア様が輝くタイムラインで貴方を待っています!!


 さてそんなツァトゥグア。どんな神かは皆さんご存知でしょうか? 昨今の商業創作ですとあまり出番がありませんね。クトゥルフ2010に掲載されているとあるシナリオで親玉として登場したくらいだった記憶があります。とても創作に使いやすい神様の筈なのですが、惜しい話です。


 とはいえ知らなきゃ使いようが無いというのもまた道理、此処で一つ簡単に勉強していきましょう。きっと気に入ってくれると思いますよ?


【概要~どんな姿?~】


 でっぷりとした人型の胴体。同じく人(あるいは猿)に良く似た手足。蛙のような頭。蝙蝠に似た耳。それらをフサフサの毛皮が覆っています。本来はクトゥルフ神話の神々に良くある不定形なのですが、この姿をとることが多いみたいです。自然派ですね。


 案外可愛いところもあって、起きている時は眠たそうな目で何時もニヤニヤ笑っており、お腹がくちくなるとすぐにコロンと眠ってしまうそうです。


 イラストレーターさんによってはマッシブだったり、ひょうきんだったり、ト●ロだったり、特徴は同じでも雰囲気が変わるので是非とも色々調べてみてほしいものです。ちなみにDEN助様のイラストではむっちり美少女になっています。大事なことなので此処でも言いました。ちなみに紋章はFGOに出てくる象牙の書(エイボンの書)をモチーフにしています。折角セイレムが縁で仲良くさせていただいているので、それを取り入れてもらったという感じですね!

 もしも自分がツァトゥグアを書くことがあれば、このかわいいクトゥグアちゃんをモチーフにしてラヴをクラフトするお話になるんじゃないかなあと思ってます。前に担当さんとニャル子さんの話をして、クトゥルフでラブコメを書くことのメリットとかを語ってたんですけど、俺も書きてえよラブコメ! 苦手だけど! ってなりました。まだラヴクラフトコメディーの鉱脈は掘り尽くされていないと思うので、画面の前の皆様も是非やってみると良いと思いますよ。その際にはクトゥルフ講座と書籍化される邪神任侠の宣伝をお願いします。


 ちなみに、TRPGだと身体は其処まで大きくないとされています。その気になったらト●ロよろしく巨大化できる設定とかを勝手に入れるのも面白いかもしれませんね。神に我々の物理的な物差しなんて通用しないんですから。


【概要~何をする神様?~】


 基本的には祈りと儀式に応じて様々な道具や加護、そして魔術といった知恵を与えてくれる気前の良い神様です。お腹がいっぱいになっていれば人間相手に僅かながら情けもかける(無関心とも言う)し、自らの信徒が別の邪神に追われていればサクサク助けてくれます。


 また、この旧支配者はTRPGにおいて、目撃しても正気度の喪失が非常に低いことで知られています。しかもお腹いっぱいになっていれば人間を襲わないという性質もあって非常に人間に優しい神様となっております。まあ襲わない代わりに別の(それでもまだ比較的安全な)神様の下に送ってくれたりしますけど……それにしたって比較的マシですよね。見た瞬間にSAN値直葬じゃないですし。


 とはいえ、本当に優しいのか? 怠惰なだけじゃないのか? そう思う人が居るのは当たり前のことです。特にTRPGの方だと子孫達がこの星のものと別の生態系を生み出していることもあって、人類種の敵のようにも見えます。

 しかし、この神が怠惰と言うには、そして人の敵だと言うにはあまりに信者を救いすぎています。本当に怠惰ならば信者達に魔術や道具を分け与えるでしょうか? 儀式に応じて生け贄を受け取るでしょうか? 私はツァトゥグアが見た目ほど怠惰には思えないのです。古い大自然の神々と同様に、人間に寄り添い容赦なく与え奪うタイプの神々なのではないかと私は考えています。


 こうなった原因は、この神を最初に書いたクラーク・アシュトン・スミスが通常我々が考えるホラーというよりも、幻想的なファンタジー小説を書いていたことが関係していると見られます。

 彼はクトゥルフ世界における過去の出来事として、神々と魔法に満ちた古代の文明に関わる幾つかの小説をものしており、それらは大いなる神々とその秘密に挑む魔法使いという構成が多いんですよね。そういった神と魔法の物語において、メインキャラクターだった魔術師エイボンが信仰していたのがツァトゥグアなので、やはり人類の敵というよりは味方としての側面が強くなったのではないかと私は考えています。


【概要~森の愉快な信者達~】


 ツァトゥグアには自然の中に住む獣達に広く信仰されてきた歴史が有ります。サーベルタイガーやある種の猫、それにゴリラやチンパンジー、ナマケモノ。その中には人類と類人猿との共通の祖先も居たのかもしれません。

 最近、ゴリラ小説がカクヨムで流行っていましたが、クトゥルフ×ゴリラということで、ツァトゥグアの信仰する邪教の司祭がゴリラで、人間たちを生贄に捧げていたんだとかそういう与太話を書いて参戦するのも良いかもしれません。人間ばかりが神を持つと思うなよって奴です。

 他には蛇人間と呼ばれる超古代文明の担い手達もツァトゥグアを篤く信仰していました。それだけではなく、ツァトゥグアの子孫である獣人ヴーアミ族もかの神の強力な信奉者です。


 獣達から多大なる信仰を集め、知恵をもたらしたツァトゥグア。人間の想像を超える強大な力の持ち主ではありますが、あくまで自然の掟に乗っ取って暮らしていたのだと思われます。必要なだけ食べ、互いに恵みを施し合い、大いなる星の生命の循環の中で神としての己を謳歌する。そんなイメージが浮かびます。美少女化した場合はちょっとダウナーなぽっちゃり美少女になったとしても何もおかしくはありません。けもみみしっぽは標準装備です。


【概要~どこから来たの?~】


 祖父(すなわちアザトースの息子)にあたるクグサクスクルスに伴われ冥王星へ、続いて海王星へ、そして土星でシャンタク(鳥の方ではありません)との間に子供を作り、過去の地球へと連れてこられたとされます。

 親族関係に関してはクラーク・アシュトン・スミス氏とラブクラフト御大の間で説明に齟齬が有るのでここでは詳しく説明はしません。清く正しい邪神の血統であることだけ抑えてもらえれば結構です。


 かくて地球の大地に立ったツァトゥグアですが、やってきたのは地表ではありません。地下世界です。この地下世界に逃げ込んできた蛇人間達が最初の信者となるのです。ツァトゥグアは持ち前の気前の良さで人気を得て地上へ進出、現在の北欧近辺でヴーアミ族と共に一大勢力を築いたのでした。

 ちなみに蛇人間達は祖先であり蛇神であるイグに嫉妬されて、この後に衰退します。可哀そうですね。


 先程も紹介しましたが、信者の中でも特に有名なのは「エイボンの書」を弟子に著させたエイボンでしょう。彼はことあるごとにツァトゥグアに命を救われ、その知恵を受け取り書物の形で後の世に継承させました。案外古代人の方が、人類がこの星の支配者だなどという下らない思い込みが無い分、邪神と上手くやれていたみたいですね。今の時代でも上手く(生け贄を確保)すれば良い関係を築くことができるのではないでしょうか。え、そんなこと言う奴はSAN値が削れている? 気のせいですよ。私は正気です正気正気正――――


【最後に】


 ふう、お騒がせいたしました。私の身には何も無かった。良いですね。


 ともかくツァトゥグアは結構親しみやすくて大らかな良い神様です。ここのところの創作で取り上げられないのは恐らく他の神性に比べて地味だからなのではないかと思っています。


 ただ、地味に見えるのもぶっちゃけ書き方次第と言いますかなんといいますか。少し思いついたことが有るので今後の中編や長編の題材に出していくかもしれません。ドラえもんみたいなノリでツァトゥえもんしたらそれだけで笑って泣ける日常系ほんわかコメディー的な何かとか、ラヴクラフトコメディー的な何かとか、邪神任侠では中々かけないほんわか系のものにも挑戦したいんですよね。


 野生や獣の要素に焦点を当てて、肉体派ビースト邪神みたいなノリも有りだと思います。ニャルばかりに獣要素ぶん取られてはたまりませんし、何よりツァトゥグアだと大自然の味方って感じがしますからね。


 というわけでツァトゥグア回はこんな感じで〆とさせていただきます。


 皆様くれぐれも次回まで闇からの囁きに耳を傾けぬよう。


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 けもーたりぜーしょん / DEN助 http://seiga.nicovideo.jp/comic/28438


 今回イラストをプレゼントしてくださったDEN助様がニコニコ静画で書いてらっしゃるけものフレンズの二次創作です!

 見たことの有るフレンズ達が、車を作り上げている姿はキュンキュン来ます。モーターショーにきれいなお姉さんが付き物な理由もよくわかりますよ。

 個人的にはフェネックちゃんが色っぽすぎるので絶対にかれぴっぴが居るんじゃないかと不安になってますね。ともかくぜひ見て下さい。可愛い全開で全年齢対応です!

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