カクヨム「投稿者様の中にイオナズソが使える方はいらっしゃいますか?」

@tiro9

大地が裁く神なる光イオグランテ

ねっとやくざ「たったの5億ぽっちで契約やと!? 天下の角川つのかわサンの期待のサイトやで、20億はいけたはずや。」


バイトリーダー「はあ、営業の側の話なのでなんとも……先方が“なろうぜ”を敵対視しすぎて、アクセス数を操作するプログラムの開発を拒んだとか聞きましたけど……」


ねっとやくざ「そこをねじ込むんが仕事やろが」


バイトリーダー(クチコミ宣伝して、サイト監視して、あとはレビュー書きまくるだけでそんだけふんだくれたんだから十分だろ……)


ねっとやくざ「そんなんでボスサンに報告できんのかいやワレ、これはアレやな、またアレやるっきゃないわな。」


バイトリーダー「はあ、またですか……」


ねっとやくざ「なんやワレ、その入れなくてもいい反抗的な三点リーダーは。おまえカギカッコの最後に。を入れもせんで、この業界がつとまると思とんのかいや? あん。」


バイトリーダー「同一人物だとバレないように書き込みする方法は、ほかにもいくらでもあると思いますが……(つか入れるんなら同じアカウントでは常に入れろよ、だからステマだってバレるんだよあんたは)」


ねっとやくざ「もうええわ、おまえさっさと星爆とレビュ爆つづけろや。」


バイトリーダー「はい。でもこれ以上やるとほんとにこのサイト終わっちゃいますよ?……」


ねっとやくざ「ソレでええんやがな、“もう終わる、もう終わる、わしの人生かけた商売が駄目になっちまうー”って時に、人間ってのは本当に心がコロッといれかわってポンッと金を払うもんなんや。せやろ?」


バイトリーダー「はあ、経験がないもので……」


ねっとやくざ「経験なんぞなくてもわかるがな、あの角川つのかわサンの担当者のツラ、ものごっつい意識高い系そうなツラしとったやろワレ? 担当者の顔よう見とけやあ、仕事ひとじちに取ったら儲けさしてもらえるツラやであれ。」


バイトリーダー「はあ……」


ねっとやくざ「おまえダメやな、そんなんじゃコッチの世界でやっていけへんわ」


バイトリーダー(コッチってどっちの異世界だよ……なろうぜ系か?……)


ねっとやくざ「ええか? みかじめ料(場所代)ってのはな、黙ってたら入ってくるもんと違うんやで? お前、リーマンやめて始めた大切な自分の店がやで、朝起きたらガラスが全部割られとる。それが修理した次の日もや、誰がやったんかはわからんねや、そこいらのチンピラが暴れた拍子に割ってしもたんやな、だが証拠がナイ」


バイトリーダー(この人、一日に三回はこの話するよな……)


ねっとやくざ「金を払えば守ってやれる。店を襲ってくるチンピラどもから、金さえ払ってわいらにお願いしてもろたら、わいらがバッシリ守ってやれる。せや実際、金を払った次の日からチンピラどもはピタッと寄り付かなくなるんや、わしらが守ってるってこと、奴らも知ってるんやな」


バイトリーダー「はい、すごいですね……」


ねっとやくざ「そりゃそうや、チンピラなんゆうんは、みんなうちの若い衆やからなあ、ガハハ」


バイトリーダー(だから知ってるっつーの、マッチポンプだろ? 笑い声まで昭和かよ……)


ねっとやくざ「でも今は無理や、もー無理や。」


バイトリーダー「そーなんですか……」


ねっとやくざ「マッポの締め付けが厳しくなってなあ。暴対法暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律もできたし、もうそんな古いやりかたは時代送れや、戦争に行ってチャンバラやってるようなもんやで。ほんとうに賢い奴いうんはなワレ、今はみーんなネットつこて稼いでるんやで、しってたかワレ?」



バイトリーダー「いえ、しりませんでしたね……(そりゃてめーみたいなのがいるからな……)」


ねっとやくざ「オレオ レ詐欺なんか有名なったけどな、あんな架空請求ゆうんはしょせん犯罪や犯罪、人のすることやあらへん」


バイトリーダー「はあ、そうですね……」


ねっとやくざ「わしやボスサンみたいに手を洗ってカタギになったもんはそれと違うな。どや、比べてみて、わいらの仕事はどうや? ん? いうてみい」


バイトリーダー「角川つのかわさんの会長のわるぐちを延々とネットに書く仕事ですね……」


ねっとやくざ「そりゃ、お前だけの仕事やがなワレ、こっちは命張ってぎりぎりの交渉してんねんで。角川つのかわさん、守って欲しかったらぎょーさん金よこしな、って、相手が気づいてるかもしれへんの承知でや」


バイトリーダー(お前じゃなくて営業がな。つーか営業は俺たちが角川つのかわの会長disってるのなんて知らされてないだろ……)


ねっとやくざ「根性ないやっちゃなあ、お前みたいな根性なしでもできるこの仕事はどうなんや、ってことや。架空請求とどう違うか、って聞いてるんや? どや? どう違う?」


バイトリーダー「こちらは合法ですね」


ねっとやくざ「せやろ? やってることは昔のやくざとまるっきりおんなじなのにな、暴対法よく見てみいやあれ、『縄張り内の営業者に対して用心棒代等を要求する行為ぃ』やてよ、ナワバリとか野生動物かいな、猫かいなうちらは。あいつらほんとは政治家ちゃうてお笑い芸人になりたかったとちゃうか? かなり才能あるんねんでよ、爆笑や。マッポの上のほうのじじいどももプライドと給料ばっかり高くて、実はバカしかおれへんのやであれ、ネットのことなんてなんも知らんもんやから、飛び込むのが怖くて見て見ぬふりや。」


バイトリーダー「まあ、実際に警察が規制できる範囲を考えたら制限がありますからね……法律的にはそれが限界かと……」


ねっとやくざ「でも、ネット上ならノータッチや。用心棒しても自由なんやで、匿名サイトだって運営サンがどうしてもそれをやりたいっていうから、そうしてんのやで、『匿名の維持がお客様全体の希望です』ゆうてな、ガハハ、それ9割わいらのコメントやけどな、ガハハハ」


バイトリーダー「そっすね……(わいらじゃなくて俺一人だろうが……)」


ねっとやくざ「なんやワレ、まだ文句つける気ぃかいな。ステマもステディスも訴えられなきゃ合法なんや。仮に訴えられたとしても、警察にip開示請求されて多額の賠償くるような実行犯は、匿名サイトでわいらの自演とも知らず、祭りに参加したつもりで法律なんぞ一切気にせんバカガキがやってるだけやさかい、わしらは法的にセーフなんや」


バイトリーダー(警察は知ってるかもな……さすがに各国の諜報機関すべての繋がりを避けて俺らだけを駆除するなんてできないし、そんな器用な法律は作れないから仕事をする義務もない。公務員なんてそんなもんだ)


ねっとやくざ「それにな、あの弁護士の件も見てみろや」


バイトリーダー「尊師の件ですか……」


ねっとやくざ「そんなことも知らんとip開示請求なんかしてくるような無能で危なっかしい弁護士は、わしらがやらんでも同業他社が勝手にぶっ潰してくれる、いい時代になったもんやなぁ」


バイトリーダー「日陰にいるうちは、過ごしやすいですよね……」


ねっとやくざ「おてんとうさまに顔向けする必要なんかあらへん、この国ではそれが合法なんやから、ちゃあんと下向いて、自分と相手の足元をじっくり見て“びじねす”すればいいだけや、それが地に足をつけた生活ってもんやでワレ、またフリーターに戻りたいんかワレ?」


バイトリーダー「いえ、そういうわけでは……」


ねっとやくざ「そもそもや、大手を邪魔する理由なんて誰にでもあるんやで? それをこんなちょっと悪意のある奴が脇から手を入れたぐらいでダメになっちまうシステムを使ってるサイトなんてのは、担当者がよっぽどの無能でない限り、ステマや言論弾圧すること前提にデザインされたサイトなんやで? その裏をよう知りもせずに表面だけパクったりするからこうなるんや。わしらはその裏にあるテクを教えてやっとるんやで、テクを! 技術力や、技術力! 20億は授業料も含めてってことやがな、『わしらが必要や』っていう大切な企業秘密をうてもろうためのな」


バイトリーダー「……わかりましたよ。問題がある投稿のアクセス数が伸びすぎてカクヨムが炎上しまくってるって、ブログで書いて上位に持ってきておきますから。あと、またオレオを上げときますね。せめて特定作品のアクセス数ダウンさせるプログラムだけでも実装したほうがいいんじゃないかって線でカクヨム担当とまた交渉をしろって営業部長に言うように、ボスに伝えておいてください……そうすれば、問題作品の監視の人件費を上乗せさせて、もう少し搾り取れるでしょうから……(くそ……なんで俺がまたこんなこと……)」


ねっとやくざ「おうおう、今日も残業ごくろうさまやな、あとで差し入れ持ってきてやるよ」


わたし「話はきかせてもらった」


ねっとやくざ&バイトリーダー「 な に や つ ! 」


わたし「わたしだ」


ねっとやくざ「ワタシだぁ、聞かねえ組じゃねえか」


バイトリーダー(なんだこのAAくさい顔は……)


わたし「わたしの執筆力は日間58万文字だ」


ねっとやくざ&バイトリーダー「なに!?」


わたし「もちろんレビューも書ける」



 こういう感性を待ってた――わたし


 失恋で落ち込んでいた私にも主人公と同じ光が見えました――わたし


 さわやかな気持ちになれる小説です――わたし


 伏線という線に始めて足を引っ掛ける感覚を教えてくれたのがこの作品でした――わたし


 明治の文豪が現代の文法を学んだような言葉の重み――わたし


 ページをめくるクリック音はいつしか私からの拍手の音にかわっていた――わたし


 転生するときに女神から与えられた剣と同等の鋭さを誇るこの世界で唯一の武器が、作者の表現力だ――わたし



わたし「本文などまったく読んでいないのに、こんな言葉がスラスラ出てくる」


ねっとやくざ「採用!」


バイトリーダー「この人、うちの班の配属にしてもらえませんか?……(これでやっと家に帰れる……)」


 今日もカクヨムは平和です。









カクヨム「投稿者様の中にイオグランテが使える方はいらっしゃいますか?」































































担当者「という流れでユーザーのヘイトコントロールをするのはどうでしょう? ブログとかでw」


ネットリーマン「いやいや、そのキャラはちょっとどうでしょうねw 確かにそういう経歴を持つ人もまぁ、たまにはいるって聞きますけどもw ……大地が裁く神なる光――光って、イオって確か爆発ですよね?」


担当者「いやいやw すんません、ただの課長のジョークに付き合ってる奴らが何人かいて、一応、意見きいてみろって流れでw ――で、やっぱり、一部の不正ユーザーの星爆とレビュ爆のせいで名作が埋もれてる――って流れにしておくのが妥当ですかね」


ネットリーマン「まあ、そうですね……どうしても御社で売り出し中の作家以外は下に埋めておいて、出版できる余裕が出てくるまでは他の会社から手出しできないようにしたいのであれば、こちらから提供した今のコースのままそうするしか――としか、こちらからは提案できませんねえ。ただ、投稿してもあまりにも反響がないことでユーザー数が減っていくことのリスクについては、もう少し大きめに見てもらったほうがいいんじゃないかなというのが、こちらとしてはやはり意見としてあるんですね。これまでのサイト運営の経験によれば、の話なのですが」


担当者「いや――それもありますけど、それよりも、埋もれてる本当の理由は、なにより作品を注目させる技術がないから、って事実を突きつけちゃったら、そっちのほうが作家さんの心としてはダメージいくと思うんですよ。なろうさんみたいに露骨にアクセス数を増やしてやる気を出させるって手もありますけど、うちが確保しときたいのはそういうミーハーな層じゃなくて、やっぱそれなりの評価されない期間があっても耐えられる、なんていうんですかねえ、心構えがある人たちですから。そういう人だったら魅せる技術も教えればすぐ学んでくれるし、ちゃんと納得もしてくれるんですけど。ちょっと評価されないから投げ出しちゃうような人たちだけはもう、どうやっても手の打ちようがないってことをこちらも痛感してますんで。うかつにデビューさせて広告打って、でもすぐダメになっちゃう――というパターンになるより、そういう層はむしろカクヨムの段階で切っちゃって、他社さんのレーベルに行ってもらったほうが後々のことを考えるとダメージ少ないんじゃないかっていうのが、うちの上のほうの意見なんですよ。――先生、先生っておだてて書かせ続ける時代でもないですしね」


ネットリーマン「ほほう。じゃあ、あの“先生ーっ”、って呼ばれるのは作家のかたたち特有の事情があってのことなんですね」


担当者「えぇ、そうやっておだてていけば書いてくれる人も多いといえば多い――のかなぁw とは思いますけど、そういうのってどんどんエスカレートしちゃうんですよね。私も昔はそういう“大先生ーっw”につかされましたけど、付き合うこっちの精神状態がやばいことになっちゃった担当の側もいるんで……やっぱり、やるならまともな精神状態で仕事したいですから。お互いに、ですけどw」


ネットリーマン「なるほど、そういう事情でしたら、アクセス数の低迷によるユーザー流出を軽く見ている部分も納得できますね。だとすれば、あとはトップページに並ぶ作品のレベルをどの程度で保つか、といったところですね、これは直にカクヨムブランドの評価に関わってきますから――」


担当者「ああ、そこもそれほど気にしなくていいんですよ。よほどでなければトップページ作品の質は高くないほうでいいと思います。トップ付近、まあちょっと下ですかね、そのあたりにたまに面白い作品があればいいかなーくらいなので、それは内定した売り出し中の作家さんたちになんとかさせますから」


ネットリーマン「はあ、それは――なぜかというのは? よろしいでしょうか」


担当者「まあ、ネットで無料で読める作品が購入した本と同じ面白さだったら、誰もお金なんて支払わないですから。せめて探す手間くらいはかけさせないと、逆に出版部の首を絞めちゃうんですよね。それに、カクヨムでデビューを目指すわなびさんたちにも本を購入してもらいたいなー、っていうのが本音としてはありますので、あの人たちって、自分が投稿するコンテストの過去の受賞作をけっこう買うんですよ」


ネットリーマン「ほー、それは意外ですね」


担当者「私も昔は知らなかったんですが、大賞作品で売り出した本の売り上げの増加率って、結構これに左右されてるらしいんですよ。章そのものの重さってやつですかね、これを抜かすと普通に売り出したのと変わらないんじゃないかってジョークまであったりw なので、トップページにずっとあって、カクヨム読者の誰もが昔から知ってるような作品を出版――というのも、そんなに良くはないんですね。書籍として出してしまえば挿絵もありますし、“まだ読んでないな”っていう人なら、万全な状態で読もうって思って、買ってくれる人もそれなりに見込めます……かなー、って具合なので」


ネットリーマン「なるほど、カクヨムの読者を客として手放したくない――ということですね、はい」


担当者「まあ、カクヨムもボランティアじゃないですからw」


ネットリーマン「まあ、そうですねw ……まあ……まあw」


担当者「なので、ブランドとしての評価は“カクヨム出身の書籍を読んでくれーっ”、というつもりで行こうという話にはなってますね」


ネットリーマン「わかりました。今後、作品のレベルが低いという指摘が増えてきた場合には、書籍版を見ろ、買えという返し、これで行くように今からすぐ伝えておきましょう」


担当者「ええ、助かります。まあ、トップ付近は他社のスカウトもチェックしてますからね。サイト開設の理由からして、それを避けながらうちで確保して内定させた作品だけを独占的に宣伝させることですからね。まあ、それ以外はおまけ程度に思っておいてください」


ネットリーマン「わかりました。えーと、では総括すると、ユーザーには餌を与えずに保留でよし――っということで」


担当者「なんか、そう言うとペットみたいですねw」


ネットリーマン「たしかにw」



































































































































ネットプロ「よう、帰ったかネットリ。首尾はどうや? 角川つのかわの奴らに計画んこと気づかれとりゃせんよなあ?」


ネットリーマン「いえ全く。全てはユーザーのファン心理という都合のいい言葉だけで誤魔化しているのに、まったく疑いすらしていませんよ、天下の角川つのかわが拍子抜けですね。――まあ、ですが念のため、こちらで一部のアカウントに人気を集中させることもあると、それとなく伝えておきましょうか? 計画がバレたときの言い訳が格段にし易くなるので、私としては軽くでも言っておきたいんですがね」


ネットプロ「余計なことせんでいいわ、ばれるなんちゅーときは角川つのかわとおさらばする時だけや、おいダッシュ、そっちは準備ええんやろな?」


バイトダッシュ「もちろんですよプロデューサー――今やっと1320個目のアカウントでのレビュー投稿予約が終わったところです――はあ、これだけずっと自分で自分を褒め続けてると、なんだか頭おかしくなってきますけどね――昨晩なんか、ほんとにボクが天才作家になった夢を見ましたよ――」


ネットプロ「それでええんや、お前は他のやつらと違って才能があるんやからな。角川つのかわとの本契約の金が入ったら、レビュー書きはぜんぶ別の奴ら雇ってやらせるけえな。そうなったら、お前は執筆だけに没頭すればええんや、小説家になるっちゅうお前の夢を叶えたるけえな、もう少しやで」


フォトショ姫「それでー、アタシ作者さんのフリするのはいいんだけど、この設定資料集とかいう辞書? これ暗記とか絶対無理だからー、なくさないですか?」


バイトダッシュ「な、ななな何を言い出すんだなキミは! ――それはボクの命より大切な血と汗と涙の結晶だよ――計画が実行されれば、純金よりも高い値段を生み出すんだよソレ!」


フォトショ姫「いやだってこれ、黒歴史ノートとかいうのが太っただけでしょ? ほんとうにこんなの売り物になるんですかねぇ」


ネットプロ「そこがわしらのすごいところやけえ。最初から売れる商品なんて、どんなバカに売らせたって売れるんや。ところがどっこいしょ、わしらは逆や、本来なら売り物にならんようなもんを担ぎ上げて高値で売る! それがビジネスや、アイドル業っちゅうな!」


ネットリマン「角川つのかわのビジネスのサポートをする裏で、我々も立場を利用して偶像を生み出させてもらう。カクヨムから生まれた天才作家アイドルをね。他の作品が足元にも及ばないようなファン数、レビュー数を不正なサポートなしで自力で叩き出してしまう怪物。私たち監視会社からの報告により、それは真実彼女の実力であるとみなされるでしょう。これには角川つのかわだって頭を下げざるを得ない。ですが、彼女は角川つのかわとの契約を散々しぶり、思わせぶりな言動ばかりして振り回したあげく、最終的に生み出す利益はすべて我々が独占する。そのための布石は万全です。すべての奇行は飛び抜けた天才だから仕方ないのだとユーザーたちはまことしやかに呟くだけ。ふふ、精神がおかしくなるまで大先生におべっかを使う生活、もう一度あのひとに味わわせてあげましょうかねえ」


フォトショ姫「ほんとにうまくいくんですかー?」


ネットプロ「だからお前が一番心配なんじゃけえ。なんも気にせずにどーんと構えてりゃいいんや。ハンコク流だとか、枕営業48だとか、そんなアホな自作自演にも気づかなかったバカな国民やで、こんの巧妙なわしのプロデュース作戦に気づくわけないやろ」


ネットリマン「ほんとうですね。こんなあからさまに怪しいレビューの動きなのに、互助会のせいだとか、一部のユーザーが不正に手を染めているだとかいう噂をちょろっとネットに流しておくだけで、すべてそれで思考停止して片付けてくれるんだから、ずいぶんとおめでたい思考回路をした民族ですよ。そのうえで他人が褒め称えるものは無条件で高く評価して、そのためにお金まで使ってくれる。フフ、愚かしいほどに愚かだ。――それよりもダッシュ君、私が心配なのはキミですよ。いいんですか? 本当に自分の顔で舞台に立たなくても。作家という種族は先生とあがめられないとモチベーションを保てないと聞きましたが……」


バイトダッシュ「いいんですよ、ゴーストでも――ボクの顔なんてさらしても世界の恥になるだけだし、もうボクもいい歳だし。作家は若い女の子っていうことにしといたほうが売れるんでしょ? ボクはこの設定資料集が――これが一円でもいいからお金になるっていうのが嬉しいんだ。五味家ゴミケに持っていっても一冊も売れなかったこの――fight/sugoi nightファイト・スゴイナイト――の設定本が、ようやく一円でも稼いでボクに親孝行してくれるんだと思ったら、もう――ボキュはそれだけで――」


ネットプロ「夢やったんやなあダッシュ。いいんやで、今は泣いていいんや」


わたし「話はきかせてもらった」


ネットプロ&ネットリマン&バイトダッシュ&フォトショ姫「 な に や つ ! 」


わたし「わたしだ」


フォトショ姫「なにこのヘンな顔、ちょっとあぶない系かな? 大麻でストレス軽減したほうがいいょ~」


わたし「カクヨムのランキングに不正がみとめられました」


ネットリマン「おやおや、なにを見て不正と言っているんだね? キミの目は少しブルーライトで疲労しすぎてるんじゃないかな?」


わたし「怒らせていいんですか? 使いますよ。イオグランテ。しかも、わたしの執筆力は日間58万文字だ」


ネットプロ「なにがイオグランテじゃ、カクヨムに仕込んだ、“このライトノベル以外がすごい!”機能でお前の書いたもんなんか駄作の海に沈めてやるわ」


わたし「無駄なことだな」


ネットプロ「なんやて!?」


わたし「わたしのPVはすでにゼロだ」


ネットプロ「せやか」


バイトダッシュ「そ、そうやってボクを泣かせる気だね――」


わたし「しね! 大地が裁く神なる光よ――イオグランテ!」


ネットプロ「ぐわっ、まぶしっ……ん?」


フォトショ姫「……何もおきないね」


わたし「運が良かったな」


ネットリマン「どういうことですか?」


わたし「出社しないと新しいバイト先に遅刻する時間だからここまでだ」


ネットプロ&ネットリマン&バイトダッシュ&フォトショ姫「早く行けよ」

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