第41話

 そして、そのまま無事に浜白高校まで帰ることが出来、その道中で電車を乗り継ぎする時に京也は夕夜に電話してお互いの無事を確認をとっていた。夕夜の方には車やバイクで追って来た敵も居たようだが無事に撒くことが出来、もう浜白の近くまで来ているそうだ。

 その事を聞いた京也は安堵し真央や綾たちにも今聞いたことを教えた。


「そうか、みんな無事か・・・」


 それを聞いた綾は緊張をとき大きく息をを吐いた。

 真央も態度には出さないものの穏やかな雰囲気となっていた。

 そして、そのまま電車に揺られ続け無事に浜白高校の最寄りの駅に帰ってくることができた。

 浜白高校につくと正門の前に車が止まっており、京也たちが近付くと中から夕夜たちが出てきた。

 車に戦闘の後はなく、神社をでた後は襲撃されなかったらしいことが見てとれた。

 無事に再会できて里香と紗奈や加耶は嬉しさのあまりに瞳を濡らしながら喜んでいた。

 陸と空は母親の朝昼は海の元へと寄っていった。


「お互い無事でよかったですね」


 京也がこの場の全員の安全を確かめるように見渡している夕夜に近付いて話かけた。


「そうだな、今回は何とかなったがこれからは奴らも今回のことを踏まえて行動してくるだろうからな。気をつけろよ」


 夕夜は幼い頃から京也の先生として銃の使い方や戦い方を教えてきたこともあり少しだけ京也を自分の子供のように見ている部分もあるゆえに心配もしていた。


「そうですね、今回は夕夜さんたちがいてくれて助かったけどこれからは俺たちで守っていかないと」


「ああ、頑張れよ」


 それから、喜び合っていた里香たちを集めこれからどうするか話あった。

 その結果この騒動が終わるまで加耶は一人で出歩かない、夜出歩いたりや人気の無い場所には行かないなど約束事を決めたのだった。


「それじゃあ、俺たちは帰るよ」


 その様子を見ていた夕夜だったが無事に話し合いが終わったと見ると夕夜たちは帰って行った。


「今日はありがとな」


 夕夜たちの姿が見えなくなった頃、綾が礼を言った。


「きっと俺たちだけじゃ、こんなにうまくは行かなかったよ」


「気にするな、俺たちはやるべき事をやっただけだ」


「これからは京也にも練習に付き合って欲しいんだが・・・」


 現状でも真央が教えてはいるのだが二人相手に一人で教えるのにも限界があり、片方に付きっ切りで鍛えるという事もできないのだ。

 今回の事で不甲斐なさを感じた綾は京也に教えを請うたのだ。


「そうだな、分かった」


 京也は昔、自分も技術が拙く他の人に手助けされ悔しい思いをしたことを思い出した。


「私にも手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」


 自分の得意とする分野が狙撃の為、直接教えられることが少ない里香も手伝うと進み出た。


「ま、取り敢えず今日はこれで解散しよう。みんなも新年早々大変な目にあって疲れただろ」


「あ、そういえば今日から新年だったけ」


 自分の服装を見ながら里香が思い出す。


「新年早々ついてねえな、俺たち」


「逆にみんな無事だったんだし、ついてたって考えてこれから頑張って行けば良いんだ」


「そんなもんかね」


 綾の悲観的な言葉も京也がフォローして励ました。

 そして、男子寮と女子寮とで別れる所まで全員で一緒に進み京也たちはそこで別れた。

 自室に着いた京也は今日の事件やアルケミア社の話を聞こうと藤堂の所へと電話をかけた。


「よう、なんだ。なんかあったのか?」


 無事に藤堂へと電話がつながり能天気な声が聞こえてきた。そして、京也は今日あった出来事の顛末を語った。


「・・・そうか」


 話を聞いた藤堂は少しの間何かを考えている様だった。


「敵も本格的に攻め始めてきたか」


「みたいですね。元日の神社で襲ってくるとは考えませんでしたよ」


 今日あったことを振り返りながら言う。


「そういえば、ちょっと目を離した瞬間に周囲にいた人達が姿を消したんですが何か心当たりありませんか」


「・・・いや、すまないが何も思いつかない」


 数秒の沈黙の後藤堂が申し訳なさそうに言った。

 その後も細かい話を藤堂としていき、夜も老けて行った所で今日の所はお開きとなった。

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