310日目:森蛙を追いかけろ!

 神聖歴六一〇三年・木目牛このめうしの月第一七日・天気:晴


 ふぁ~なんだか今日はぽかぽかしますね。そのせいか凄く眠たいです。

 このまま段々と暖かくなるんでしょうか? ……いえ、油断はいけませんね。

 きっとまた寒くなるに決まっています……風邪をひかないように注意しないと。


 なんて考えつつ朝食を終えたら、森蛙の調査を再開します。

 え? 朝ご飯の献立ですか? またパンとサラダとお茶ですよ!

 うぅ……今日こそは調査を終わらせて絶対に王都へ帰ります!

 そして、大好きなお肉を心ゆくまで沢山食べるんですからね!


 しかし、そう決意したものの調査は思うように進みません。

 森蛙には何度も遭遇するんです……けれど、その巣が発見できません。

 今回の森蛙たちの異変は彼らの巣に原因があるのは間違いないんです。

 なのに、その巣が見つからないとなると……どうしましょうか?


 その後も諦めずに調査を続けてみますが……やっぱりダメですね。

 森蛙には遭遇しますが、巣の手掛かりはなにも見つかりません。

 ……一体どこに森蛙たちの巣はあるんでしょう?


 そうして悩んでいると、森蛙を追跡したらどうですか? とニコさん。

 あぁ……なるほど、つまり森蛙が巣に帰るまで追い続けるわけですね。

 でも問題があります。森蛙がいつ巣へ戻るか分からないんです……。

 

 森蛙たちは夜には巣へ帰るという規則正しい生活を送っていません。

 ……基本的に昼夜を問わずゲコゲコと森の中を移動しているんです。

 なので、下手に追えば森の中を無意味に歩かされる可能性があります。

 ……けど、今も割と無駄に歩いていますし結果的には同じことですかね。

 よし、適当な森蛙のあとを追ってみますか。冒険者は歩くのがお仕事です!


 というわけで、次に遭遇した森蛙のあとを追跡することに……。

 ふむ……こうして追いかけると意外と足が早いですね、森蛙。

 それに体色が周囲の色と似ているせいで、時々見失いそうになります。

 あとは警戒心が強い個体なのか頻繁に周りの気配を探るのも面倒です。

 むぅ……予想以上に体力と神経を使いますね……凄くきついです。

 

 それから数時間後。歩き続けてアルシス第二鉱山の麓までやってきました。

 森の木々は疎らになり、辺りには大きな岩がゴロゴロと転がっています。

 もう……どこまで行く気ですか……そろそろ疲れてきましたよ。

 そう思っていると、急に辺りをキョロキョロと確認し始める森蛙。


 これまでも頻繁に見かけた行動ですが、ちょっと様子が違います。

 なんというか……今までよりも入念というかそんな感じです。

 これは何かありますね……皆、見つからないように岩陰へ隠れますよ!


 数分後、安心したように頷き、岩と岩の間にできた隙間へ姿を消す森蛙。

 ふふふっ……やりましたよ。恐らくあそこが森蛙たちの巣です!

 ここまで足を棒にして追跡を続けた甲斐がありましたね!

 

 さて、ですが今日の調査はここまでです。

 そろそろ暗くなるので野宿の準備をしないと……。

 結局、今日も帰れませんでしたけど、終わりが見えてきました。

 もう少しだけ頑張りましょう!


 今日の収支

 特になし

 ――――――――

 残金:金貨1枚、銀貨29枚、銅貨34枚


 ('-'*) あとは巣の調査だけです!

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