308日目:森蛙の生態調査。
神聖歴六一〇三年・
ふぁ~……もう朝ですか。本を読んでいたら結局、徹夜になってしまいました。
でも、頑張って一晩中勉強したので魔物の生態調査についてはバッチリです!
あとは実践あるのみ! さぁ、朝ご飯を食べたら調査に出発しましょう!
というわけで朝食後、皆で森の中へ。
今回の調査目的は森蛙・フォレストフロッグが異常繁殖した原因の特定です。
森蛙は気温が低い今の時期、本来ならあまり活発な活動を行いません。
なので、今思えば前回遭遇した森蛙の集団は明らかに異常だったんです。
森蛙たちの活動期以外での行動に加え、繁殖期以外による数の増加。
一体この森で何が起こっているんでしょう? ……少しだけ不安です。
なんて思いつつ森を歩いていると、フォレストフロッグを早速発見しました。
一匹ですか……周囲に他の仲間はいなさそうですし、これはチャンスです!
前回のように仲間を呼ばれる前に手早く処理して、調査を開始しましょう!
数分後、私の目の前には討伐したばかりの森蛙が横たわっています。
よし、まずは体長や重量など簡単なことから終わらせますよ……。
……ふむ。大きさも重さも平均的なフォレストフロッグですね。
あ、調べたことは逐一、ニコさんがメモにまとめてくれています。流石です!
その次は、森蛙のお腹を開き、今の時期に食べているものを調べました。
詳細は省きますけど、色々出てきましたよ……雑食性の魔物は恐ろしいです。
……一言付け足すなら、私はもう二度と森蛙を食べません。絶対です!
さて、その後も森蛙と遭遇するたびに、同様の調査を行いました。
しかし、どの個体も一般的な森蛙の生態と同じで異常はありません……。
う~ん、森蛙に問題がないとすると周辺環境が影響しているんでしょうか?
そう思って地図を広げますが……別に妙な場所は無いんですよね。
ただ、少しだけ他の森より沼や池が多い感じはします。
……もしかして、そこに何か問題があるんですかね?
よし、その辺りも徹底的に調査を行ってみましょう!
と、意気込みますが、今日の活動はもう終了です。
森の中なので普段より暗くなるのが早いんですよね。
なので急いで野宿の準備をしないといけません……。
はぁ……今夜は宿屋で寝られると思ったんですけどね……最悪です。
そんな愚痴を言いつつテントを張り終えると、ちょうど夕食の時間に!
わぁ~、今晩の食事はなんでしょうね? 良い匂いがしていますけど!
しかし、そうワクワクしながら席に着いた瞬間、私は言葉を失います。
だって、だって……料理全てに森蛙のお肉が使われていたんです!
うぅ~……無理! 無理です! どんなに美味しそうでも無理です!
だって、あんな物を食べていた蛙のお肉ですよ!? 絶対無理です!
そう拒否する私の横で、パクパクと無言で食べ始めるニコさん……。
……あれを見て記録をしておきながらよく食べられますね、貴女。
ぐすんっ……私はパンだけで我慢します……。
あぁ……早く依頼を終わらせて普通のお肉が食べたいです。
今日の収支
特になし
――――――――
残金:金貨1枚、銀貨29枚、銅貨34枚
(/へ\*) 無理! 真実を知ったら無理です!
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