第43話
翌日。
襲撃の時の疲れも抜け、空も晴れて良い天気となり次に襲われた時に備えるため達也たちは加耶・綾・紗奈の三人を連れサバゲ部で使っている旧校舎へと向かっていた。
今は冬休みの時期で寮に残っている生徒もわざわざこちらへ来る物好きもいないだろうと考えての事だった。
「そうだな、まずはお互いの実力を知るためにも軽く三対三の模擬戦でもしてみるか」
「模擬戦?」
京也の提案に綾が疑問を抱く。だがそれは、否定的な気持ちからでは無く純粋に気になったからだった。
「まあ、変に身構えないで普通のサバゲだと思ってやってくれれば問題ないよ」
「分かった」
「私もいいよ」
加耶と綾、紗奈の了承も取れた所で京也はルールを決め始めた。
「使っていいのはハンドガンだけな。あとこの人数で三階もありにすると広すぎるから北側の校舎の一階と二階だけにすっか。どっちかのチームが全員ヒットするまで続けるって事で」
異論がでないことを確認し、男女で別れて更衣室に入ってサバゲ用の服に着替える。サバゲ部員でない加耶と達也、真央は綾たちサバゲ部員に服を借りることにした。
「ブレンないのかブレン」
着替え終わった後、自分のエアガンを持ってない京也たちは部室に置いてあるエアガンを借りる事にしたのだが普段使っているブレン・テンのエアガンを探していると呆れた目をして見ていた里香が言った。
「そんなマイナーな銃のエアガンなんて持ってる人いないって」
部活動中に部員が使っている銃を把握していたのでこの部室にブレンが無いことを知っているのだ。
「確かに売れなかったけど、それはマガジンとか弾の問題のせいだっての。実際俺が使ってるブレンは素直で言う事をよく聞く銃だ」
「はいはい」
京也のブレンに対する思い入れは何時もの事なので飽きれつつも適当にあしらいつつ、一緒になって京也が使うエアガンを探すのを手伝う里香。
「これなんてどう?」
無増加に置かれていたCZ75を見つけ京也に渡す。
「お、いいな。これにするか」
そう言いながら慣れた動作でマガジンを抜いてチャンバー内に弾がないか確認し、人のいない方に銃口を向けて空撃ちしてハンマーを下ろしてマガジンを差し込む。
「じゃあこれの予備マガジンとホルスターも探すか」
綾と里香に手伝ってらい探している京也の隣では加耶と真央がエアガンを選んでいた。
「私はこのG19使わせて」
普段使っている銃と同じ物があった真央は直ぐに決められたが加耶は銃に関しての知識がないために選ぶのに時間がかかる。
そして、綾や紗奈に意見を聞きながらハイパワーを使うことになった。
使うエアガンも決まりマガジンにBB弾を込めたりと準備も滞りなく終わり
「じゃあ時間無制限、殲滅戦。30分からで」
京也はそう言い残し綾たちと腕時計の時間を合わせて自身たちのスタート位置である二階の隅にある教室へと向かった。
綾たちは京也たちが向かった教室とは正反対に位置する一階の事務室からのスタートとなった。
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