325日目:突入前夜……。
神聖歴六一〇三年・
はぁ……昨夜の出来事は衝撃的でした。一晩たってもまだ少し悲しいです。
……けど、ルイナさんは一体どこで料理を習ってきたんでしょうか?
私が以前探した時は料理教室とか見つけられなかったのに……不思議です。
……王都へ戻ったら訊いてみましょう。私も料理ができる子になるんです!
そんな決意を胸に秘め、朝食を終えたらダンジョンへ向けて出発します。
……何事もなければ早くて夕方、遅くても今日中には到着する予定です。
まぁ、このルートは魔物との遭遇も少ないはずですし気楽に行きましょう。
なんて考えていた数時間前の自分を叱りたいですね。
現在時刻はお昼少し過ぎ……私達は荒野の真っ只中で魔物に襲われています。
相手はアレです……頭と胴体が美しい女性の姿をした鳥の魔物・ハーピィです。
岩陰で休憩しながら遅めの昼食を食べていると、突然襲撃されました……。
それにしても、食べ物に意地汚いという話でしたが想像以上に酷いですね。
最初の襲撃以降は私達には見向きもせず、今は昼食の食べ残しを貪っています。
……さて、食事に夢中な今の内に、サクッと討伐してしまいましょうか。
人様の食べ物に手を出したことを、ハーピィ達に後悔させてやるのです!
十数分後……無事、討伐が終了しました。
でも、ハーピィ達には呆れましたね……。
攻撃されても、仲間が倒れても食事を止めないんですから……。
……ノアさんとルイナさんが弓で射るだけの簡単なお仕事でした。
けど、あれは食欲旺盛とか食べ物に意地汚いなんて言葉では足りませんね。
食べ物に貪欲過ぎます……まぁ、お陰で意外と簡単に狩れましたけど……。
さて、素材を回収したら先を急ぎましょう……早くしないと夜になります。
あ、因みにハーピィの素材は羽や爪が装飾品として人気があるんですよ!
ふふっ、ダンジョンを探索する前に思わぬ収入が手に入りました……。
そうして、その後は特に問題もなく順調に進み夕方。
ようやくセーヴェル遺跡ダンジョンの入口に到着しました。
荒野にそびえる巨大な赤褐色の大岩……それを削って造られた太古の神殿。
硬い岩肌を削り作った門に柱、窓、装飾の数々……本当に凄い技術です……。
さてと、遺跡に見惚れてないで、早く野宿の準備をしないと……。
今夜はダンジョン近くで野営をして、探索は明日の朝から開始します。
ダンジョンに入ると満足に休めませんからね……これが最後の休息です。
ここまでの疲れを十分に癒して、明日以降の探索にしっかり備えないと。
というわけで、今夜は夕食も豪華です!
献立はパンに野菜スープ、お肉の串焼きにサラダなどなど……。
加えてなんと……今回はお酒まであるんですよ! しかも高級品です!
サマラさんが、この前買った私のお酒!? とか驚いていますが無視です。
また今度買ってあげますから、景気付けのためにもパーっと飲みましょう!
ではでは、明日からのダンジョン探索の成功を願って、乾杯です!
今日の収支
(ハーピィの各種素材×10)
――――――――
残金:金貨13枚、銀貨38枚、銅貨34枚
(*'-'*) 目指せ、ダンジョン攻略です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます