337日目:第四階層へ……。

 神聖歴六一〇三年・夢見虎ゆめみとらの月第一六日・天気:―


 セーヴェル遺跡ダンジョン第三階層のとある小部屋で私は目を覚まします……。

 ふぁ~……よく寝ました。ダンジョン内で熟睡したのは初めてかもしれません。

 これも全てこの小部屋のお陰ですね。こんなに安全な場所は滅多にありません。

 ……さて、休息も十分に取りましたし、そろそろ探索を再開しましょうか。


 というわけで、小部屋を出て第四階層へ続く階段のある大広間へ向かいます。

 昨日、大百足ガーゴイルに投げつけた薬品はちゃんと効いているでしょうか?

 もしもまだ天井に無傷で居座っていたら、今度こそ打つ手がありません……。

 はぁ……そうなったら表層部攻略は諦めて撤退ですね……うぅ、大赤字です。


 そんな心配をしていると大広間の入口に到着しました。

 中の様子を慎重に覗いてみると……うわぁ、凄いことになっています。

 床や壁のいたる所がひび割れたり、剥がれたりしていて大惨事です。

 加えて、大広間のあちらこちらに大きな岩が散乱しています……うん?

 

 この岩……よく観察すると、あの大百足の一部のような気がします。

 もしかしてやりましたか? 大百足ガーゴイル討伐成功でしょうか?

 そう期待して視線を大広間の惨状から、天井へゆっくり移してみると……。


 ふふっ……ふふふっ……いない! いませんよ、あの大百足ガーゴイルが!

 凄いですね、ニコさんのお薬! これなら大広間を安全に通過できます!

 第三階層の探索を続けること約六日……ようやく第四階層へ進めるんです!


 しかし、喜びながら大広間に入った瞬間、背後の岩陰で何かが動きます。

 慌てて振り返ると、そこには大きな百足が! 長さは三メートルほど。

 その姿に驚いていると、大百足は迷いなく私に向かって突進してきます。

 それを間一髪のところで躱し、小剣で反撃すると予想外の手応えが……。

 くっ……凄く硬いです……でもお陰で百足の正体が分かりましたよ。


 この大百足、随分小さくなっていますが、あの大百足ガーゴイルです!

 恐らく無傷だった部分だけを集めて辛うじて再生したんでしょう。

 まったく、もう! 本当に厄介な魔物ですね、大百足ガーゴイル!

 でも、今の大きさなら私達でも正面から十分戦えます! 今度こそ討伐です!


 そうして態勢を整え、大百足ガーゴイルとの戦闘を開始します。

 私とルルちゃんが引きつけ、その隙に背後からハンマーを叩き込むノアさん。

 ルイナさんは大百足の動きを矢で牽制しつつ、サマラさんとニコさんの護衛。

 

 数時間後……そうやってどうにか大百足ガーゴイルを討伐しました。

 はぁ……あの大きさでも意外と強敵でしたね……硬すぎるんですよ、本当。

 ノアさんのハンマーでも一撃で砕けないとか未だに信じられません。

 でも、これで帰りのことを心配せずに安心して第四階層へ進めます!


 セーヴェル遺跡ダンジョンの探索を開始して今日で十二日目。

 いよいよ第四階層です! 表層部攻略までは残り六階層。

 まだまだ先は長いですが、行けるとこまで頑張りましょう!

 

 今日の収支

 (大百足ガーゴイルの各種素材)

 ――――――――

 残金:金貨13枚、銀貨38枚、銅貨34枚


(*'-'*) ようやく第四階層へ進出です!

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