先輩冒険者さんが助けてくれるのできっと大丈夫なのです！ 新米冒険者の日記帳

303日目：皆の新装備。

　神聖歴六一〇三年・木目牛（このめうし）の月第一〇日・天気：曇／雪

　うぅ……今朝は凄く寒いです。部屋の中なのに吐いた息が真っ白になります。

　こんな日はベッドから出たくありませんね……ずっと眠っていたいです……。

　でも、頑張って起きないと……今日は武具店に行く予定なんですから。

　というわけで、どうにか二度寝の誘惑に打ち勝ち朝食後は武具店へ。

　くしゅんっ……宿の外に出るとまた一段と冷え込みますね……。

　って……なんだか雪までちらつき始めました……寒いわけです。

　はぁ……やっぱり前回の依頼で火蜥蜴の外套を失ったのは大失敗でした。

　装備の新調に防寒具の購入……また一気にお金が減りそうで憂鬱です。

　なんて考えていると、馴染みの武具店の前に着きました。

　筋骨隆々でちょび髭がトレードマークなおじ様が店主の猫又商会加盟店です。

　本当は借金がないので加盟店以外のお店も利用できるんですけどね……。

　でも、今更新しいお店を探すよりも、今までお世話になったここが一番です。

　そうして中に入ると、店内には一生懸命掃除をするちょび髭おじ様の姿が。

　……相変わらず体格に合わない小さな掃除道具を使っていますね。

　その変わらぬ様子に思わず笑うと、ようやく私達の存在に気が付くおじ様。

　お久しぶりです、おじ様。またお世話になりに来ましたよ！

　挨拶をすると、お前さん達もよくよく運が強いなぁ、と笑うおじ様。

　いえいえ、こうして皆が無事なのもおじ様の装備が良いからですよ。

　そう言うと、おだてても安くはしないぞ、と嬉しそうに返されます。

　お世辞じゃないんですけどね……本当に感謝しているのです。

　特にルルちゃんと私はあの鎧や外套がなければ今頃どうなっていたか……。

　……まぁ、これ以上言葉にしても野暮ですね。

　今後も利用することでお礼の代わりにしましょう。

　さて、再会の挨拶を終えたら、今度はおじ様に仕事の依頼です。

　今回は私とルルちゃん、ルイナさんニコさんの鎧を新調します。

　使用する素材は去年狩ったワイバーンとデュラハンです。

　あ、ノアさんとサマラさんは鎧が必要ないので今回は見送ります。

　二人とも服に魔術や神術が付与してあるのでいらないんだとか……。

　ただの服が鎧並になるとか……やっぱり魔術関系はずるいです。

　さて置き、素材の鑑定と鎧四着の見積もりをしてもらうと……。

　うっ……やっぱり意外と高いです。全員分は欲張り過ぎましたかね？

　あまりの金額に頭を抱えると、おじ様は苦笑してある提案をしてくれます。

　素材を一部売却し、今の鎧を下取りに出せば、もう少し安くなると……。

　その場合の金額は……これならギリギリ足りて資金もそこそこ残りますね。

　う～ん……仕方ありません。それでお願いしましょう。

　悩んだ末、提案通りの方法と価格で鎧を注文することにしました。

　料金と素材は前払い、鎧の下取りは後日。新鎧の完成までは五日ほど。

　はぁ……一気にお金が減りました……また明日から依頼を頑張らないと。

　今日の収支

　銀貨：－7枚（宿泊費×6＋ソシオ）（食事◎、寝床◎）

　金貨：－3枚（鎧製作費）

　――――――――

　残金：金貨1枚、銀貨23枚、銅貨64枚

　(ﾉ_-;)ﾊｱ…今度はどうやって稼ぎましょう……。