第34話
「さて、どうするか」
向こうには真央や夕夜たちがいるので任せておいてもとりあえず問題は無いだろうと京也は判断し、まずはここから無事に抜け出す方法を考える。
だが、敵の戦力が分からない以上無茶な賭けにでる事は出来ない。
そこで京也はまずこちらの戦力を上げようと考えた。
「空は刀持ってきてないのか?」
空は銃ではなく刀を好んで使っている。
そして刀を振るう時にマナの力をうまく利用し任務をおこなっている。
「一応と思って持ってきてはいるけどお父さんの車の中に置いてきてるから」
そう言って今は何も持ってないとアピールする様に両手を上げ手を振った。
「持ってきてはいるんだな?」
「うん」
「それならひとまずは、それを取りに行くか」
まず、加耶の安全を確保した方が良いと考えていた里香は疑問に思い口を挟む。
「加耶ちゃんとこに向かわなくて良いの?」
「申し訳ないけど、真央や夕夜さんたちに任せよう。下手に向かって返り討ちになっても意味が無いからな」
「それじゃあ、早くこの状況を切り抜けないとね」
里香はそう言い真剣に考え始めた。加耶以外にも里香と仲良い紗奈や真央などがいる向こうのメンバーと早く合流したいだろうが反論することはなく素直に京也の言うことにうなずいた。
「マナの力で敵をあぶり出せないか?」
「うーん、これだけ広いと無理かな」
人力では出来ないことができるマナも万能の力では無いので、なんでもできるわけではないのだ。
こうも範囲が絞れないと打つ手が無いらしい。
京也も持っている物だけでは今出来ることは限られるため良い手は思いつかない。
そして、里香が着物を着ている事も懸念の一つとなっていた。
「しょうがない、これ以上考えても埒が明かないから上手く切り抜けよう」
これ以上考えても有効な手を打てず、時間を浪費するだけだと判断した京也は三人でお互いをカバーしあいながらこの場を切り抜けることにした。
「俺がまず飛び出して、敵の位置を確かめるからカバーしてくれ」
京也は動きにくい服装の里香を先頭にするわけにはいかず、また自分より幼い空に任せようとも考えなかった。だが京やは決して消去法で考えたわけではなく銃でカバーするよりマナの力でカバーしてもらった方が良いと判断したのだ。
「気を付けてね」
心配する里香や空に少しでも安心させてあげようと二人の頭をかるく撫でてやる。
そして、一呼吸いれ覚悟を決めた京也はブレン・テンのセーフティがかかってないか、ちゃんと弾が装填されているかなどの確認を行ってからハンドサインでカウントダウンを始めた。
そして、カウントが零になったと同時に走り出した。
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