第10回 ヨグ=ソトースってなぁに?
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【初めに】
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……さて妄言はこの辺りにして今回はかの有名な外なる神“ヨグ=ソトース”について解説していきましょう。
今回は外なる神の副王であり、時間を司る強大な邪神であるヨグ=ソトースが、如何なる存在なのか簡単に大雑把に面白おかしく紹介させていただきます。
【概要~時を操る神々の副王、真理の体現者~】
クトゥルフ神話の中でも特に強大な力を持つ外なる神。彼らの中でもアザトースに次ぐ地位と力を持つ副王がヨグ=ソトースです。
時間、空間、そして様々な魔術を操る神とされています。TRPGでも安心と信頼の「彼が望む呪文全て」です。アザトースが理性を保っていた頃は、もしかしたら彼のように好きなように呪文を扱えたのかもしれません。とはいえアザトースは今の時点でも宇宙全体に自在に命令が出来るわけですが。
時間を進める。時間を止める。空間を作る。空間を繋げる。なんでもござれのヨグ=ソトースは中々直接会うことは出来ません。仮に会うとしても、銀の鍵を用いて究極の門と呼ばれる場所にたどり着いた時でなくえれば話も聞いてもらえません。
そもそも、この神はあまりに存在が偉大すぎるせいで、我々人間の世界には中々干渉できません。TRPGだとキャンペーンなんかの最終回に登場させるくらいがちょうど良い大物です。
【概要~お前もママにしてやろうか! 人間編~】
邪神界のベストファーザー賞受賞者。それがこの邪神です。外なる神の副王という立場にも関わらず、結構簡単に儀式で降臨して、結構簡単に人間の女性をママにしてしまう困った奴なのです。
ですが、父親としての実力(?)は確かで、人間相手であっても非常に優れた能力を持つ子供を作っています。
まず“ダンウィッチの怪”という作品ではラヴィニア・ウェイトリーというアルビノ美女相手にウィルバー及び怪物そのものの弟を生ませています。
更に皆大好き“デモンベイン”では世界最強のロリ魔術師ネロ相手に、皆大好きグリリバボイスことマスターテリオンを生ませています。
妊娠だけは確実にしてもらうという気概を感じますね。
ラヴィニアの子供達がいずれも醜い姿であったのに対し、マスターテリオンが
鋼屋先生の所属するニトロプラスは基本的にクトゥルフ大好き集団なので、勿論その辺りに関する何がしかの考えが有ると思われます。
まずラヴィニアの属するウェイトリー家の魔術知識は不完全でした。作中でそう推察できる描写が幾つもあります。しかも生まれた双子も弟は知能に欠け(とはいえ魔術は理解していましたが)、兄は早熟な天才児で拳銃の達人こそあったものの、一つの生物として見れば弱点や欠点としか思えない特徴が幾つも有りました。しかも最終的には犬にやられます。犬です。わんわんです。
なんにせよ、真理を体現する存在の血を受け継いでおきながら、かくも弱く不完全であるというのは何かおかしい気がするのです。私が思うに、真理とは美しく、無欠でなくてはなりません。真理そのものである神の血を受け継ぐ存在がかくも不完全というのはおかしいと思いませんか?
今問題にしているのは外見の美醜ではありません。生物として不完全なことが問題なのです。生物として完成された美しさ……と言って理解してもらえるかわかりませんが、理に適っている存在でないことは明らかにヨグ=ソトースの性質にはそぐわないように思われます。
ここで比較対象としての
マスターテリオンは母親が最強の魔術師です。不完全な魔術しか知らないウェイトリー家の人間とは違います。それ故に、生まれる子供もまた欠損なき完全なる存在にすることができたと考えることも出来ます。
(あるいはCVグリリバで悪の組織の長なんだからイケメンに決まってんだろうが!という世界の修正力かもしれませんけど)
ともかく不完全な儀式で生まれたが故に、ウェイトリー兄弟は不完全なカタチでしか存在することができなかった。これが差異の原因だと推測されます。
余談ですがウェイトリー兄弟にはもう一人弟が居たという設定の短編が有ります。折角なので名前は伏せておきますが、気になったら探してみてはいかがでしょうか?
【概要~お前もママにしてやろうか! 神々編~】
ヨグ=ソトースは妻であるシュブ=ニグラスとの間にも多くの子供を設けています。実態の分からないことに定評の有るナグとイェブという双子の邪神。それに加えてハスター、クトゥルー、ブルトゥームの三柱の神が主な子供です。
ハスターは名高き風の旧支配者、クトゥルーも言うまでもない有名な旧支配者。
そして最後のブルトゥームですが、火星に存在するとされる花の姿をした神格です。前にも紹介いたしました「探索者達~鈴森君の場合~」やでも登場しているので、どのような神格か気になる場合は是非読んでみてください。
更に蒼鬼さんの「邪神様とご飯!」では可愛いショタとして隕石と共に降ってきて、思いっきり可愛さを振りまいているので是非ともチェックしてくださいね。
リクエストくださればこちらでもふわっとまとめます。
【概要~外見~】
虹色に輝く無数の球体が繋がったような姿をしているとされています。
ですが例によってクトゥルフ神話の邪神は変幻自在にして、不定形な連中ばかりです。このヨグ=ソトースも無数の球体という姿は表面的なものにすぎず、無数に存在する様々な次元のいずれにも存在し、同時に存在しないという非常に複雑で曖昧な存在なのです。
その存在の強大さ、そして曖昧さ故に、ヨグ=ソトースは我々人間の居る世界には中々干渉できません。だから、この世界に干渉する手段として人間の(美)女相手に子供を作るという
【概要~信仰の形態、そして召喚~】
ヨグ=ソトースは知識と時間を自由に操る神として、地球でも多くの魔術師に信仰されています。
彼ら魔術師は、様々な魔術の知識と時間を操る能力と引き換えに、様々なものを捧げます。生け贄としては牛馬などの家畜がメジャーです。そして混血の落とし子を得る為に女性を捧げることも喜ばれるようですね。
この神を直接召喚する場合は収穫祭の有る八月朔日か、ヨグ=ソトースの妻であるシュブ=ニグラスの祭日にもなっているメイイブが良いとされています。この時の生け贄は特別で、知性有る存在でなくてはならないそうです。
召喚する場合はイギリスのストーンヘンジのような環状列石、あるいは石の塔を用意するのが良いとされています。かの有名な魔術書ネクロノミコンによれば、石の祭壇を巨大な石によって取り囲んだ場所が、儀式によって門となるのです。詳しい儀式の内容が気になる貴方はネクロノミコンをお買い求めください。SAN値の保証はいたしません。
もし首尾よく儀式の準備を整えることができたとしても、忘れないでいただきたいことが有ります。こうした契約者達は最終的に精神をヨグ=ソトースに捕らわれて玩具になってしまうのです。銀の鍵を使って究極の門へ挑んだ相手には化身出して事前面接したりと丁寧な応対をするのですが、契約した程度では下等生物扱いしかしてもらえないのです。
ちなみにヨグ=ソトースはミ=ゴにも信仰されています。彼らの間では「彼方なるもの」と呼ばれているそうです。ミ=ゴとの混血は今のところ確認されていません。これはミ=ゴが菌に似た群体生物だからなのではないかと考えています。もしも可能なのであれば、信者がヨグ=ソトースの意思を拒むとも考えられませんから。
【化身】
ウムル・アト=タウィル(アラビア風に呼ぶとタウィル・アト=ウムル)と呼ばれる化身は、ローブを纏った人のような姿をしています。これはこの化身の役割に関係していると思われます。彼は銀の鍵を持つ人間の前に現れ、彼が究極の門を越えてヨグ=ソトースの本体に出会う資格が有るかどうかを見極めるそうです。
ですから、単に強大な神というだけでなく、探求の旅の果てに出会う裁定者としても申し分ありません。先ほどTRPGセッションのキャンペーン最終回にちょうど良いと言ったのにはそういう理由も有ります。
このウムル・アト=タウィルは普通に接触している分にはSAN値の喪失は有りません。ですがローブを剥いだ瞬間に伝統と信頼の1d100のSAN喪失が発生するため、シナリオを回すKP的にはタイミングを操りやすく大変扱いやすい仕様になっております。
一説によるとこの化身はヨグ=ソトースではなく、彼と接触して真理に到達した只の人間なのだそうです。彼がもし、自らと同じように到達する者の為に真理と現世の間に立ち続ける孤独な魔術師ならば、それだけで何か一つの物語が書けそうな気がしますよね。
他にもヨグ=ソトースの怒りを買った者を裁く為の化身としてアフォーゴモンも有名です。この邪神はヨグ=ソトースの怒りを買った者にのみ姿を表し、そのものを鎖で縛り付けて焼き払うのだとか。日本では未訳なのが残念です。少し検索をかけると英語版ならば見られると思いますのでよければ読んでみてはいかがでしょうか?
【最後に】
という訳でヨグ=ソトース回でした。
何かエロ漫画世界からの刺客みたいな紹介をしてしまいましたが、決してそんなことはありません。とても真面目な時間と空間を操る偉大な神様です。
でも透明になったり都合よく時間を止めたりって凄くエロ漫画の竿役ですよね。ここまでエロいと雨だれになったり鳥になったりして女の子の元に通い続けるギリシャ神話のゼウスを思い出します。
ギリシャ神話のゼウスも、本来の姿で人間の前に現れた結果、それを目にした人間が死んでしまったという逸話が有るそうですが……案外我々が知っている一般的な神々とクトゥルフ神話の邪神の間には大きな違いなど無いのかもしれません。
それではまた会う日まで、くれぐれも深淵からの囁きに耳を傾けないよう、お気をつけ下さい。
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