現出
あの後、学校での僕は突然クラスカーストの上位に謎の昇進をしてしまい。
陸上部、野球部、ハンドボール部、ラグビー部等々数々の部活からは、授業の合間の休憩時間に、ひっきりなしにスカウトを受けてしまった。
そのうえどーいう訳か、午後の授業のミニテストでは、大した勉強もしていないのに、妙にカンがさえてすべて100点を取ってしまった。
クラスメートの僕を見る目がわずか数時間のうちにみるみる変わってしまっていることに、自分ではどう対処していいかわからないまま、放課後になってしまった。
「じゃあね~平井くーん!今度どっかでお茶しようね~」
「あっああ、りょうかいです」
「ふふ、じゃあ私バス来たから!後でLINE送るね!」
「ああ.....」
まったくどーなってるんだ今日は?
放課後どういう訳か、カースト最上位であり、地元紙のモデルもしている程の美形の持ち主、クラス委員長の志賀京香に半ば無理やり一緒に帰ろうという流れになった.
バスの窓から手を振りながら溢れんばかりの笑顔を振りまいている。
自分歴史で妹と母親、親戚以外で女性と話した時間、最長記録達成をわずか放課後の30分で更新してしまった。
学校から自宅までは、徒歩で10分くらいの距離、バス通学は中途半端な距離だし、渋滞に巻き込まれると返って通学時間がかかることが、分かったので普段は自転車通学なのだ。しかしあいにく今日は朝乗ってきた自転車が学校で盗まれてしまい、仕方なく徒歩で帰るとこだ、っていうか今日は暑いなあ~~。
ああそうだ、あそこに自販機があるから、ジュースでも買って飲むかな。
その時、頭の中で機械的な声で、英語のような音声が聞こえてきた。
Offensive objective confirmed .......
Analysis mode requested.......
The request denied due to authentication failure
えっなになに?何か頭の中で聞こえてるんだけど、なんだか訳が分からないよ!
疲れてるのかな?
500円玉を入れて、いつも飲んでいるジンジャーエールを選ぶ
ボタンを押すが、何も出てこない
仕方ないな、お金の返金レバーを押すも、何も反応がない
確認のため、商品の取り出し口に手を入れると
次の瞬間、取り出し口に入れた自分の手が何かに掴まれるような感触が走ると同時に針を刺すような強い痛みが指先に走った。
慌てて手を引っ込めると、指先からは5本の指の先から鮮血が流れ落ち、歩道に滴り落ちていくのが分かった。
「痛てええええ!!!!!!」
なんだ!どうなっているんだ!
猛烈な痛みに耐えられず、歩道に倒れこみ蹲っていると、自販機の取り出し口から、緑色の粒のような形のものが地面にこぼれ出しているのが見えた。
そして次の瞬間、緑の細かな粒が、まるで3Dプリンターが、高速でものを作るみたいに何かを形作り出した
ギィ------------------------カチ
ギィ---------------------カチ
ギィ------------------カチ
ギィ------カチ
ギィ--カチ
「やばい!なんかわかんないけど、逃げなきゃ!」
だけど僕は、恐怖で足がすくんでしまい
逃げたいという強い感覚に襲われたが、1歩も動くことができなかった
そして、動くことができないわずか1分程度ほどたち、目の前に、全身がやや緑色がかっている以外、自分と全く姿が同じ形の人間が、現れた。
DNA duplicated process completed
そして少しだけニヤけ気味に、笑うと、僕に高速で掴みかかった。
""Are you there? just shake off his right hand toward 10 o'clock ...he is not ready for bilingual mode yet. Then I ve got to switch my default language to Japanese""
""やっと、言語環境が整ったな""
""左手で10時方向に振り払え""
「えっ誰?」
頭の中から、低い声が聞こえてきた。
一瞬気を取られ、僕は首を強く絞められてしまった。握力が目の前にいる自分みたいなやつに、ものすごい握力で絞められ続けている。
グエェェェーーーーーーー!!!
息ができなくなると同時に、心臓の鼓動がまるで聞こえるような感じで、早くなっているのがわかった。
たっ助けて!誰か死んじゃう!誰か来てくれ!
""だからここにいるだろう!まったく世話の焼けるやつだww、今日の天気じゃ酸素濃度が高めだから大丈夫だ!しかしまだまだ、まだ血糖値の上昇度が足りないな,仕方ない""
request for automatic combat mode ..... the request is allowed
苦しぃ...目の前の景色が薄暗くなっていく、
そう思い死を覚悟した次の瞬間
目の前が緑色のフィルターがかかったようになった。そうあの体育の授業で経験した時と同じように。
僕は、ほぼ無意識に、自分とそっくりのやつの手首を掴み、自分でも信じられないほどの握力で振り払った。
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