先輩冒険者さんが助けてくれるのできっと大丈夫なのです！ 新米冒険者の日記帳

357日目：久々の青空……。

　神聖歴六一〇三年・月兎の月第五日・天気：晴

　さて、今日もセーヴェル遺跡ダンジョン第一階層を移動しています。

　出口まではもう少し……順調にいけばあと数時間で辿り着けそうです。

　これで長かったダンジョン探索もやっと終わります……もうひと頑張りです！

　でも、今回のダンジョン探索では大変なことが色々ありましたね……。

　パーティの分断に襲いくる魔物の大群、数多くの罠とモンスターハウス。

　……ふむ、少し思い出しただけでもろくな目に遭っていませんね、私達。

　けど、どんな困難な状況でも挫けず前へ進めたのは全て仲間たちのお陰です。

　ノアさんにニコさん、ルルちゃん、サマラさん、ルイナさん、そしてソシオ。

　皆が励まし合い、互いに支え合ったから、最後まで諦めずに頑張れました……。

　本当に素晴らしい仲間たちです……こんなパーティを作れた私は幸せ者ですね。

　ナメークハンターズ……誰がなんと言おうと、最高の冒険者パーティです！

　そんなことを考え歩き続けていると、柔らかな風がそっと頬を撫でました。

　ハッとして前方に目を凝らすと、通路の先が光で満ち溢れいています……。

　あぁ……やっと、やっと出口に辿り着いたんです……皆！　走りましょう！

　数分後……私達はついにセーヴェル遺跡ダンジョンを脱出しました！

　探索を開始して三十二日目……全員無事に地上へ戻ってきたんです！

　あぁ、太陽がとても眩しい……吹き抜ける風もすっかり暖かくなりました。

　青い空、白い雲、小さな花、なんだか目に映るもの全てが輝いて見えます。

　世界はこんなに広くて、とっても綺麗なモノだったんですね……凄いです。

　そんななんでもないことに一人で感動していると優しく頭を撫でられます。

　右へ顔を向けると、お疲れさま頑張ったね、と微笑んでくれるノアさん。

　ノアさん！　やりました！　やりましたよ！　ダンジョンを攻略したんです！

　そう言ってノアさんに抱きつこうとすると、突然腰に衝撃が走ります……。

　ぐへっ……ちょっと！？　なんですか！？　誰ですか一体！？

　痛みで涙を浮かべつつ視線を下へ向けると、ニコさんとルルちゃんでした。

　えぇ！？　二人ともなんで泣いてるんですか？　離れてくださいよ～！

　しかし、腰にしがみつく二人はどうやっても私を離してくれません……。

　もう！　ノアさんも笑ってないで助けてください！　重いんですから！

　あれ？　そういえばルイナさんとサマラさんはどこにいるんでしょう？

　ニコさん達に捕まった状態で周囲を見回すと……あ、ちゃんといました。

　って、待ちなさい！　なんで二人だけでお酒を飲もうとしてるんですか！？

　と、そんな感じで騒いだ後、今日はダンジョンの前で野宿をすることに。

　一晩ゆっくり休んで疲れを癒してから、王都へは向かうことにします……。

　さて、久々にテントの準備でもしましょうか。今夜はぐっすり眠れそうです。

　こうしてセーヴェル遺跡ダンジョンの探索は無事に幕を降ろしました……。

　ふふっ……大変なこともあったけど、終わってみればいい冒険でしたね。

　今日の収支

　――――――――

　残金：金貨13枚、銀貨38枚、銅貨34枚

　　　　　古い金貨10枚

　ヽ(=´▽`=)ﾉ　無事に脱出したのです！