文倉佰物語
深知識乃
000 懐疑性アナロジー
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世界は怪異に満ちている。
都市伝説、怪談、民話、伝承。様々に語られるそれらは、現象であり、物品であり、人であり、霊魂であり、妖怪であり、事件であり、魔術であり――各々の姿を持っている。それらは人知を飛び越えた先にあり、ぼくたちは、怪異に触れることでただぼくたちの矮小さを突き付けられるにすぎない。
多くの人は尻込みし、手を引いてしまうような有象無象。
けれど、それら怪異に触れ続ける者もいる。ごく少数だが、確かにいる。彼ら彼女らについて、ぼくが抱く感想はただ一つだ。怪異に好んで接触を続ける人間は、もはや怪異だろう。
自ら怪異に慣れ親しむ人間は頭がおかしい。自ら怪談を蒐集する人間なんて、心の
つまり――ぼくの友人は、怪異ではないか。
これはぼくの友人が語った、友人の見聞きした物語だ。友人が見聞きした怪異譚。友人だけが語り部の佰物語。最初から最後までたった一人の手によって綴られる佰物語だ。
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