第5話 時間は進むよ何処までも

入学式の次の日、つまり今日は授業とは名ばかりの自己紹介祭りだった。

例えば国語の先生。30歳くらいの先生で、愛読書は漫画。それもどろっどろのアダルト漫画だと言う。卑猥な発言も結構してたし、なぜ今セクハラとかで捕まってないのか不思議なレベルである。これが小説の世界でよかったな。

次、数学の先生。これは担任の白鳥先生だったので割愛。

次、英語の先生。ハイフ先生なので割愛。

次、理科の先生。24歳のたぶん一番若い先生だ。性格は「何事にも熱心に取り組み、全力を尽くす」らしい。自分で言っていた。

まぁ、この先出番はそうそうないだろうし、残りの先生も割愛させていただく。割愛って、便利だね。



――――――



そして放課後。射撃部への入部届を出しに7組と同じ階の反対の角にある、射撃部室へとクロと一緒に行っているところだ。


「射撃部って何するんだろうな、やっぱ銃撃つのかねぇ」


撃つだろう、射撃なんだし。


「さすがに実弾じゃないよな…いや、でも神様パワーとやらでどうにかしている可能性も…」


まあ、実際に確認してみればいいだろう。ちょうど着いたし。


「なんかいやだなぁ…開けた瞬間バーン!みたいなことにならないかねえ」


さすがに大丈夫だろう、開けるぞ。


ガラララ

バヒュン!!


…いま顔のすぐ横を何か小さいものが通ったような。


「だから言ったのに」


「ごめんなさいね、手元が狂ってしまって」


ん?この声には聞き覚えが…


「あら?シロさんとクロさんではありませんの。しばらくぶりですわね」


「うげ、最悪だ…」


アヤカ!アヤカじゃないか!


「うふふ、クロさん?最悪とは…どういうことかしら?」


「ヒッ、い、いや、そのですね…」


彼女は平等院びょうどういん彩華あやか

名門平等院家の一人娘で、俺を慕ってくれている可愛いやつだ。綺麗な黒髪を、お嬢様の代名詞といっても過言ではないツインドリル的なあれにしている。クロと同じ時期に知り合った、幼馴染の一人だ。これにクロの妹を混ぜて昔はよく遊んでいた。

一応言っておく、ここまでの説明でわかると思うが、俺は髪フェチだ。


「まぁ、可愛いだなんて…うふふ」


なぜか俺の考えていることが一部筒抜けだが、これも愛のなせる技だろう。


「人の前でいちゃつきやがって…なぁアヤカさんよぉ、ハイフせんせぇはどこにいんの?」


「いきなり本題に入るのはあまりモテませんわよクロさん。ハイフ先生ならもう少ししたら来ると思いますわ」


「そんなことでモテなくなるのか…」


「まぁあなたは、何をどうしようともモテなさそうですわねぇ、ふふふ」


「あまりそういう心にクルことは言わないでくれ…」


「うふふ…。そうですわ、せっかく三人集まったのですし、ここはひとつ、思い出話でもしませんか?」


いいな、そうしよう


「まぁ、アイツが来るまで何もすることないし、いいか」


そうして俺たちは、思い出を語り合った――――

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