304日目:寒くて寒くて……。
神聖歴六一〇三年・
くしゅんっ……今朝はまた一段と冷え込んでますね。
この寒さはいつまで続くんでしょう? 早く暖かくなってほしいです。
けど、寒さに負けずに今日もお仕事へ行かないと……お金を稼ぐのです!
というわけで朝食後、冒険者ギルドへ向かいます。
はぁ……宿の外に出ると空気が本当に冷たいです。
昨日、節約して防寒着を購入しなかったのは失敗でしたね。
こんな寒さがまだ続くなら少し無理をしてでも購入しておけばよかったです。
そんなことを考えていると、いつの間にかギルドに到着しました。
……さ、寒いです。早くギルドに入って少しでも温まりましょう。
冷え切った手をさすりながら、重いギルドの扉をゆっくり開きます。
中に入ったら、そのまま真っ直ぐクエストボードの前へ。
さて、今日の依頼は何にしましょうか?
いつもの採取系に、普段通り面倒そうな討伐系……迷いますね。
う~ん……あ! 討伐依頼ですけどこれは良いかもしれません。
見つけたのは火鼠の討伐依頼。
討伐対象の火鼠は巨大な鼠の魔物です。確か大人の熊ぐらいの大きさでしたか。
特徴は体温が火を纏っているかのように異常に高いこと……。
でも普段は火山地帯に棲んでいるのに、なぜ王都近くに現れたんでしょう?
目撃地点は北部の荒野ですけど……謎ですね。
しかし、これはチャンスです。
というのも火鼠の毛皮は素晴らしい防寒着になるんですよ!
流石に火蜥蜴の革と比べると若干劣りますが、贅沢は言っていられません。
火鼠の毛皮を手に入れて、この寒さとはさよならするんです!
よし……依頼を受注して今すぐ現場へ向かいましょう!
数時間後。王都北部の荒野にやってきました。
以前、野生豚のハバリーを狩猟したあの荒野です。
うぅ……今回はあの時以上に寒いですね……。
荒野なので風を遮るものが何もなくて冷たい風が身に沁みます。
さて、目当ての火鼠はどこにいるんでしょう?
大きいと言ってもこの広い荒野です……見つけるのは容易ではありません。
でも、きっとすぐに発見できます! 私、こういう時の運は良いんですよ!
ふふっ、早く火鼠の毛皮を手に入れてぬくぬく生活を満喫するのです!
……けれど、日が暮れるまで探し続けたものの、火鼠は発見できませんでした。
ただ、火鼠がいた痕跡は見つけたので明日はその周辺を集中して探す予定です。
あ、今夜はここで野宿をします。王都に戻る時間がありませんしね……。
はぁ、この寒空の下で一夜を明かすことになるなんて……予想外です。
もっと簡単に発見できると思っていたのに……失敗しました。
と、嘆いている暇があったら急いで野営の準備をしないと。
……まだまだ日が暮れるのが早いですからね。
ゆっくりしていたらあっという間に真っ暗になってしまいます。
くしゅんっ……あぁ、でも本当に寒いです。
今日の夕食はノアさんの温かいスープが食べたいですね。
そしてポカポカになったら早めに寝て明日に備えましょう。
火鼠の毛皮……絶対に絶対に手に入れるのです!
今日の収支
特になし
――――――――
残金:金貨1枚、銀貨23枚、銅貨64枚
(ノ△・。) うぅ、この時期の荒野は凍えそうです……。
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