345日目:キングシェルナメーク討伐戦!
神聖歴六一〇三年・
セーヴェル遺跡ダンジョン第十階層大広間……ダンジョン表層部最後の難関。
そんな場所で昨日から、とある冒険者パーティと協力して魔物と戦っています。
相手は表層部の主、キングシェルナメークとその取り巻きのシェルナメーク達。
この大広間を突破するにはどうしてもこいつらを討伐する必要があります……。
しかし、戦況は意外と苦しく、このままでは確実にじり貧です。
キングが貝に身を隠し守りを固めると、剣や魔術ではまったく歯が立ちません。
唯一有効な攻撃手段は、ノアさんが装備した巨大なハンマーのみ……。
ですが……ノアさんのその攻撃だけでは火力と手数が圧倒的に足りません。
そうして攻めあぐねていると、いつの間にか増えているシェルナメーク達。
キングへの決定打が見つからぬまま、取り巻きの対処で体力だけが削られます。
むぅ……このままだと本当に不味いです。なにかいい方法がないでしょうか?
戦いながら頭を抱えていると、腰に差した黒竜の小剣が微かに紫電を放ちます。
……抜けってことですかね? 黒竜の小剣……竜の牙ならいけるでしょうか?
う~ん……悩んでいる暇はないですね。今は僅かな可能性でも試さないと……。
というわけで、黒竜の小剣を使用するために、ノアさんに協力してもらいます。
ノアさんのマナ供給なしでこれを使うと本当、大変な目に遭いますからね。
以前、ラミアと戦った時の二の舞は避けないと……入院はもうこりごりです!
暫くすると、ノアさんに渡した小剣の純白の鞘が蒼白く輝きだします……。
よし……鞘にマナが十分貯まったみたいですね。
ノアさんから小剣を受け取り、鞘から抜くと途端に剣身から溢れる紫電。
その様子に目を丸める見知らぬ冒険者パーティの面々と怯えるナメーク達。
皆はナメークから離れていてくださいね……近付くと巻き添えになりますよ!
そう警告し、黒竜の小剣を思いっきり横薙ぎに振るいます。
次の瞬間、轟音とともに小剣から放たれる巨竜の姿をした紫電。
それは触れたシェルナメークを瞬く間に炭に変え、キングへ襲いかかります。
……直撃、そして周囲を襲う激しい衝撃と轟く爆音……立ち込める土煙。
そして、土煙が晴れると……そこにはゆっくりと貝から顔を出すキングの姿が!
あの一撃を耐えた!? ラミアに深手を負わせた攻撃を!? 化物ですか!?
でも、きっともう一発当てれば……そう思い剣を構えた瞬間、突然目眩が……。
くっ……マナ供給があっても流石にきついですね……でも、頑張らないと……。
悲鳴を上げる体を無視して動こうとしますが、そっとノアさんに止められます。
驚いて目を瞬かせると、もう終わったんだよ……、と呟き微笑むノアさん。
意味が分からず戸惑っていると突然、目の前のキングの貝が砕け散ります。
それと同時に、その場に倒れ込み動かなくなるキングシェルナメーク……。
そっか……私達、勝ったんですね。
よかった……でも、安心したら急に眠気が……。
ノアさ、ん……あとのことは頼み……ます、ね。
今日の収支
特になし
――――――――
残金:金貨13枚、銀貨38枚、銅貨34枚
o_ _)oバタッ …………。
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