第42話

翌日の昼過ぎに一人部屋の京也の所に全員集合していた。

 加耶の所には里香と紗奈に一応一緒に来るようにと頼んでいた。

 最後に綾が来ると部屋の主である京也が言った。


「まあ、何の為に集まって貰ったか大体わかっているだろうが、改めて言うと今日は昨日あったことについて話し合う為に全員を呼んだんだ」


 京也の部屋に集まった、加耶・里香・真央・綾・紗奈を見渡した。


「まず綾たちに聞きたいんだがアルケミア社側の戦力は、どれくらいなんだ?」


「社長とかその家族なんかを護衛してるのが全部合わせると百人ぐらいかな。俺らもここに入る訳だが」


 綾が思い出しながら言う。


「そんで、荒事があった時に対応したり強襲したりする強襲部隊がいるんだが俺が知ってるだけで五百人ぐらいはいるな。俺たち護衛部隊とは仲良くなくてな、詳しい事は分からん」


 すまなそうに、それでもしっかりと綾はそう伝えた。


「多分実際に襲ってくるのは、多くても三百人ぐらいだと思うよ。社長に賛成してる人とか、私たちと関わりがあるような人もそれなりにいるからね」


 神社襲撃の時に統率が取れていなかったり、何百人という大人数でなかったのはそのおかげだと紗奈は言う。


「そうか・・・それは何よりだ。そんな数を相手にするのは無理があるからな」


「でも一つ気になることがあるんだよな」


「なんだ?」


 その一言に京也は疑問を持ち聞き返すが、紗奈には通じたらしく綾の変わりに紗奈が答えた。


「私たちの知る限りアルケミアにはマナは居ないはずなの。噂なんかも聴いたことないし」


 仲が良く無いとはいえお互いにマナがいればその情報が伝わるとの事だった。


「そうか、もしかしたら誰かが口止めしてるのかもな。それに元日の日に神社で襲撃してきたのも気になるな。何処から足がつくか分からないのにあんな人目につく場所てのは・・・」


 そう呟き京也は少しの間黙って考え込んだ。


「そういえば加耶はその社長を継ぐ話は受けるのか?」


 考えても答えに近づけなさそうだったので京也は考えるのをやめ気にしていたことを聞いた。


「うん、どこまで行けるか分からないけど私を支えてくれる人も応援してくれる人も沢山いるからね」


「てことは、現社長の体調が戻って加耶が次期社長だと正式に決まるまでか」


「うん、それまでよろしくお願いするね」


「加耶にも護身術ぐらいは覚えてもらうぞ」


「最低限自分の身は守れるようにしないとね」


「そうだな。里香頼めるか?」


「うん、いーよー」


 護身術程度なら狙撃手である里香でも問題なく教えられると判断し、里香に頼んだのだ。


「それじゃあ明日から訓練てことで、今日は昨日の疲れを抜く為にトランプかなんかで遊ぶか」


 先ほどまでと違い年相応の顔に戻った京也にそう言われその後は全員でババ抜きやポーカーなどをして楽しんだ。

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