362日目:商業ギルドでの一悶着。
神聖歴六一〇三年・月兎の月第一〇日・天気:雨
ふぁ~、今朝も清々しい目覚めです。やっぱり高級宿屋のベッドは最高ですね。
加えて、美味しい食事と広いお風呂、それに掃除の行き届いた埃一つない部屋。
まさに理想の生活です……お金にも余裕がありますし、暫く逗留しましょうか。
ふふっ……金貨が二〇〇枚以上もあると、沢山贅沢ができて凄く楽しいですね!
そんなことを思いながらベッドの上でゴロゴロゴロ……あぁ、幸せです。
う~ん……よし! 雨も降っていますし今日のお仕事はお休みにしましょう。
それに、ダンジョン探索の疲れが皆まだまだ残っているかもしれませんしね。
決して私が休みたいわけではないですよ? 皆の体調を考えた結果です!
というわけで朝食時そのことを全員に伝え、あとは各々自由行動に。
因みに皆の予定を訊いてみると、
ニコさんは錬金術師ギルドへ素材などの補充に行くそうです。
ルルちゃんは装備の点検に武具店へ……ついでに私の装備も頼めますか?
サマラさんは礼拝のあと酒場へ行くとか……貴女、本当に神官ですよね?
ルイナさんは料理教室へ……なんかまた抜け駆けされてしまいました。
最後、ノアさんはぶらぶらと街を散策するそうです……。
そうして、全員を見送ったあと私もこっそり外出します。
皆に内緒で向かう先は商業ギルド。そこで少し調べたいことがあるんです。
あぁ……でも、一人で商業ギルドに行くとか緊張しますね……。
一応、ちゃんとした服に着替えたつもりですけど……少し不安です。
なんて考えていると、いつの間にか商業ギルドの前に着きました。
王都の商業ギルドは初めて来ましたが、石造りの凄く立派な建物です。
大きさは冒険者ギルドの三倍ぐらいは余裕であるでしょうか?
そんな商業ギルドの周りには、煌びやかな服装に身を包んだ人ばかり。
うぅ……なんだか場違い感が凄いです。でも、目的のために頑張ります!
覚悟を決めて商業ギルドの中へ。
そのまま周囲には目もくれず受付に向かい、用件を伝えます。
けれど、対応してくれた眼鏡のお兄さんがまともに取り合ってくれません。
そればかりか、失礼ですが購入資金はおありですか? とせせら笑うお兄さん。
ば、馬鹿にして! 確かに服装は安物ですが、だからってその態度は酷いです!
しかし、その抗議にもやれやれといった様子で肩を竦めるお兄さん。
!? もういいです! 商業ギルドなんて金輪際関わらないのです!
そう言って商業ギルドを飛び出したものの……どうしましょう?
購入を考えているものは商業ギルド経由が一番早くて確実なのに……。
うぅ……困りました。でも、また商業ギルドへ行くのは絶対に嫌です。
はぁ……人生上手くいきませんね。とりあえず宿に帰って対策を考えないと……。
今日の収支
銀貨:-20枚(ルルちゃん:装備点検費×2)
-10枚(サマラさん:酒代)
-4枚(ルイナさん:お料理教室代)
-5枚(ノアさん:お買い物代など)
金貨:-1枚(ニコさん:錬金術素材、器具購入費)
-2枚(宿泊費×7+ソシオ)(食事☆☆☆、寝床☆☆☆)
――――――――
残金:金貨224枚、銀貨73枚、銅貨20枚
(ノ_-;)ハア やってしまいました……。
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