第9話 封印が解かれる時

ある日の事です。

校舎の東側にある林から黒い煙が上がっていました。

あれはカラス退治をした場所です。

そこから、巨大なカラスが飛び立ちました。

やはり、何かとてつもないモノが封印されていたようです。

行かなくては、私は先生方達と共に林に向かいました。

巨大なカラスにたどり着くとそこには壊れたほこらがありました。

「汝らは我の復活をどうするつもりだ」

「元の場所に封印する」

「汝らに出来るかな?」

私の結論は地神の類が強暴化して昔の人が封印したのでしょう。

皆、同じ結論に至ったようです。

「若干の林への犠牲は仕方ない。各自持てるすべての力で戦え!」

主任の先生が言いました。自体はかなり不味いようです。

「おい、アリス、かなりの大物だぞ」

シータはいつの間にかに付いてきたようです。この不細工猫の力が使えたならばこの程度の地神など簡単に退けられるのに……。


「シータ、お願い、あなたも戦って」

「我にその力が無い事は主が一番知っておるだろ」

不細工猫ことシータはつまらなそうに言う。それでも私は何とかしたかった。

巨大なカラスの攻撃により一人また一人と倒れていく。

「負けそうなの」

「確かにこの面子ではな、本来ならば専門家が封印するべきはずなのだが、一高校の教員ではな無理がある相手じゃ」

「『次元崩壊波』とかあったじゃない」

「あ、あれね、威力が強すぎて我の力が逆流してね、使うと我が黒焦げになるの」

「そんな……」

「手が無い訳でもないぞ」

「え?」

「我を召喚の触媒として使うのじゃ、ほれデイとか言う召喚人形があっただろ、我を触媒にして、あれを再召喚するのじゃ」

でも、デイは瞑屋さんとの思い出が沢山詰まったものなのに。

自分にダメだと言い聞かせて、デイと召喚道具を取り出す。

「ごめんね」

デイは何も言わなかった。

そして、デイを再召喚すると。カラスより巨大なデイが現れる。

デイの左ストレートが巨大なカラスをとらえる。

すると、黒い煙と共に巨大なカラスは消えて行く。

デイありがとう、デイもまた土に帰って行く。

保健の先生と瞑屋さんがこちらに向かって来る。

終わった。

私は瞑屋さんに泣きついてしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る