324日目:セーヴェル遺跡ダンジョンへ!

 神聖歴六一〇三年・夢見虎ゆめみとらの月第三日・天気:晴


 さて、今日からいよいよセーヴェル遺跡ダンジョンへ向けて出発しますよ!

 しっかり準備も整えましたし、昨夜も高級宿に泊まり十分英気を養いました。

 初版の【ルナの冒険記】も読み始め、今の私はやる気に満ち溢れています!

 ふふっ、なんだかダンジョンも攻略できる気がしてきました……頑張ります!


 というわけで朝食後、まずは冒険者ギルドへ。

 今回は王都を長期間離れるので一応挨拶しておかないと……。

 到着後、受付に行くとそこには普段通り眼帯お姉さんの姿がありました。

 ……本当、いつもいますねこの人。一応、ギルドマスターのはずなのに。

 まぁ、こんな感じで挨拶をするときは気軽にできて助かりますけど……。


 なんて考えつつダンジョン探索の話をすると、やっとか……、と眼帯お姉さん。

 そして、心ばかりの餞別だが有効に使いな、と古い羊皮紙を手渡してくれます。

 広げてみると、文字のようなものが一面に記されていました……これは一体?

 困惑して首を傾げると、眼帯お姉さんは少しだけ面倒そうに説明してくれます。


 それによると、これはセーヴェル遺跡ダンジョンで発見されたものだそうです。

 ただ、書かれている内容は不明だとか……え、いや、そんな物をどうしろと?

 思わずそう突っ込むと、裏をよく見てみな、と欠伸をしつつ言う眼帯お姉さん。

 

 その態度に文句を言いたいのを我慢しつつ、羊皮紙を裏返して確認すると――。

 裏には鍵のような模様が描かれていました……似ていますね、あの銀の鍵の形に。

 なるほど……何か関係がありそうだから持って行けと……ありがとうございます。

 そう言ってお礼を言うと、役に立ったら今度なにか奢りなよ、と眼帯お姉さん。

 ……冒険者にたかるギルドマスターってどうなんです? まぁ、いいですけど。


 そうして冒険者ギルドで挨拶を終え、お昼少し前に王都の東門を出発しました。

 目的のダンジョンは王都北にありますが、東門から向かうほうが楽に着きます。

 北門を利用すると距離は近いんですが、魔物の多い地域を横切りますからね。

 なので、少し遠くても東門からダンジョンを目指します……安全第一です!

 あ、順調に進むと明日の夜にはセーヴェル遺跡ダンジョンに到着しますよ!


 そんなこんなで夕方。今夜は寒空の下、荒野で野宿です。

 さて、テントの準備をしないと……ルイナさん、手伝ってください!

 って、あれ? ルイナさんはどこにいるんでしょう? ルイナさーん?


 周囲を探してみると、いました……え? でもどうしてそんな場所に!?

 なんで……なんでルイナさんがノアさん達と仲良く料理をしているんですか!?

 予想外の光景に驚き駆け寄ると、この前の休日にちょっとね、とルイナさん。

 さては貴女……一人だけで料理教室へ行ったんですね!? この裏切り者!

 うぅ……ルイナさんは料理下手仲間だと信じていたのに……悲しいです。


 ……もう今日は早めにテントで休みましょう。

 読書でもして、この心の傷を癒します……。


 今日の収支

 謎の羊皮紙

 ――――――――

 残金:金貨13枚、銀貨38枚、銅貨34枚


。・゚゚ '゜(*/□\*) '゜゚゚・。 また私だけ料理がダメな子です……。

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