取材メモ②:ちょっ!? 予定と違うっすよ!?
神聖歴六一〇三年・
どもども、雨にも負けない今日も元気な猫人娘のアイナちゃんっすよ~。
ふふっ、ギルドの制服の上から前日に購入した銀色の胸鎧とガントレット、グリーブ、小剣を装備した姿はまさに冒険者!
流石はアタシ! なんでも
さぁ! この調子で頑張って取材に行くっすよぉ!
なんて張り切りつつナメークハンターズの待つ冒険者ギルドへ。
すると既に皆さんお揃いに! これは、お待たせして申し訳ないっす。
さて、予定だとゴブリンを討伐することにしてましたっけねぇ~。
ナメークハンターズから参加するのは四人。
まずはリーダーの女の子、元祖ナメークハンターさん!
次はパーティ屈指の実力者であるメイドのノアさん。
そして、錬金術師のニコさんに、パーティで一番若手のルルさん。
これにアタシが加わればゴブリンなんて楽勝っすね!
と思っていたら……なぜかすまなそうに声をかけてくるリーダーさん。
待って! 待つっす! すっごく嫌な予感がするっすよ!?
数分後、告げられたのは最悪の言葉……。
雨が降っているからゴブリンではなくキングナメークを討伐しにいきますって、それ本気で言ってるっすか!?
いや、確かにあの魔物は雨の日に活動が活発なるのは知ってるっすけど……。
なにも今日行かなくても……。
くっ……ナメークハンターの二つ名とパーティ名を甘く見ていたっす……。
これほど積極的にナメークを狩っていたなんて……想定外っすよぉ、トホホ。
色々と後悔しながら、パーティに連れられ王都近くの森の中へ。
うぅ……本当に来てしまったっす。けど、できればキングナメークとは遭遇したくないっすねぇ……。アイナちゃんは無事に王都へ帰りたいっすよぉ。
しかし、早速キングナメークを発見するリーダーさんとルルさん。
え? 待って……さっき森に入ったばかりなのに、もう!?
驚いていると、キングナメークへ躊躇なく突撃する二人……いやいやいや。
近接戦闘とか本気っすか、この人たち!? 他の冒険者からは弓や魔術を使って接近せずに仕留めるって、教えてもらったっすよ、アタシ!
じゃないと、傷つけたときに飛び散る体液で大変なことになるって……。
けれど、心配をよそに戦闘を終えた二人はまったく汚れていなかったっす……。
唖然としていると、慣れれば簡単ですよ? と首を傾げるリーダーさん。
いや、そういう問題っすか、これ!?
思わず突っ込むと、なら試してみるといいのです! と恐ろしい提案が!
待って! アタシは普通のギルド職員っすよ!?
なのにリーダーさんは優しい微笑みを浮かべ、取材ですよね? 協力するから頑張るのです! って……あ、この人、割と本気だぁぁ!?
いやっ! いやっす! ナメークと戦うなんていやぁぁ!
経理への申告用メモ
銅貨:1枚(公衆浴場利用料)
銀貨:30枚(酒代:用途・精神的外傷を癒やすため)
――――――――
前日からの合計:金貨1枚、銀貨15枚、銅貨7枚
うぅ……最悪、最悪っす。服も装備もヌメヌメっすよぉ。もう今夜はヤケ酒っす! この酒代、絶対経費で落としてやるぅぅ。˚‧º•(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º•˚
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