起床
あの後、道に倒れていたところを、良くは覚えていないけど、通りかかった女の人に助けられ僕は知らぬ間に家まで送り届けられ、気が付くとベットに横たわっていた。
目覚まし時計がセットしていなかったのか、時計の針はすでに9時30分を指してした。
階段を降りると、掃除機をかけていた母さんが、僕のほうを振り向き心配そうに声を掛けてきた。
「優君!大丈夫?昨夜家を出たきり帰ってこないから、警察に電話したら、道に倒れてたんだって。どういう訳かは分からないけど、その後優ちゃんを保護しましたって、警察じゃなくて厚生労働省の人が優ちゃんを送り届けてくれたんだよ」
とういうと、涙ぐんだ眼をブラウスの袖でぬぐいながら、母さんは僕に抱きついてきた。
因みに母さんは父さんと結婚したのが16歳の時だったので、今32歳だ。しかも母さんはすごい童顔、ポニーテールが良く似合い、外見だけならどうみても大学生くらいにしか見えない。兄姉と間違えられることも良くある。
「母さん、もうなくなよ~大丈夫だよ!ちょっと耳鳴りが酷くなって気持ち悪くなっただけだよ!」
「ほんとう~?もう優ちゃんが倒れたって聞いたときは心臓が止まるかと思ったんだから!お医者さんいく?」
「大丈夫だよ、これくらい!今日もちょっと遅刻になるけど、学校はいくからさ」
「分かった、でもあんまり無理しないね!今日も優ちゃんの好きな唐揚げ作っておくからね!」
「ありがとう」
僕は簡単に食事を済ませると、家を出て学校へ向かった。
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