364日目:これがパーティハウス?

 神聖歴六一〇三年・月兎の月第一二日・天気:晴


 今日は紹介された物件がパーティハウスとして適切か確認しに行きます。

 あ、皆には昨夜の内にしっかりと説明して、ちゃんと納得してもらいました!

 

 というわけで朝食後、前日に猫又商会で教えられた場所へ向かいます。

 宿泊中の宿から歩くこと約一時間……なにやら高級住宅地にやってきました。

 う~ん、道を間違えましたかね? 周囲の建物がお屋敷ばかりなんですが……。

 こんな場所に私達が暮らせるような家が本当にあるんでしょうか? 不安です。


 なんて考えいると、ナメークハンターズの皆さんですか~? と呼ぶ声が……。

 視線を向けると、道の突き当たりにあるお屋敷の前で誰かが手を振っています。

 訝しがりながら近付くと、そこには白い毛並みをした猫人のお姉さんの姿が……。

 

 その後、話を聞くと猫人のお姉さん、ララさんは猫又商会の職員さんでした。

 なんでも、支店長のグリさんに私達の案内を頼まれ、朝から待っていたとか。

 え? ということはもしかして目の前のお屋敷が昨日の物件ですか?

 慌てて確認すると、は~い、そう聞いています~、と笑顔で頷くララさん。

 うわぁ。鉄柵で囲まれたお屋敷だなんてそんな話は聞いてませんよ、私。


 とか思いながらララさんに促され、お屋敷の敷地内へ。

 ……本当に凄いお屋敷ですね。建物は白煉瓦を贅沢に使用した二階建て。

 小さな池のある広い庭は、大人数でパーティーを開けそうです。

 うん……これはどう見ても貴族の別邸といった感じがします。

 この分だと中も相当凝った作りになっているんじゃないでしょうか?


 それから屋敷の中を確認すると、予想通り凄かったです。

 照明やお風呂、台所の調理器具など全てに魔道具が使用されていました。

 でも、こんな豪邸がどうして売りに……ハッ! もしや曰く付きですか!?

 だとしたら提示された金額にも納得です……あの値段は安過ぎます!


 しかし、そう問い質す私にララさんは笑顔で説明してくれます。

 このお屋敷は最近まで確かにとある貴族が所有する別邸だったそうです。

 ただ、その貴族の遠縁が別の街で盗賊に手を貸す大問題を起こしたとか。

 それを敵対勢力が攻撃、結果的に爵位の剥奪へと発展したらしいです。

 だから安心してご購入ください、とララさん……いや、でも流石にこれは。


 迷っていると、いいんじゃない? 私は気に入ったよ? とノアさん。

 私の研究室にピッタリな地下室がありました……、と嬉しそうなニコさん。

 こんな立派な豪邸に住めるなんて冒険者って凄いですね! とルルちゃん。

 そして、サマラさんとルイナさんもどこか幸せそうに豪邸を見つめています。


 はぁ……今更、別の物件とか考えられませんし、仕方ありませんね。

 これに決めましょう! そう言うと、お買い上げ感謝で~す、とララさん。

 

 あ、支払いは済ませましたが、契約の更新などで住めるのは明日からだとか。

 ふふっ……宿屋暮らしも今夜で最後なんて少し不思議な感じがします。


 今日の収支

 金貨:-2枚(宿泊費×7+ソシオ)(食事☆☆☆、寝床☆☆☆)

    -210枚(お屋敷購入費用)

 ――――――――

 残金:金貨10枚、銀貨78枚、銅貨20枚


 o(^-^)o 明日はお引越しです♪

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