307日目:生態調査依頼……。
神聖歴六一〇三年・
ふぁ~……よく寝ました。眠るならやっぱり高級宿のふかふかベッドですね。
おかげで火鼠の毛皮事件からもだいぶ立ち直れました……もう大丈夫です!
……悲しい出来事でしたけど、気持ちを切り替えてまた頑張りますよ!
というわけで、今日はいつもより少し元気に冒険者ギルドへ。
しかし、着いた早々に受付の眼帯お姉さんから呼ばれてしまいます……。
うわぁ……なんの用ですかね? ……まさか、また指名依頼でしょうか?
はぁ……気は進みませんがとりあえず用件を聞いてみないと……。
眼帯お姉さんはギルドマスターですからね、無視するとあとが恐いです。
そうして受付に行くと、眼帯お姉さんから一枚の紙を渡されます。
うん……嫌な予感が的中しました。案の定、指名依頼です。
しかも、依頼主は冒険者ギルド……これでは断ろうにも断れません。
はぁ……最悪です。……今回はどれだけ面倒な依頼なんですかね。
けれど、依頼内容を確認してみると……あれ? 意外と簡単なような?
依頼書に記されていたお仕事は森蛙・フォレストフロッグの調査と駆除。
場所は王都東にあるアルシス第二鉱山周辺の森や沼など……。
あぁ! これ、私達がこの前ギルドに報告したやつじゃないですか!
森蛙の数が異常だったので、調査したほうがよくないですか? って!
思わず声を上げると、クスクスと楽しそうに一人笑う眼帯お姉さん。
そして、ついでに最後まで調査してくれ、としれっと言い放ちます。
むぅ、普通こういう魔物の生態調査は専門のパーティがするものなのに……。
それをどうしてこっちに回してきますかね、このギルドマスターは……。
まぁ、やるだけやってみましょう……何事も経験ですからね……。
よし……準備を整えたら急いでアルシス第二鉱山へ出発です!
夕方。暗くなる前になんとか森の入口に到着です。
調査のために色々と道具を購入していたら遅くなってしまいました。
本当なら今晩はベースキャンプに泊まる予定だったのに……。
でも、今から森の中を進むのは危険なので大人しくここで野宿です。
さて、そうと決まればテントを張って夕食の準備をしましょう!
一時間後、目の前には野宿なのに美味しそうな食事の数々が!
スープにパン、サラダにお肉の串焼きまであります!
こんなご飯が食べられるから、意外と野宿も楽しみなんですよね。
って、ニコさんがもう食べ始めてる!? 待って! そのお肉は私のです!
楽しい夕食が終わったら、私はテントで地図と本を広げます。
魔物の生態調査とか初めてなので、色々調べておかないと……。
えっと、魔物の行動範囲? 縄張り? 天敵? むぅ……難しいです。
でも、頑張って勉強しますよ! 今日は見張り当番がありませんから!
ふふっ、今回のクジ運は凄く良かったのです……憐れ、ニコさん。
私のお肉を奪うからいけないのです……さて、集中、集中。
今日の収支
銅貨:-25枚(森の地図)
銀貨:-5枚(食料など)
-7枚(調査道具など)
-8枚(本:生態調査入門)
――――――――
残金:金貨1枚、銀貨29枚、銅貨34枚
φ(・_・”)メモメモ 勉強……勉強です。
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