360日目:ギルドへの帰還報告。

 神聖歴六一〇三年・月兎の月第八日・天気:雨/曇


 ふぁ~……よく寝ました。約一ヵ月ぶりの高級宿屋はやっぱり最高ですね。

 綺麗で広いお風呂、豪華な食事に美味しいお酒、そしてふかふかのベッド。

 あぁ……なんだか久々に人間らしい時間を過ごした気がします。幸せです。


 そんなことを考えながら、今朝は自室のベッドでゴロゴロしています……。

 もう少し……もう少しだけこの贅沢な空間でゆっくりとしていたいんです。

 それにほら、今日は生憎の雨ですし……外に出てもいいことはありません。

 なので、このまま惰眠を貪りながら、ふかふかベッドを満喫するのです!

 ここ一ヶ月の頑張りを思えば、これくらいの贅沢は許されます……よね?


 なんて自身の行動を正当化していると、ノアさんが部屋を訪ねてきました。

 ……な、なんですか? 今日ぐらいはのんびりしてもいいじゃないですか!

 呆れた様子のノアさんに思わずそう言うと、無言で首を横に振られます。

 冒険者ギルドに報告へ行かないとだよって……うぅ、明日行きませんか?

 ……あ、はい。ダメですよね……分かりましたから、睨まないでください。


 というわけで、雨が止んだ午後から冒険者ギルドへ。

 ギルドに着いたら、真っ直ぐ受付へ向かいます……。

 すると私達に気が付き、驚いた様子で声を掛けてくる眼帯お姉さん。

 おぉ!? 最近見ないからてっきり死んだかと! って失礼ですね。

 ちゃんと無事に戻ってきましたよ! それより素材の換金をお願いします!


 そう言うと、どれぐらいある? とノアさんを見つつ訝しげに尋ねるお姉さん。

 しかし、流石に把握していないのか肩を竦め、首を横に振るノアさん……。

 眼帯お姉さんはそれに溜め息をつき、裏の倉庫前へ向かうように指示してきます。

 ……いや、だって回収できるのは全部持ってきたので、総量とか分かりませんし。


 数分後、倉庫前の空き地で保管していた素材を放出していくノアさん。

 各種ナメークに赤帽子・レッドキャップ、大百足ガーゴイルの残骸など等……。

 次から次へと取り出される素材に、頭を抱えるお姉さんとギルド職員の皆さん。

 最後、キングシェルナメークが出てくる頃には全員顔を引き攣らせていました。


 その後、持ち込んだ素材が多過ぎるので、支払いは明日という話に……。

 まぁ、仕方ありませんか……あ、そうだ! この金貨の鑑定もお願いします!

 ダンジョンの宝箱から発見したんですけど、どれくらい価値がありますかね?

 そう尋ねると、私に訊くな……、とうんざりした様子で呟く眼帯お姉さん。


 ……よし、宿屋へ帰りましょうか! 明日の鑑定結果が楽しみですね!

 あ……そうだ、帰りに税金を払っておかないと。また忘れるところでした。


 今日の収支

 銀貨: -10枚(国民税)

    -15枚(国民税:ノアさん)

    -20枚(国民税:ニコさん)

     -5枚(国民税:ルルちゃん)

    -10枚(国民税:サマラさん)

    -10枚(国民税:ルイナさん)

    -3枚(ソシオ:継続登録費)

 金貨:-2枚(宿泊費×7+ソシオ)(食事☆☆☆、寝床☆☆☆)

 ――――――――

 残金:金貨8枚、銀貨65枚、銅貨20枚

 

 。('-'。)(。'-')。ワクワク 金貨がザクザクですかね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る